櫻坂46らしさを纏った四期生の初陣 未完成の原石たちが示した“いま、わたしたちに、できること”の答え

『櫻坂46 四期生「First Showcase」』レポ

 乃木坂46 六期生、日向坂46 五期生に続き、いよいよファンの前にお披露目された櫻坂46 四期生。前2グループの新メンバーがそれぞれ、荒削りながらも即戦力となるような個性や実力を発揮し続ける中、最後に我々の前に現れた櫻坂46 四期生もVlogやドキュメンタリー映像『櫻坂46 四期生物語 ーいま、わたしたちに、できることー』を通じて各々の魅力や成長する過程が紹介されてきたが、果たしてその実力やいかに――それを確かめに、筆者は6月12日に有明アリーナにて開催されたお披露目イベント『櫻坂46 四期生「First Showcase」』に足を運んだ。

『櫻坂46 四期生「First Showcase」』(撮影=上山陽介)

 まだ海の物とも山の物ともつかぬ新メンバーの初ステージとして与えられた場は、1万人以上を収容する大会場での平日公演。グループ加入発表から2カ月に満たない新人メンバー9名にとっては非常に大きなハードルだったが、結果は見事ソールドアウト。加えて生配信も実施され、来場できなかった多くのBuddies(櫻坂46ファンの総称)が彼女たちの初陣を目撃することとなった。

 目黒陽色、勝又春によるぎこちなさも漂わせる影アナで会場のボルテージが上昇すると、オープニングSEに続いてステージに現れたのはバイオリンを抱えた佐藤愛桜と松本和子。2人は素人とは思えない技術と表現力を用いて、美しい音色を会場に響かせていく。

左から松本和子、佐藤愛桜
左から松本和子、佐藤愛桜

 続いてステージに9名が勢揃いし、浅井恋乃未の「皆さん、初めまして。櫻坂46 四期生です!」を合図にひとりずつ自己紹介。2番手の稲熊ひなが早くも涙ぐむも、多くのメンバーは笑顔でハキハキと挨拶していく。グループの冠番組『そこ曲がったら、櫻坂?』(テレビ東京系)のナレーションでお馴染みの庄司宇芽香が司会進行する中、稲熊や松本、目黒、山川宇衣が意気込みを口にしていき、その後は9名それぞれが特技を披露する自己アピールコーナーに突入。ここでは個々のカラーがくっきりと際立つ、印象的な演目が繰り広げられることになる。

 浅井がアドリブを効かせた「On my way」のサックス演奏でトップバッターを務めると、続く稲熊は凛とした表情でリズム薙刀を披露。勝又は自身の名前にちなんでか、「ずっと 春だったらなあ」をアコースティックギターで弾き語りし、佐藤は前述のバイオリン演奏(「桜月」を優雅に披露)に加えて四期生のスローガンのひとつである“圧倒”を書道で書き上げる。

浅井恋乃未
浅井恋乃未
稲熊ひな
勝又春

 その一方で、中川智尋はハンドパペット「とりきち君」を使って特技のはずのフラッシュ暗算にチャレンジするも、3問連続で不正解。しかし、最後のサービス問題を嬉々として正解してみせ満面の笑みを浮かべ、生粋のアイドル性を発揮してみせる。序盤4名がスマートに個々の特技を見せてきただけに、中川のドジっ子ぶりは多くのBuddiesをメロメロにしたのではないだろうか。

中川智尋

 松本による華麗な「ブルームーンキス」のバイオリン演奏とバスケットボールのシュート挑戦にて、自己アピールコーナーも折り返し。目黒は自身が撮った写真をスライドで紹介したほか、描きかけの桜の木の絵をその場で完成させ、山川宇衣は「Anthem time」を歌いながらチアを披露する。彼女は唯一、アリーナ中央まで延びた花道を使い、会場中にポジティブな空気を充満させていった。最後に登場した四期生最年少の山田桃実は、観客を巻き込んでの盛大な柔軟体操でマイペースぶりを見せたかと思えば、陸上部で培ったハードル走の実力を発揮してみせ、自己アピールコーナーを締め括った。芸術面に長けた者、運動能力の高さを提示した者、早くもバラエティ面への可能性を見せた者などさまざまだが、彼女たちが第一線で活躍する二期生、三期生に合流した際に『そこ曲がったら、櫻坂?』でどんな化学反応を起こすのか。この短い時間を体験しただけでも、期待値は大いに高まったのではないだろうか。

目黒陽色
山川宇衣

 グループのキャプテン・松田里奈による応援メッセージVTRやお披露目イベント恒例企画のメンバー私服ファッションショーで、会場の雰囲気が再び和らいでいくと、イベント後半は待ちに待った四期生初ライブの時間。ドキュメンタリー『櫻坂46 四期生物語 ーいま、わたしたちに、できることー』で三期生楽曲「静寂の暴力」を課題曲に、櫻坂46として表現すると真正面から対峙した9名が、初めての本格的なステージで我々に何を見せてくれるのか。そして、“いま、彼女たちに、できること”とは一体何なのか――その最初の答えがここで提示されることになる。

 「Overture」に続いて、ステージにひとりずつ登場した四期生がダイナミックなダンスを見せていく中、ライブは「自業自得」にて幕開け。センターの目黒を中心に、早くも汗だくになりながら大きな声で歌い、難易度の高いダンスを全うしてみせる。そこには合宿期間に歌やダンスで壁にぶつかり続けた、頼りなさげな9名の姿はなかった。

 その一方で、続く「ドローン旋回中」では笑顔を振り撒きながら、タオル片手に全身を使ってBuddiesにアピール。曲中、センターの山川が「Buddiesの皆さん、声出せますか? いくぞ!」と煽る場面もあり、この対照的な2曲で早くもオーディエンスはノックアウトされたようだった。

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