“ダンスマシーン”石田亜佑美が持つ人間らしさ モーニング娘。’24横浜アリーナ公演で飾った最後のステージ

モーニング娘。’24 石田亜佑美卒コンレポ

 MCを挟み披露されたのは石田の煽りが見どころの「HOW DO YOU LIKE JAPAN?~日本はどんな感じでっか?~」。「Wake‐up Call〜目覚めるとき〜」「わがまま 気のまま 愛のジョーク (23 Ver.)」と、パワフルな楽曲が続き会場の熱気はパワーアップ。「笑顔の君は太陽さ」でメンバーもファンも、とびっきりの笑顔で石田を送り出し本編は終了する。

 ロイヤルブルーのドレスで登場した石田は手紙を読み上げ「卒業と加入がないグループだったら、ずっとこのステージにいたいと思うくらいモーニング娘。が大好きです。だけど、卒業と加入があるグループだから、私はモーニング娘。になれました。これからも、そう繋がっていくことを信じて、2024年12月6日、今日、私はモーニング娘。を卒業します」と、グループ、地元、同期、そしてダンスへの愛を語る。

 そんな石田が一人で歌う最後の曲に選んだのは「私のでっかい花」。田中れいな、飯窪春菜とともに歌ったカップリング曲で、石田はラップパートを担当。本来は田中が楽曲の大半を歌っていたのだが、2013年春、田中が体調不良で出演できなくなった際、急遽石田が田中のパートを歌った場面もあった。そんな思い出もある「私のでっかい花」。最後の〈誰かの心 踏みにじるような/生き方はごめんさ/でっかい花さかせて/最後に笑ってやるんだ〉という一節は石田のまっすぐなアイドルの生き様を表しているように感じる。

 その後、メンバーが登場すると「いいことある記念の瞬間」をパフォーマンス。続けて披露されたのは「ENDLESS SKY」。鞘師の卒業コンサートのアンコールでも歌われたこの曲は、同期の工藤遥、後輩の森戸知沙希の卒業公演でも歌われた人気曲。これまで様々なメンバーの卒業を見届けていった楽曲はまた一人、大切なメンバーの背中を押す。最後に披露した「青空がいつまでも続くような未来であれ!」は石田はもちろん、石田を送り出すメンバー、そして見守ってきたファンのこれからを祈るような、あたたかいパフォーマンスとなっていた。

 石田の魅力は、勇敢でひたすらに明るいだけではない。時にはファンにも悩みを素直に吐露し、本当の意味でファンと共に歩いてきた人間らしさも彼女の魅力である。理想の自分と今の自分を比べ悩むこともありながらもできる限りの努力を続け、ステージの上では明るく笑顔を向ける彼女は、山あり谷ありの人生を生きる多くのファンにとって希望だ。“ダンスマシーン”を自称しているが、どこまでも人間らしく、だからこそここまで愛されてきた。そんな彼女自身と向き合い続け、燃やした青い炎はこれからも燃え続ける。

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