Toua、新曲「BEST FRIEND」が教える自分らしさの見つけ方 アーティストとして届ける“あなた”へのメッセージ

 自分らしさは何をもって定義されるのか。自分はこういう人が好きで、こんな音楽が好きで、こんな服をかわいいと思っていて、同時にああいう振る舞いは嫌いで……。それらは曖昧で、容易に変化し、矛盾し破綻することもある。人はとてもとても複雑だ。この世界には、そういう不安定な存在が、各々まったく違う価値観を持って膨大に存在している。自分にとっての非常識が、誰かにとっての常識である場合もある。というか、そんなことばかりだ。“自分”とは本人のなかにのみある。だが、“自分らしさ”は他者から定義される。

 Toua(とうあ)はYouTuberとしてありのままの自分を発信してきた。だが動画だけでは伝えきれない感覚があることに気づき、アーティストプロジェクトをスタートさせた。Toua(とうあ)が最も伝えたいことを知るには、2024年11月に1st EP『I am I』を発表した際のインタビュー(※1)を引用するのが良いだろう。

「私にとって初めてのEPということもあり、私自身が今まで大事にしてきた“自分を愛することの大切さ”を全面に打ち出しました。他人に迷惑をかけていいという意味ではなく、まず自分を中心に物事を考えること」

 この社会では他者との競争を強いられる。そして優劣がエンターテインメントの一部として可視化されている。本来、自分を決めるのは自分だし、ありのままに生きていれば自然と自分らしく見える。だがこんな環境だと、よほど図太い神経の持ち主でない限り、他者と比べて自分の劣っている部分にフォーカスしてしまうのは当たり前のことだ。

 そんな時、どうやって自分らしさを回復すればいいのか。気の置けない友達と話せばいいのだ。SNSやLINEでもいいが、できれば実際に会って話したい。くだらない話題で盛り上がったり、愚痴を言いあったりする時間を共有していたら、あなたはいつの間にか自分らしくなっている。Toua(とうあ)が5月9日に発表した新曲「BEST FRIEND」のテーマでもある。この「BEST FRIEND」はToua(とうあ)が敬愛するサブリナ・カーペンターを彷彿とさせるポジティブなポップソングだ。

 個人的に好きなのは〈君がいるから『アタシはアタシ』〉というラインだ。デジタル大辞泉によると、友達とは「互いに心を許し合って、対等に交わっている人」とある。優も劣もなく、対等。だから〈理由とかなくていい/思ってること全部/お互い吐き出して過ごす BEST TIME〉なのだ。

 なおMVには、とうあのYouTubeでもおなじみの“BEST FRIEND”・えなぴとゆうぴーまんが参加。海辺でじゃれあったり、ノリノリで買い物をしたり、食事を楽しんだりとなんでもない日常が映され、それぞれがカメラを持ってとうあ/Touaの素を切り取っている。気の置けない友達と過ごす何気ない瞬間こそがなによりも奇跡的なのだ、と気づかせてくれる内容に仕上がっている。

Toua - BEST FRIEND【Official Music Video】

 YouTubeでToua(とうあ)を観ている人のなかには、「それはとうあだからできることでしょ?」と感じる人がいるかもしれない。実は筆者もToua(とうあ)に初めてインタビューした時、そう思った。すると「ちゃんと(「I am I」の)歌詞を読みましたか?」と笑顔で指摘されてしまった。

 確かにToua(とうあ)は「I am I」で〈弱すぎるとこもチャーミング〉〈自分だけのストーリー〉〈ありのままの私を好きって言ってよ〉と歌っている。弱さを「繊細なところもチャーミングでかわいいね」と言い換えているのだ。この発想の転換は、言うほど簡単ではない。そこにToua(とうあ)の葛藤と努力を感じた。

 「I am I」はToua(とうあ)のメインステートメントだ。MV化された「My Routine」(EP『I am I』収録曲)も、今回の「BEST FRIEND」も、「I am I」でいるために大好きなものや人たちに囲まれる歌。Toua(とうあ)はなりたい自分になるため、ポジティブなマインドでいるための工夫を提示している。

Toua - I am I 【Official Music Video】

 Toua(とうあ)が支持されているのは、うわべの言葉で話していないからだと思う。情報が氾濫しているからこそ、気持ちの乗った言葉は際立つ。そもそもとうあがアーティスト・Toua(とうあ)を始めたのは自分のメッセージをより多くの人に届けるためだ。そのためにポップなサウンドや表現にこだわっていると過去に話していた。

 「I am I」のインタビューで、「セクシャリティに関する態度を表明するのも、自分の着たい服を着るのも、メイクをするのも、自分以外の誰かが先にやってると、みんなわりかしできちゃうものなんですよ」「『Touaがやってるなら私も大丈夫だ』って思ってもらいたい」「誰かの救いになれる人になりたい」と発言していた(※2)。

 「BEST FRIEND」は友情の重要性を再確認する歌でありながら、Toua(とうあ)がリスナーに向けて歌っている曲でもある。Toua(とうあ)の声の魅力を最大限に活かしたアレンジと、爽やかなアコースティックギターをフィーチャーしたキャッチーなフックが特徴で、より多くの人の心に届く楽曲に仕上がっている。もしもあなたが自分らしさをわからなくなってしまったら、Toua(とうあ)を思い出してほしい。だってToua(とうあ)は“どんな時もアタシを頼ってほしい”と歌っているのだから。ネガティブに落ち込んでしまいそうになったら、Toua(とうあ)の曲を聴いて、ポジティブに言い換える工夫をしてみよう。Toua(とうあ)はいつもリスナーと対等の場所で歌っているのだから。

※1:https://realsound.jp/2024/12/post-1869119.html
※2:https://natalie.mu/music/pp/toua

ジャケット写真

■リリース情報
3rdシングル「BEST FRIEND」
配信中
配信URL:https://sndo.ffm.to/pv8y4ey

■関連リンク
オフィシャルサイト:https://asobisystem.com/talent/toua/
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