SUKEROQUE、「OYKOT」で幕を開けた2025年のテーマ “ルーツ=ニュージャックスウィング”の斬新な解釈も

 メロディラインに含まれるのは、90年代J-POPのテイスト(同じくニュージャックスウィングを取り入れていたSMAPやDA PUMPを想起するリスナーもいるかもしれない)。洋楽的なサウンドと邦楽的なメロディの組み合わせは、歌謡曲やJ-POPに脈々と受け継がれてきたもっともベーシックな手法だが、SUKEROQUEはその伝統に沿いつつも、独創的なフロウを生み出し続けている。その最新型が「OYKOT」というわけだ。

 前述した通り、“非東京的”をモチーフにしたリリックにも注目してほしい。東京生まれの人と地方出身の人では、東京という街への捉え方がかなり異なる。特に地方出身者は、生まれた故郷の風景や空気、匂いを身体のどこかに残したまま、東京での暮らしにどうにか馴染もうとする傾向がある。ときに頑張りすぎて疲れてしまうこともあるだろうし、“もう嫌だな”と思うこともあるだろう。そんな微妙な感情の揺れを、SHOHEIは〈もうちょっと笑ってyour self/ここはいつもtoo much〉〈いつか逃げどこ行こう?/いつも胸にOYKOT〉というフレーズで言い当ててみせる。こういった歌詞が書けるのはもちろん、彼自身が埼玉出身ということと強く関係しているはずだ。

 そんなSUKEROQUEの2025年の活動の中心となるイベントが『Soulfood Brotherhood』。大阪を拠点にする〈CITY HOP〉バンド・ハヤシライフとSUKEROQUEが主催する同イベントは、今年4月から12月にかけて東京と大阪を行き来しながら、それぞれのホームでゲストバンドを迎えた3組で計6本開催される。2025年は『Soulfood Brotherhood』での活発なライブ活動と並行して、バリエーション豊かな新曲が聴ける年となるのだろうか。少なくとも、インターネットでは感じられない、音、空間、ヒューマニズムなどにこだわっていきたいというテーマに掲げた同イベントを通し、SUKEROQUEの音楽性やキャラクターはさらにダイレクトに波及することになりそうだ。

 新曲とライブイベントの両軸によって、SUKEROQUEの音楽が様々な嗜好のリスナーを巻き込み、大きく広がっていく。そんな光景を心待ちにしていたいと思う。

SUKEROQUE「OYKOT」

◾️リリース情報
SUKEROQUE「OYKOT」
2025年4月2日(水)リリース
配信:https://nex-tone.link/A00177646

◾️ライブ情報
SUKEROQUE × ハヤシライフ presents『Soulfood Brotherhood』
<FIRST MATCH>
4月3日(木)@下北沢SHELTER -東京-
18:00 open 18:30 start(ADV¥3500)

<以降のスケジュール>
5月1日(木)大阪 アメリカ村BEYOND
8月XX 東京 coming soon !!
9月 XX 大阪 coming soon !!
11月 XX 東京 coming soon !!
12月 XX 大阪 coming soon !!

SUKEROQUE 公式サイト

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