timelesz 新メンバーオーディション最終審査 候補生とメンバーが賭けた人生と夢、そのすべて

 2024年4月1日にSexy Zoneから改名し、新メンバーを募集するオーディションの開催を発表したtimelesz。メンバー自らが審査員となる『timelesz project -AUDITION-』には、1万8922件ものエントリーがあった。そこから2次審査で約350名に絞り、3次審査、4次審査、5次審査と進み、そしてついに2月5日に最終審査が行われた。

 その最終審査直前。メディア向けの取材のため、ステージにはtimeleszの佐藤勝利、菊池風磨、松島聡、そして最終審査に残った候補生の浅井乃我、猪俣周杜、篠塚大輝、寺西拓人、橋本将生、浜川路己、原嘉孝、本多大夢の8名が現れた。まずtimeleszの3人が最終審査を迎えた実感を静かに口にする。

「緊張の瞬間といいますか、なかなか(これまでに)なかったことを始めましたし、いろんなお声をいただきました。自分たちを信じて、こうやって『タイプロ』の候補生になってくれて、みんなとともに――もう仲間ですから――ここまでこれて。そして、新メンバーを決める大事な一日ということで、ドキドキしていますし、悔いのないように、僕たちも今日を努めたいと思っています」(佐藤)

「僕らもそうですし、候補生もそうだと思うし、我々身内のスタッフも含めて、人生を変えるつもりできたので。今日ここで人生が変わるんだと思うと、わくわくします」(菊池)

「運命の瞬間が待っているかと思うと、僕もすごく緊張しますし、候補生同士が苦楽をともにして、お互いにしかわからない魅力だったりを僕らも近くで感じながら、彼らの成長を見守ってきました。この『タイプロ』は、僕らもそうですし、スタッフの皆さんもそうですけど、何より候補生が作ってくれたプロジェクトだと思っているので。候補生のみんなには、それを誇りに思ってほしいなと思います。門出になるので、素敵な晴れ舞台を作りましょう」(松島)

 続いて候補生。原は「わくわくはしますし、もちろん緊張もしますけど、観てくれるお客さんとメンバーと御三方(timelesz)とスタッフさん、全員に原が必要だと思ってもらえるようなパフォーマンスを全力でしたいと思います」と意気込みを語る。続いて「毎日毎日このこと(『timelesz project』)を考えない日はなくて。思いを今日のパフォーマンスに全部ぶつけて、観にきてくださるお客さんも含めて、楽しんでもらえるようなパフォーマンスができたらなと思っております」と話す最年長の寺西は、やや緊張を滲ませた表情だ。

 「感謝を忘れず、自分の思いとtimeleszさんへの思いを全力でぶつけて、本番に挑みたいと思います」(浜川)、「観てくださる方々一人ひとりを思い浮かべて、伝わるような、誠意を込めたパフォーマンスができたらなと思います」(本多)、「取得してきた新しいスキルや学びをパフォーマンスできたらなと思っています」(浅井)、「自分の人生をかけて今日のステージをパフォーマンスしたいです」(橋本)、「今日は会場にいる全員と、観てくれている全員を幸せにして、覚悟を見せます」(猪俣)、「ファンの方たちの声に救われた部分が大きくて。もちろんtimeleszの新メンバーにふさわしいパフォーマンスを意識しますが、(会場に)きてくれた皆さまを楽しませて帰ることをまず自分の目標にして頑張ろうと思います」(篠塚)と、候補生一人ひとりの言葉が語られたところで、進行役から「本当にかっこいいですね」という声がかけられると、すかさず菊池が「僕ですよね。ありがとうございます!」と前へ。彼らしいユーモアで候補者の硬い心をほぐしていた。

 「オーディションでいちばん心に残っていること、今思うことは何かあるか」と問われると、原は「本番が始まる、パフォーマンスの前に、チームメイトと肩を組む瞬間がすごく好き」「隣を見れば仲間がいるという状況が、『こんなに幸せなことはないな』と」と答えた。本来の夢に素直になる――。オーディションの最中にそう語っていた彼の本当の喜びに触れた気がした。寺西は「本当にすべての時間、毎日が印象的で」と前置きしたうえで、「こうしてステージに立ってお客さんの前でパフォーマンスをするということがとにかく楽しみで。人生が変わる瞬間ってそうそうないと思うので、今日という日がいちばん印象に残る日になるんじゃないかなと思います」と語る。浅井は、4次審査で「Anthem」を候補生全員で踊った時を回想し、「みんなの背中、姿、そして流している汗と涙を見て、『これだけ人は変われるんだ』というのを実感したというか。あの時に見たみんなの表情が、『これが人生を賭けている人の表情なんだ』ってあらためて実感した」、そう口にする。

 浜川は「夕食を一緒に囲んだ時」だそう。その理由は、「信頼できる仲間と一緒に食卓を囲むというのが、こんなに幸せなことなんだと初めて知った」と。そんな些細とも取れる瞬間を心に刻んだ候補生は多く、「普通に生きていたらなかなか会わないような人たちに出会えて、話せて、一緒に練習できたあの時間がすべて宝物」(本多)、「カメラが回っていない時とか、話をしている時とか、ごはんをみんなで一緒に食べている時とか、みんなで寝たりとか、何気ない瞬間が思い出に残っている」(橋本)と、この10カ月という時間そのものがかけがえのないものであったのだと、その口ぶりからは伝わってくる。

 そんな流れのなか、猪俣は「年齢も身長も違う候補生、timeleszの御三方、スタッフさん全員に出会えたことが嬉しかったです。ありがとうございます」となぜか勝手に締めくくってしまう。ここでもすかさず「これからですから」とツッコむのは、当然菊池である。松島も、「みんな違うもんね、年齢も身長もね」と続ける。

 菊池は、「出会いがあって、別れがあって、そのすべてが愛おしい時間だった」と振り返った。そして「僕たち3人がtimeleszのことを――もっと言うと、Sexy Zoneのことをどう思っていたのか、その思いがどう変化していったのか、パフォーマンスに対してどんな優先順位をもってやっていたのか、3人で膝を付け合わせて話したことがなかったんですよ」と続けた。彼ら3人自らがtimeleszと向き合う、そのきっかけになったのが、この『timelesz project』だったのだ。

 佐藤がいちばん印象に残っているのは、このプロジェクトの話を菊池が初めて話してくれた日だという。「前向きなアイデアを風磨くんが言ってくれて、『ああ、これだったら3人で一緒にいれるな』というのをすごく感じられた瞬間でもあったので。新メンバーを含めた新しいグループになっても、またずっと3人でいれる。(その提案を)言ってくれた日というのは、すごく印象深かったなと思いますね」――。そして、「僕たちは3人とも、このグループが好きなんだなということを感じられた。変わったことと言うと、ストレートに(グループへの思いを)伝えるようになったかなあ」と。恥ずかしくなったのか、菊池は「まだバレンタインデーには早いんじゃないの?」と茶化す。松島も「照れますね」、そう続けた。佐藤はそんなふたりに笑みをこぼしながらも、「照れを超えて、すごくいいグループ、いい空気感、いい関係値になっているなと思いました」と結んだ。松島も「ふたり(佐藤と菊池)に対しても、もう13年一緒にいるんですけど、今まで気づかなかったポイントに気づけたっていう、新しい発見がありましたね。候補生に対してもそうですけど、ふたりに対しての愛も大きくなっていくプロジェクトだったなと感じています」と笑顔で答える。

 「timeleszをひとことで表すならば?」という質問に、「家族」(原)、「これから先、一緒に戦っていきたい人たち」(寺西)、「愛」(浜川)、「大尊敬」(本多)、「新しい家族」(浅井)、「大好きなお兄ちゃんたち」(橋本)、「尊敬」(篠塚)とそれぞれが答えるなか、「timeleszをひとことで表すと、“time”です」と答えたのは猪俣。「……すみません。time?」とメンバーが問うと、「timeleszはtimeです」「timeleszはtimelesz?」「timeleszは時間です」というやり取りが続く。「ラッパーか何かかと思った」「韻踏んだんだよね」とのツッコミが宙に舞いつつも、「その心は?」と投げかけられた猪俣は真面目な顔で「これからの時間を全部timeleszに注いでいきたいという覚悟を“time”で表したいと思います」と答えたが、菊池は「すみません、下の句が弱いもんで」と彼に代わって謝罪。しかし、「ありがとな。周杜な、頑張ったんだよな」と、まさしくお兄ちゃんな姿を見せていた。

 最後には、timeleszから候補生へのエールが伝えられた。

「ずっと頑張ってきたことを近くで僕たちも見てきて。立場としては審査する側で立っていたけど、みんなから学んだことも多かったんじゃないかなと思ってます。僕たちもすごく学ばせてもらったし、すごく成長させてもらいました。すごく刺激をもらいました。本当に素敵な時間を過ごせたと思うし、成長しなかった人なんてひとりもいないから。ものすごいスピードで駆け上がってきたと思うので、自信を持って。そして忘れてほしくないのは、今日一日を楽しむということ。楽しむのを忘れずにステージに立ってほしいなと思います。一緒に頑張りましょう」(佐藤)

「1次審査の書類(選考)からかな。こうやって顔を見ると、みんなの表情もだんだん変わっていって、たくましくなっていって、その成長を僕らも間近で見てきました。100%の魅力というのは、このステージでみんな自身が伝えていくものだと僕は思ってます。ただ、みんなの魅力は僕ら3人だったり、近くにいたスタッフさんたちがいちばん理解しているから、自信を持って、最善を尽くして、勝利も言っていたけどとにかく楽しむことを忘れないように。自分がいちばん楽しめたら、それはちゃんとお客さんにも届くので。心の底から楽しんで、堂々と胸を張って、マイクを握ってほしいなと思います」(松島)

「ここに残っている8人もそうだし、落ちてしまったけどこの『timelesz project』に関わってくれた皆さん、本当にありがとうございました。みんなから学ぶことがたくさんあったし、僕らのグループへの考え方とか思いとかが強くなっていったり、変わっていったり。とにかくプラスの方向に進んでいきました。それは紛れもなく、みんなのおかげだと思っています。いろんなことを教えてくれたからこそ、僕らもこれから先を歩んでいけると思っていますし、きっと『timelesz project』をご覧いただいた方も活力をもらっていることだと思います。結果はどうあれ、この先胸を張ってほしいです。みんなが今日いちばん輝けるように。僕らも負けないように輝くので、一緒に楽しみましょう」(菊池)

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