CANDY TUNE、TikTok歴代最多の連続1位に 『Mステ』『THE FIRST TAKE』に至る“ファンを離さない”努力と魅力

 2025年、CANDY TUNEが大きな進化を遂げている。楽曲「倍倍FIGHT!」がTikTokの人気曲ランキングで10週連続1位を記録。これは同チャート史上最多の快挙(アソビシステム調べ)であり、彼女たちがJ-POPシーンの最前線に躍り出たことを証明する出来事だった。

【MV】CANDY TUNE「倍倍FIGHT!」

 一見すると、SNS時代の偶発的ヒットに見えるかもしれない。だが、この記録の背景にあるのは、グループが一貫して貫いてきた“ファンとの関係性”を大切にする姿勢だ。TikTokでの跳躍をきっかけに、CANDY TUNEはライブ、楽曲制作、SNS運用において驚くほど地道な努力を積み重ね、着実にその活動のスケールを拡大してきた。

 「倍倍FIGHT!」は、そのタイトル通り、ポジティブなエネルギーを“倍々”に拡張していく力を秘めた1曲。≠ME、インフルエンサー・なえなのやカジサックファミリーなどがこぞってダンス動画を投稿し、楽曲は瞬く間に広がりを見せ、最終的にはTikTok総再生回数25億回超という圧倒的な数字を叩き出した。

@naenano

流行ってるやつ!これ指むずかしい!!

♬ 倍倍FIGHT! - イントロ ver. - CANDY TUNE

 この“数字”が意味するのは、ただの話題性ではない。3月には『CDTVライブ!ライブ!春の大感謝祭2025』へ出演、そして4月にリリースされた2ndシングル表題曲「推し♡好き♡しんどい」では、ヒャダインこと前山田健一とのコラボレーションが実現。さらに5月4日、5日には、幕張イベントホールで自身初となるアリーナワンマン公演も成功させた。「推し♡好き♡しんどい」は、アイドルソングとして異例の視点を持つ楽曲だ。“推される側”であるはずのアイドルが、“推す”立場の心理を歌うことで、ファンとの距離をいっそう縮めた。

 ヒャダインの快諾によって実現したこの企画は、KAWAII LAB.の総合プロデューサー 木村ミサによる“推し活共感ソング”というコンセプトから生まれたもの。メンバーたちが「わかる!」と自らの経験を投影しながら歌うこの楽曲は、ライブでも一体感を生む“新定番”として定着しつつある。MVでは、メンバーがアイドルとオタクの姿を演じ分けながら、推し活のある日常の尊さを描写。笑いと共感を誘うこの世界観は、TikTok上でもファンによる「自作推し動画」投稿という形で共鳴を続けている。

【MV】CANDY TUNE 「推し♡好き♡しんどい」

 CANDY TUNEの真骨頂は、SNSやライブにおけるファンとの双方向的なやりとりにある。TikTokやX(旧Twitter)では、グループ公式に加え、各メンバーが個人アカウントをこまめに更新。チェキ会の告知、ライブ感想の共有、オフの過ごし方まで、まるで友人のような距離感で“今”を共有してくれる。たとえば福山梨乃はファンが作成した動画や写真を引用リポストするなど、その一つひとつの発信が“見られている”実感につながっている。

 その親しみやすいコミュニケーションはライブの現場でも変わらない。MCではファンとの交流を促す質問コーナーが恒例となっている。注目すべきは、CANDY TUNEのプロモーションがファンとともに作られていることだ。ライブ写真や動画がSNSで拡散されることで、潜在的なファンへ自然と届いていく。メンバー自身も、再生されやすい動画構成やトレンドへの対応を意識して投稿を重ねており、そこに“戦略”と“愛情”が同居している。

 特に「倍倍FIGHT!」や「推し♡好き♡しんどい」は、楽曲そのものがファンの手によって再解釈され、次々と新しい拡散の輪を生み出している。TikTokという“編集されたプライベート”の空間で、ファンとアイドルの関係性がより密接に結び直されているのだ。

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