寺島拓篤×FLOW TAKE 特別対談 アニメを通して築かれたリスペクト、念願の共作で開いた新たな扉
寺島拓篤が12thシングル『more than W』をリリースした。
表題曲は、作詞を寺島が手掛け、作編曲をFLOWのTAKEが担当。TVアニメ『異世界黙示録マイノグーラ~破滅の文明で始める世界征服~』ED主題歌を担当しており、アニメの主要キャラであるエルフール姉妹をイメージしたロックナンバーに仕上がっている。
リアルサウンドでは、寺島とTAKEの対談を企画。これまでもイベントで共演経験がある両者だが、それ以前にもFLOWが主題歌を務めた作品に寺島が多数出演するなど、アニメを通して縁を深めてきた。同作の制作エピソードをはじめ、お互いのクリエイティブの魅力、さらに昨今のアニメソングの潮流に至るまで、たっぷりとトークを交わしてもらった。(編集部)
寺島とTAKEの出会いーー「人生どうなるかわからない」
ーーまずはお二人の出会いと交流についてお伺いしたいです。そもそも最初の接点はどういったところだったのでしょうか?
TAKE:色々調べてみたら、結構昔からニアミスはしてたんですよね。(FLOWが第2クールオープニングテーマ「WORLD END」を担当した)『コードギアス 反逆のルルーシュR2』にコルチャック役でテラシー(寺島)が出ていて。それと『ペルソナ~トリニティ・ソウル~』。これも我々がオープニング(FLOW「WORD OF THE VOICE」)を担当していて。
寺島拓篤(以下、寺島):そうでした! 『ペルソナ』はちょっとしか出てないんですけど、そこまで調べてくださったんですね。
TAKE:その2作品が2008年だから、もう17年も前になるのか。あとは『デュラララ!!』もそう(FLOWは第2期『デュラララ!!×2 結』オープニングテーマ「Steppin' out」を担当)。その当時は直接交流はなかったけど、作品と主題歌アーティストという形で接点がありましたね。
寺島:その後、関係が濃くなったのが、2023年に放送された『帰還者の魔法は特別です』という作品で。そのオープニング主題歌「GET BACK」をFLOWが担当してくださって、僕は主人公のデジール・アルマン役で出演させてもらっていたんです。
TAKE:そこが密接になった瞬間だったよね。その話と並行して長野のフェス『ナガノアニエラフェスタ2023』で同じ日に出させてもらうことになって、「よかったら一緒にコラボしませんか」ってことで「GO!!!」を一緒にやったんですよ。
寺島:あれは僕が『アニエラ』の主催者側に提案したんですよ。僕、『アニエラ』に出演した時は毎回、「せっかくアニソンフェスをやるんだからコラボ企画とか絶対にやった方がいいですよ」って、うるさいオタクみたいに話してて(笑)。FLOWさんとご一緒した前の年に出演した時も、長野出身の寺島惇太くんとダブル寺島でコラボしたんです。それで「今年も誰かとやれないですかね」みたいなお話をしていたら、まさかのFLOWさんと結びついたっていう。
TAKE:ちょうど『帰還者の魔法は特別です』のキャストと主題歌も発表されていて、お客さんにも僕らの関係値がわかりやすいだろうから、ということでやらせていただきました。テラシーはライブでもすごく声が通るんですよね。うちのバンドはツインボーカルだけど、それに負けない3本目の矢みたいな。
寺島:ありがとうございます! 確かにお二人(KOHSHIとKEIGO)の声と被らないところがありましたよね。でも、僕らサイドとしては、あのFLOWさんとコラボさせてもらえるということで、特にスタッフが浮足立ってました。やっぱり僕より少し下の世代になると、本当にFLOWのアニソンをいっぱい聴いて育ってきたので。『NARUTO -ナルト-』にせよ『コードギアス』にせよ、全部通ってきてますから。
TAKE:ありがたい。寺島さんといえば『創聖のアクエリオン』の主人公・アポロ役で2005年にテレビアニメデビュー。そして2012年6月6日にセルフプロデュースアルバム『NEW GAME』でアーティストデビューされて、同年には『うたの☆プリンスさまっ♪』のユニット、ST☆RISHで声優アワードの歌唱賞も受賞されている。活動を遡って見させていただくと、本当に音楽に真摯に取り組んでいる方なんだなと改めて思いました。
寺島:あれ、MCの方ですか?(笑)。いきなり全部説明してくださるじゃないですか。
ーー寺島さんも、やはりFLOWの音楽には昔から触れていましたか?
寺島:もちろん。僕が声優になるための専門学校に通ってる時に『NARUTO -ナルト-』のアニメ化が決まって、クラスの友達と声優さんの話で盛り上がってる中で出会ったのが「GO!!!」だったんです。今でもあのイントロを聴くだけで「きたきた!」ってめちゃくちゃアガりますよ。全然色褪せない。
TAKE:あの曲が2004年だから、もう20年以上経つんですよね。でも、いまだに海外でもみんなで合唱してます。もう木ノ葉隠れの里(『NARUTO -ナルト-』に登場する地名)には足を向けて寝られない(笑)。
寺島:どの方角にあるのかわからないですけどね(笑)。その後、自分が声優デビューして間もない頃に『交響詩篇エウレカセブン』の放送が始まって、そのオープニング主題歌だった「DAYS」も印象深いです。
TAKE:『エウレカ』は今年がちょうど20周年なんだよね。なので、今年のFLOWフェス(6月14日・15日に開催されたFLOW主催のフェス『FLOW THE FESTIVAL 2025』)では『エウレカ』をフィーチャーさせていただいて、コラボグッズも作ったりして。
寺島:おお。声優さんは誰か来たんですか?
TAKE:三瓶(由布子)ちゃんに影ナレをやってもらって。で、レントン(三瓶が演じる『エウレカ』の主人公)が出演アーティストを紹介するっていう。
寺島:うわあ、すごい! あの気弱な少年がそんなこともできるようになったんだ(笑)。
TAKE:去年は名塚(佳織/エウレカ役の声優)さんと福山潤さんにもお世話になったからね。ルルーシュ(福山が演じる『コードギアス』の主人公)がアーティスト紹介するっていう。
寺島:豪華すぎですよ(笑)。でも、僕がFLOWのことを初めて知った頃は声優に憧れる立場だったので、それが今こうして声優としてだけでなく、アーティストとしてもご一緒できるなんて、人生どうなるかわからないものですよね。