アソビシステム発のエンタメは若者と海外になぜ刺さる? 新しい学校のリーダーズ、FRUITS ZIPPERの成功にある潮流を読む力
2024年もアソビシステムの名を聞き続ける一年だった。新しい学校のリーダーズやFRUITS ZIPPERなど、お茶の間とインターネットの双方で高い知名度を誇るアーティストが多く所属している。
新しい学校のリーダーズは、2023年12月31日に放送された『第74回NHK紅白歌合戦』に初出場し、トップバッターとして「オトナブルー」を歌い、視聴者に大きなインパクトを残した。さらに高い認知度を獲得した同グループは、2024年11月から12月にかけての国内ツアー『NIPPON Calling Tour 2024』をすべてホール以上の規模で開催。2024年12月21日、22日の2日間にわたるファイナル公演は、国立代々木競技場 第一体育館で行われた。
言うまでもなく、新しい学校のリーダーズは海外でも高い知名度と人気を誇る。2024年4月にアメリカで開催された世界最大規模の音楽フェス『Coachella Valley Music and Arts Festival』(略称『コーチェラ』)では、2024年4月14日と21日にGOBI STAGEの大トリを飾り、約45分間の単独パフォーマンスを展開した。コーチェラにどてら姿で登場するというアイデアは、なかなか思いつかないものだ。「88rising Futures」という日本人アーティストの特別枠にNumber_iやYOASOBI、Awichらと共に出演したことに加えて、きちんと“単独”でステージに立ったこともアメリカにおける注目の高さを物語っている。また、スペインで開催されたヨーロッパ最大級の音楽フェス『Primavera Sound Barcelona 2024』にも出演。その際の「Fly High」はYouTubeでも公開されており、堂々たるパフォーマンスを確認できる。この『Primavera Sound Barcelona 2024』を皮切りに、2024年6月からヨーロッパ・アジア地域の13カ所を回る『AG! Calling World Tour Part I』、9月から北米13公演のツアー『AG! Calling WORLD TOUR Part.II』を行い、総計6万5千人の動員を記録した。
また、2023年10月に公開された「Tokyo Calling」のMVは、アジア太平洋地域を対象とした『Shots awards Asia Pacific 2024』の「Music Video Of the Year」で銀賞を受賞し、台湾の「第35回ゴールデン・メロディー・アワード」の「ミュージックビデオ賞」にノミネートするなど、世界各国の映像作品賞に多数ノミネートされている。
新しい学校のリーダーズはATARASHII GAKKO!名義で、アジア系アーティストを世界に発信するアメリカを拠点とするレーベル・88risingから2021年に世界デビュー。アソビシステムが88risingと組んだことの先駆性、そして方向性の正しさは特筆すべきものがあった。それがあってこその2024年の国内外での活躍がある。
アソビシステムは、2024年のアイドルシーンでも中心にいたと言っていい。木村ミサが総合プロデュースを担当する「KAWAII LAB.」に所属するFRUITS ZIPPER、CANDY TUNE、SWEET STEADY、CUTIE STREETはまさに台風の目だった。
FRUITS ZIPPERは、2024年5月18日と19日の2日間、結成2周年を記念した日本武道館公演『FRUITS ZIPPER 2nd ANNIVERSARY 超めでたいライブ〜NEW KAWAII〜』を開催。2024年9月から12月にかけては、初の全国ホールツアー『FRUITS ZIPPER JAPAN TOUR 2024 - AUTUMN -』を開催し、2025年にはさいたまスーパーアリーナ公演を含む『FRUITS ZIPPER 3rd ANNIVERSARY 超めでたいライブ』を開催予定だ。そう、現段階ではまだデビューから3年に満たないのだ。
FRUITS ZIPPERの「わたしの一番かわいいところ」は、ストリーミングで1億回再生を突破し、TikTokでは25億回再生を突破、MVも4000万回再生を突破している。「NEW KAWAII」は、「第66回 輝く!日本レコード大賞」優秀作品賞を受賞。アイドルフェス以外のフェス出演にも数多く出演し、さらにテレビ朝日で地上波レギュラー番組「マユリカとおねだりフルーツジッパー」も開始している。すでにアイドルシーンを越えた知名度の存在となった。