STAYCの“人柄、ビジュアル、実力”すべてを堪能できる一夜に 初の日本単独ライブでSWITHと紡いだ愛

STAYC 初の日本単独ライブレポ

 ガールズグループ・STAYCが6月7日、東京・立川ステージガーデンで単独ライブ『2025 STAYC TOUR【STAY TUNED】in Japan』を開催した。今回の公演はソウルを皮切りにジャカルタ、シドニー、メルボルン、香港、シンガポールなど世界の22都市を巡るツアーのひとつで、日本が海外で最初の開催地となる。彼女たちは日本でもデビューを果たしており、今までに6枚のシングルをリリースするなどゆかりが深い。過去にショーケースやファンミーティングのために何度も来日しているものの、単独のコンサートは初めて。先に行われた大阪公演(5日)とは少し変えたセットリストとサービス満点のトークで、場内を埋め尽くしたSWITH(ファンネーム)を大いに喜ばせた。

 定刻になると、近未来的なイメージの映像がスタート。メンバーの顔が次々と映し出されるたびに客席のあちこちから歓声が上がる。そして“STAYC”のロゴが投映されるとともに6人のメンバー(スミン、シウン、アイサ、セウン、ユン、ジェイ)が登場した。オープニングを飾った「BEBE」は、「これこそが本物の私たち」(ユン)と自信を持って送るナンバー。いつも以上に熱く激しいパフォーマンスで一体感を生み出す様子を見ると、このグループが常にK-POPシーンの最前線に立つ理由がよく理解できる。

『2025 STAYC TOUR【STAY TUNED】in Japan』(撮影=キセキミチコ)

 間髪を入れずに「1 Thing」、「Poppy」といったヒット曲を立て続けに披露すると、最初のトークタイムへ。「みんな、本当に会いたかったよ!」(アイサ)、「今日は神回にするので一緒に楽しみましょう!」(スミン)と次々に挨拶した後は、今回の公演のタイトルについて「『STAY TUNED』とは“私たちのことを見守ってほしい”という願いが込められています。これからもしっかり見守ってくださいね」とユンが話すと、ファンたちはにこやかな表情で大きく頷いた。

 先日リリースしたばかりの最新シングル「Lover, Killer」におけるナチュラルな日本語の歌声から、「BEAUTIFUL MONSTER」や「Cheeky Icy Thang」での軽やかでキュートなパフォーマンスで熱気は早くも最高潮に。彼女たちのオリジナル曲をモチーフにした幻想的な映像に続いて、今度はグループ内ユニット&ソロをメインにしたコーナーが始まった。

 シウン、セウン、ジェイの3人による「Find」は、ドラムンベースのリズムに乗りながらエレガントな一挙手一投足で魅了。さらにアイサはR&B「Roses」で愛らしい姿を見せ、「Fakin’」ではスミンとユンが伸びやかなボーカルを響かせる。全員が参加したロック調の「YOUNG LUV」で締めくくったこのコーナーは、グループの多彩な音楽スタイルを見せるにはベストの内容だったと言えよう。

『2025 STAYC TOUR【STAY TUNED】in Japan』(撮影=キセキミチコ)

 二度目のトークタイムでは各自のステージを振り返りながら、曲を聴いて泣いていたファンに感動したことにも触れ、すっかり和やかな空気に。そのような雰囲気のまま、今度は「Nada」、「Beauty Bomb」、「Meant To Be」といったファンのリクエストが多かったナンバーで、豊かな声量と抜群の歌唱力をアピールした。

 「SWITHちゃん、何が好き?」「チョコミントよりもSTAYC!」など、コミカルなやり取りで盛り上げる場面もあった三回目のトークコーナーを終えると、コンサートは後半戦に突入。ポップで勢いのある「STEREOTYPE」、「Bubble」、「Trouble Maker」の3連発に観客はひと際大きなコールで応える。その姿を見ながら舞台を所狭しと動くメンバー6人はとても嬉しそうだ。

『2025 STAYC TOUR【STAY TUNED】in Japan』(撮影=キセキミチコ)

輝きと熱気が最高潮に ティーンフレッシュな魅力が弾けた終盤戦へ

 今までの自分たちを振り返り、抱負を語る映像の合間に衣装を着替えた彼女たちは「Twenty」を熱唱。そして“ここからはライブのハイライト”とばかりに、煌びやかなダンスポップが続いていく。フレンチハウスの「GPT」、情熱的なサウンドで迫る「RUN2U」、グループのコンセプト=ティーンフレッシュを的確に伝える「ASAP」、STAYCの人気を押し上げた「Teddy Bear」、本編ラストは韓国デビュー曲「SO BAD」を熱唱。銀のテープが舞う中、パワフルなステージングを繰り広げた。

『2025 STAYC TOUR【STAY TUNED】in Japan』(撮影=キセキミチコ)

 アンコールに用意されたのは3曲。まずはファンを驚かせようと「Gummy Bear」を歌いながら客席の合間を縫うように現れたメンバーたちは、ディスコ/ファンク系の日本オリジナル曲「Tell Me Now」でダンスブレイクを披露したり、ファンソング「Stay WITH me」でSWITHと合唱したりと、祝祭ムードを演出する。2時間30分を超えるコンサートもついにエンディングへ。最後は「以上、STAYCでした!」と爽やかに挨拶して、名残惜しそうにステージを去っていった。

 「人柄はもちろん、ビジュアルも実力も備わっているグループ」ーー生みの親であるプロデューサーのラドは以前、彼女たちをこのように評したという。『2025 STAYC TOUR【STAY TUNED】in Japan』は、上記の三つのポイントをしっかりと堪能できる内容と構成だったように思う。今回のワールドツアーを通してSTAYCがさらに成長し、パワーアップしてくれることを願ってやまない。

『2025 STAYC TOUR【STAY TUNED】in Japan』(撮影=キセキミチコ)

STAYC、日本デビュー果たした6人組はなぜ“楽曲派”と呼ばれる? 高い実力で歌いこなすメロディの心地よさ

ハイレベルなサウンドメイクとパフォーマンス、華やかなビジュアルでK-POPシーンに新風を吹き込む女性6人組グループ・STAYCが…

K-POP新世代グループは歌唱力もポイントに? NMIXX、STAYC、aespaらの実力から考える

近年、次世代K-POPガールズグループの誕生が相次いでいる。2018年以降にデビューしたグループは「第4世代」と呼ばれており、す…

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる