WEST.『A.H.O. -Audio Hang Out-』で挑んだ7人が制作に携わるアルバム初の試み 熱さと愛が宿る“ライブ力”の真髄も
ホーム戦へと持ち込んだ『サマソニ』での圧巻のライブ力とエンターテイナー精神
今回のアルバムの初回盤Bには、『SUMMER SONIC 2024』(東京会場/以下、『サマソニ』)出演時のライブ映像と舞台裏の映像が収録されている。WEST.が『サマソニ』に出演したのは、2023年に続いてこの年が2度目。2年連続で、東京会場のメインステージであるMARINE STAGEのトップバッターを務めた。筆者は2年連続で、彼らの『サマソニ』のステージを現地で観て、そのたびに7人の全身全霊のライブパフォーマンスに強く心を震わせられてきた。そして今回、2024年のライブ映像を改めて観たことで、彼らがライブに懸ける深い想いにあらためて触れ、7人に対する信頼がより揺るぎないものになった。
自分たちのファンが集まるワンマンライブとは異なり、フェスは様々なアーティストのファンが一堂に集まる場である。『SUMMER SONIC』は、数ある国内のフェスの中でも特に多様な観客が集うフェスであり、筆者の体感として、2024年は例年以上にその“多様さ”が際立っていた年だったと感じる。2年目の出演ではあったが、あの日あの場で初めてWEST.のライブを観るという観客も相当多かったのではないだろうか。しかし彼らは、決してホームとは言えないそうしたムードに一切怯むことはなかった。幕開け早々、小瀧は「あなたの、心と、体と、魂を、震わせにきました。最後までよろしくお願いします!」と宣誓。神山は「熱血アイドル、WEST.参上! よろしく!」と高らかに名乗り、重岡は「俺たちは午前中にすべて懸けるからな! 午後は全部何もかもやる気ねえからな、ついてくるやつ、誰だ!」と渾身の覚悟を叫んだ。そしてそのまま、長年にわたって磨き上げてきた圧巻の地力、また、持ち前のエンターテイナー精神で、一気にホーム戦へと持ち込んでみせた。
自分たちのことを初めて観る観客がいる。自分たちの曲を知らない観客がいる。その前提から逃げることなく真正面から向き合いつつ、MARINE STAGEに新設された花道をフル活用しながら、7人は次第に、熱く親密な包容力をもって会場全体を力強く巻き込んでいく。決してフェスのステージに立った経験は多くはないが、彼らはフェスにおける闘い方をよくわかっていると感じた。熱烈なライブパフォーマンスを通して自分たちの存在証明を刻んでいく7人の、愚直と言えるほどに誠実な想いを受け、会場のムードが少しずつ高まっていったのをよく覚えているし、そうした変化は映像からもたしかに感じ取れる。次々と巻き起こる怒涛のコール&レスポンス、そして壮大なハンズクラップ。とにかく圧倒的な巻き込み力だった。一方、重岡の「座りながらでも、手を振ってるの見えてるぞー!」という言葉は、それぞれの観客のライブの楽しみ方を肯定する優しさを感じさせるものだった。
彼らの当日のライブパフォーマンスがいかに熱量高く、エネルギッシュなものだったか、については、これ以上言葉として綴るのは野暮だと思うので、ぜひ映像を観てもらえたらと思う。ただ、この記事を通して、WEST.のことを知る、もしくは、興味を持つ方もいると思うので、『サマソニ』のステージ上から届けられた印象的な言葉たちをいくつか抜粋して紹介したい。たとえば、神山の「俺らのステージは好きに歌って、好きに踊って、好きに騒いでってくれ、よろしく!」という言葉は、まるで彼が敬愛する数々のロックバンドたちがライブハウスのフロアに向けて放つ呼びかけのように響いていた。また、濱田の「2022年、俺、観客として(客席を指差しながら)あそこらへんにいたわ。それが今となっては出てます、ありがとう!」という歓びの言葉には、『サマソニ』への、またそこに集う数々のアーティストたちに対する愛とリスペクトが滲んでいて、メンバーたちが抱く音楽に対する深い好奇心と探究心の一端を感じ取った。
そして重岡は、WEST.とはどのようなアイドルグループであるかを極めてシャープに表現する熱き言葉を次々と放っていった。「俺ら、踊ったり、踊ったり、忙しいやろ! どっちかと言うと、胸焼けするタイプのアイドルでーす!」「WEST.、10周年、一番得意だったことは、一生懸命歌うことでした!」「俺たちは、シンプルに、シンプルに、楽しそうなことを、情熱懸けて、命燃やして、追いかけまーす!」、WEST.の真髄を凝縮した渾身のパンチラインの数々。7人の全身全霊のライブパフォーマンスと相まって、そうした一つひとつの言葉の熱く鮮烈な余韻が、ライブが終わった後もいつまでも心の中に残り続けていたのをよく覚えている。
筆者は、音楽ライターとしての活動の一環で、日々ロックバンドを中心としつつ、シンガーソングライター、アイドルをはじめ、様々なシーンのアーティストのライブに足を運び続けている。その中で、どのようなライブを観た時に特に強く心を震わせられるか、という問いに対する自分なりの答えが明確になりつつある。歌、演奏、ダンスにしても、パフォーマンスそのものの表現力はもちろん大事だが、決してそれだけではない。ステージに立つその人自身の人間性が、魂が、その人だけの生き様や人生観が、ダイレクトに伝わってくるかどうか。それこそが重要だと思っている。その意味で言えば、WEST.のライブは、7人の魂や生き様に直で触れるような熱き体験を約束してくれるもの。だからこそ、ライブを観るたびに否応もなく強く心を震わせられてしまう。
彼らにはこれからもジャンルやシーンを果敢に越境し続けていってほしい。果てしない音楽的冒険心に満ちた今回のアルバム『A.H.O. -Audio Hang Out-』を携えた今の彼らなら、きっと次々と新しい地平を切り開くことができるはずで、そしてそこから、未来のファンとの新たな出会いが次々と実現していくはず。この記事が、そうした新しい出会いが生まれる上での一助になったら嬉しい。
※1:https://x.com/WEareWEST7/status/1893496082954694944
※2:https://www.livefans.jp/articles/60916/page:3
■リリース情報
『A.H.O. -Audio Hang Out-』
2025年3月12日(水)リリース
詳細:https://www.elov-label.jp/s/je/discography/LCCN-0891
【初回盤A】(Blu-ray・DVD共通)
CD+Blu-ray:LCCN-0883〜884 価格¥3,960(税込)
CD+DVD:LCCN-0885〜886 価格¥3,960(税込)
スペシャルパッケージ仕様、36Pブックレット、WEST. 11 周年生配信トーク&ライブ「虹会」視聴シリアルコード1封入
詳細:スぺシャルパッケージ仕様、36Pブックレット、WEST. 11周年生配信トーク&ライブ「虹会」視聴シリアルコード①封入、ボーナストラック「Go.」収録
【CD:全14曲収録】
01. A.H.O.
02. アップルパイ
03. まぁいっか!
04. shhhhhhh!!
05. TICKTOK
06. Sweety
07. Rainy Rhapsody
08. それいけベストフレンド!
09. ハート
10. FATE
11. WESTraight
12. ティダ
13. SOUTH WEST BEACH!!
14. Go.(初回盤Aのみ)
【Blu-ray/DVD】(約73分収録)
・「A.H.O.」Music Video, Making
・「shhhhhhh!!」Music Video, Making
・「Go.」Music Video, Making
【初回盤B】(Blu-ray・DVD共通)
CD+Blu-ray:LCCN-0887〜888 価格¥3,960(税込)
CD+DVD:LCCN-0889〜890 価格¥3,960(税込)
詳細:スペシャルパッケージ仕様、36Pブックレット、WEST. 11周年生配信トーク&ライブ「虹会」視聴シリアルコード①封入、ボーナストラック「この旋律よ 誰かの歌になれ」収録
【CD:全14曲収録】
01〜13:初回盤Aと共通
14:この旋律よ 誰かの歌になれ(初回盤Bのみ)
【Blu-ray/DVD】(約54分収録)
『SUMMER SONIC 2024 -LIVE & BACKSTAGE-』
・OVERTURE
・ええじゃないか
・ギラギラブベイベー
・Anything Goes
・週刊うまくいく曜日
・ホルモン〜関西に伝わりしダイアモンド〜
・つばさ
・ハート
・超きっと大丈夫
・ムーンライト
・証拠
【通常盤】CD Only
LCCN-0891 価格¥3,300(税込)
詳細:24Pブックレット、WEST. 11周年生配信トーク&ライブ「虹会」視聴シリアルコード②封入(初回プレスのみ)、ボーナストラック「パワースポット俺」収録
【CD:全14曲収録】
01〜13:初回盤Aと共通
14:パワースポット俺(通常盤のみ)
<タイアップ>
・「A.H.O.」:Red Bull「Red Bull The Spring Edition」タイアップソング
・「shhhhhhh!!」:読売テレビ ドラマ DiVE +『キスでふさいで、バレないで。』オープニング主題歌
・「ハート」:テレビアニメ『キャプテン翼シーズン2 ジュニアユース編』第3クールオープニングテーマ
・「FATE」:WOWOW 連続ドラマ W-30『白暮のクロニクル』主題歌
・「Go.」:『WEST. 10th Anniversary Live “W” -Film edition-』テーマソング(初回盤Aのみ)
■公演情報
『WEST. LIVE TOUR 2025 A.H.O. -Audio Hang Out-』
3月21日(金) 18:00 【香川】あなぶきアリーナ香川
3月22日(土) 18:00 【香川】あなぶきアリーナ香川
3月23日(日) 16:00 【香川】あなぶきアリーナ香川
3月29日(土) 18:00 【大阪】大阪城ホール
3月30日(日) 12:00 / 17:00 【大阪】大阪城ホール
4月6日(日) 17:00 【福岡】マリンメッセ福岡A館
4月7日(月) 12:00 / 17:00 【福岡】マリンメッセ福岡A館
4月12日(土) 18:00 【宮城】セキスイハイムスーパーアリーナ
4月13日(日) 12:00 / 17:00 【宮城】セキスイハイムスーパーアリーナ
4月20日(日) 13:00 / 18:00 【北海道】真駒内セキスイハイムアイスアリーナ
5月2日(金) 18:00 【神奈川】横浜アリーナ
5月3日(土祝) 18:00 【神奈川】横浜アリーナ
5月5日(月祝) 17:00 【神奈川】横浜アリーナ
5月6日(火休) 12:00 / 17:00 【神奈川】横浜アリーナ
5月17日(土) 18:00 【新潟】朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター
5月18日(日) 12:00 / 17:00 【新潟】朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター
5月24日(土) 18:00 【静岡】エコパアリーナ
5月25日(日) 12:00 / 17:00 【静岡】エコパアリーナ
5月31日(土) 18:00 【愛知】Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)Aホール
6月1日(日) 12:00 / 17:00 【愛知】Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)Aホール
■関連リンク
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