ライブも後半戦に入ると、2人のボーカルも気迫を増していった。低音から高音まで幅広い音域を響かせた「Imperfect」、激しいレーザーライトの演出とリンクするように会場がヘドバン一色となった「Bell Ringer」と、歌声とオーディエンスの激しさが会場全体に鳴り響いていくような独特の一体感を見せていく。ヨミのハスキーでハードなボーカルは時間を経るごとに深みを増し、カスカの澄んだハイトーンは会場を泳ぐようにどこまでも伸びていき、VESPERBELLのオーラ一色になった会場はボルテージを上げ続けていった。

　本編の最後に歌われたのは「VERSUS」、そして「To the world」だ。「VERSUS」でしっかりボーカルを聴かせ、表現力の高さを見せると、「To the world」で未来へ向けた力強い決意が放たれる。「ラスト、手をあげてくれ！」とヨミが呼びかけると、客席は一体となって大きく手を振りこの日一番の大きなうねりを生み出した。

　アンコールではメジャーデビューから今に至るまでの感想や、2025年の目標・意気込みが語られた。カスカは「ライブしたい！」と早くも次のライブが待ちきれない様子。ヨミは「好きな作品の主題歌とか挿入歌を歌いたい。多くの人の耳に入るような……」と次の夢を語り、茶目っ気たっぷりに「目指せ、“売れる”！」と笑顔を見せた。

　最後には「Eclipse」、「RAMPAGE Remix」と2曲続けて披露。終盤になっても2人の歌声は衰えることを知らず、その熱さと力強さで最後まで会場をひとつにし、ライブに幕を下ろした。

　VESPERBELLが持つ歌声の力、ハードなロックにのせたパワフルなメッセージ性は言うまでもないが、ライブという特別な場所で放たれるエネルギーは規格外だ。2人がライブという空間を愛していることが全身で体感できた二時間だった。ライブでの2人の歌声は、さらに自由に解き放たれていくように感じられるのだ。その伸びやかな歌声に心を突き動かされた人も多いのではないだろうか。今回のライブの最後には、6月に3度目のワンマンライブが開催されることも予告された。まだまだ大きなムーブメントを起こしていくだろうVESPERBELL。2人の歌声がどこまで羽ばたいていくのか、楽しみに見守りたいと思う。