日向坂46が描く“全員の物語” 小坂菜緒センターが示す、自信を持って進むための新章の起点
日向坂46の14thシングル『Love yourself!』のフォーメーションが、4月13日深夜放送の『日向坂で会いましょう』(テレビ東京系)にて発表された。
本作は一期生が全員卒業したあとの新体制初のシングルとなる。表題曲の選抜メンバーは二期生から四期生までの計20人。グループとしては再び全員選抜制を採用し、世代交代を経て新たなスタートラインに立った日向坂46の“今”を象徴するようなフォーメーションとなっている。
そして、その中心に立つのは、前作『卒業写真だけが知ってる』に続き、二期生の小坂菜緒。現在グループの絶対的センターである彼女の今作でのセンター起用は、過去と未来をつなぐ“橋渡し役”としての意味合いもあるだろう。
小坂がセンターを務めるのは、今作で通算7作目。これまでも『キュン』や『ドレミソラシド』、『僕なんか』など、日向坂46の代表曲のセンターを担ってきた。前作から続投となった今作で小坂が担うのは“支えられる存在”から“支える存在”への転換であるように感じる。一期生が全員卒業した今のグループにおいて、最年長世代となった二期生。その中でも小坂は、センター経験も豊富で、グループ外での仕事の実績もある“アイコン的存在”として、今作の柱を担うことになる。
フォーメーション発表を受けて、小坂は「一番上の代として、後輩に背中を見せていかなきゃいけないですし、導いていかなきゃいけない立場になるので。先輩の立場として学びの期間になるのかなって。新しい日向坂46をよりたくさんの人に知ってもらうことと、これからこのメンバーでやっていきますよという証明ができたらいいなと感じています」と語り、確かなリーダーシップと未来への意志が伝わってきた。
今作のフロントは、小坂を中心に、上村ひなの、金村美玖、正源司陽子、藤嶌果歩という5人で構成される。小坂の隣に立つ金村は、二期生として長くグループのフロントを担ってきた実力者。トークやバラエティでの対応力も兼ね備えたオールラウンダーでもあり、小坂との“同期並び”はファンにとっても安心感のあるフォーメーションだ。一方、正源司と藤嶌という四期生の二人は、前々作『絶対的第六感』でのダブルセンターを経て、前作『卒業写真だけが知っている』でもセンターの両脇を固め、すでにその存在感は折り紙付きだ。
そしてもう一人、シングルでは自身がセンターを務めた『Am I ready?』以来となる上村のフロント入りも話題となった。加入当初は一人で三期生を背負ってきたが、今や同じ三期生の髙橋未来虹、山口陽世、森本茉莉とともにしっかりとポジションを築いてきた。ゆえにこの5人の並びは、現在の日向坂46を構成する多層的な世代構造と、それを肯定的に捉えていくグループのあり方を象徴しているように思う。
2列目には、松田好花、河田陽菜、富田鈴花の二期生が中央を占め、その両脇を三期生の森本茉莉、そして四期生の山下葉留花、平尾帆夏、宮地すみれが固める構成となった。松田、河田、富田は、いずれもバラエティや舞台などでグループを牽引してきた存在。センター小坂の後ろという重要なポジションに立つことで、楽曲に深みと奥行きを与える役割を担っている。中でも河田は、表題曲では初の裏センターという立ち位置。柔らかく包み込むような彼女の佇まいは、小坂の持つ強さをより引き立てることになりそうだ。一方、森本や山下といった若手メンバーも、昨年以降の活動で確かな存在感を放ってきた。森本は努力家として知られ、山下はダンスでの評価が高く、着実にステップアップを重ねているメンバーたち。日向坂46の現在地を語るには欠かせないメンバーが揃った列と言えるだろう。