Berryz工房&℃-ute、一貫して歌い続けた“女性の生き方” サブスク解禁で知ってほしい必聴ソング
一方の℃-uteの楽曲からも、自分の人生を生きることに対する強いメッセージ性が感じられる。ファンク調のポップソング「都会の一人暮らし」では、大学進学を機に彼氏と遠距離恋愛になってしまいそうな地方在住の女子高生を主人公として、歌詞の物語が描かれている。しかし、単なる青春ソングに終わらないのが、作詞作曲を手がけたつんく♂らしいところ。〈最終的にゃ私の人生だし〉〈誰かの為の努力じゃないんだし/躊躇をする意味なんてないんだし〉と、何歳になっても、人生の大きな決断を前にしたときにあらためて噛み締めたい言葉たちが、歌詞のなかに並んでいる。
疾走感あるポップソング「世界一HAPPYな女の子」も、つんく♂らしい言葉選びで、思春期を迎えた女子の等身大の姿を描いた歌詞が必見の楽曲である。10代女子の話題の大部分を占める恋愛に関して言葉が続いたかと思えば、〈日々変化する我が人生/なんとかするっきゃないね人生〉と教訓となるような言葉が出てきたり、〈正直言ってカッチョイイ/あの子にちょっと ジェラシー/どうやって出し抜こうかしら〉と人間らしい絶妙なバランス感覚の心情が描かれた歌詞が出てきたりと、最初から最後まで歌詞が本当におもしろい。〈ほんとはね そう 悔しい/負けたくない/世界で一番HAPPY!/目指すんだもん!!〉と朗らかに歌うメンバーの姿を見ていると、悔しさや嫉妬など、日々感じる少しネガティブな感情も“幸せな私”になるために必要な要素だったのだと思えてくるから不思議だ。
女性の生き方を描いた楽曲というテーマにおいて、「The Middle Management〜女性中間管理職〜」に触れずして終われないため、最後に紹介したい。アップテンポなEDMである同楽曲は、アイドル曲としてはなかなか珍しい“中間管理職に就く女性”を描いた作品。筆者は現在30代だが、〈気が付けばいつの間にかほら/みんなが年下 あせるあせる/偉くなったわけでもないが/気ばかり遣わせてる自覚はあるよ〉という歌詞には大きく頷かざるを得ない。全体として大人の女性の恋愛観を描いているのだが、年齢を重ねると無鉄砲なことはできなくなるし、経験があるからこそ人間関係の雲行きを事前に予測して予防線を張ってしまう――そんな大人ならではの悩みが的確に表現されており、非常に共感を呼ぶ一曲である。
Berryz工房と℃-uteには、このほかにも多彩な女性像が描かれており、名曲も数多く存在している。これを機に、あらためて両グループの楽曲に触れてみてはいかがだろうか。
※1:https://www.tsunku.net/producework.php?Music_ArtistID=2&@DB_ID@=547