Higher Brothers復活、Masiwei参加のAwichアジアコラボなど話題続きの中国ヒップホップ 現地のおすすめアーティストも紹介
話がそれましたが、このMasiweiのHigher Brothersは、パンダで有名な成都出身なのですが、この成都や重慶を含む地域である四川は、中国のヒップホップシーンにおいて重要な地域で、その方言は独特の魅力があり、中国の若者の間ではラップに似合ってクールでイケてるって評判なんですって。そもそも「全ての言語がラップに似合うし、どう使うかが重要」と重慶ライブハウス・MAO店長ヤンズさん。私は中国語が分からないので、方言の違いがなかなか判断できませんが、広い中国には方言がたくさんあって、同じ中国人同士でも、言葉が通じないこともあるんだとか。
これまで私は、ラップはリリックの内容が伝わることがすごく大事なのかなと思っていて、他国のリスナーに届けるには英語がマストなのかなと思ってきました。でもそれだけではなくて、自分が普段使っている言葉を、誇りを持って使うことが、さらに大事なことなんだなと思うこの頃です。レペゼン地元です。
ヤンズさんが教えてくれた重慶出身のおすすめアーティストが王齐铭WatchMe。めちゃくちゃ人気のアーティストで、彼の所属するGO$Hレーベルは、重慶のヒップホップシーンにおいて、重要な役割を果たしているそうです。彼のアルバム『夜郎溪』がショートフィルムになっていて洒落ていて面白い。もし1本だけ彼の動画を見るならこちらを。
そして、ヤンズさんの最近の一番のお気に入りアーティストが、揽佬SKAI ISYOURGOD。アルバムを聴いてみるとサンプリングから、ねっとりじっとりとオリエンタルな匂いがします。最新アルバムからではないのですが、この曲なんて「かごめかごめ」が使われていてびっくりする。
上海のVASのオーナー・ルーさんに教えてもらった人気のヒップホップアーティストが福建省出身のJony J。ここまで紹介してきたアーティストとは雰囲気がガラッと変わり、都会的でちょっとチルなムードが多く、すごく好きになってしまいました。「STUTS好きなら」と教えてくれました。
さて、まだまだ私はチャイニーズヒップホップの、広く深い世界の玄関に立ったまでです。一緒にドアを開けてみませんか? 興味を持ってくれた方は、ぜひヒップホップ専門家や、中国音楽専門家の情報を掘ってみてください。私も探検を続けようと思います。中国には、『YOLO FES』、『AYO! Music Festival』、『GuangZhou MDSK Music Festival』という有名なヒップホップフェスもあるそうです。ヒップホップフェスに行くと、音楽以外のアートやファッションなどストリートカルチャーにも、きっと出会えそうだし行ってみたいです。Awichにも話を聞いてみたいですよね。ちなみに、中国は音楽配信のプラットフォームが日本とは違うものが使われているので、日本で見ているサイトでのリスナー数はあまり参考になりません。なので、数字はお気になさらず! あなたがいいなと思ったらそこを掘るのだ!
※1:https://realsound.jp/2025/02/post-1923322.html