Mardelas、デビュー10周年を見据えて新たなスタートラインへ 『Dead or Alive』の本当の意味と未来
過去を振り返ることで気づいた成長、見据えるデビュー10周年
ーーこのライブ作品の発売記念ライブが、先日の池袋 Club Mixaでの2DAYS公演でしたが、ここには『RE-IGNITE』というタイトルが冠されていました。『Dead of Alive』を経たバンドが再び火をつける、まさにメンバーの意思を表す言葉でしょうね。
蛇石:初日は2015年から2018年まで、2日目は2019年から2024年までの曲でセットリストを組んだんですけど、昔の曲にもあらためて火をつけるっていうイメージもありましたね。ただ昔を懐かしむだけじゃなくて、今のアレンジ、今の音でもう一度みんなに届けるというのがコンセプトにあったので、その意味合いは意識しました。
及川:昔の曲って、シンセをあんまり考えて作っていなかったり、CDのクオリティだけを考えて作ってたので、『Mardelas IV』とかの曲と比べると、ライブでやった時に再現性がちょっと低かったりしたんですけど、そのへんを全部変えたんです。シンセのアレンジをすべてMao(Key)くんにあらためてお願いして。最近のメジャーのアーティストって、バッキングトラックが同期ものでめちゃくちゃ構築されているんですよ。賛否はあるとは思うんですけど、お客さんに曲のよさを届けるという意味では、全曲とも自分が求めるレベルまで持っていきたかったんですね。とはいえ、相変わらずギターは自由にやれる空間を残してます。今回は2日間で30曲やりましたけど、すべて変わってますね。あのライブが終わってから、実はその作業をずっとやってたんですよ。細かくMaoくんとやり取りしてましたし、かなりの労力を使いましたよ(笑)。彼も「大変」って言ってましたね、「最近はMardelasしかやってない」って(笑)。
本石:「めちゃくちゃ働かされる」って言ってました(笑)。
ーー特に初日の曲の変化は大きいですよね。誤解を恐れずに言えば、『Mardelas IV』のレベルに引き上げられたような印象で。本石くんの2日間はどうでした?
本石:ライブ自体は相変わらず一瞬で終わりましたね(笑)。1日目は『Mardelas III』(2018年)で使ったG&Lのベース1本で通したんですね。2日目は2019年から使ってるProvisionとBacchusのベースを使って、自分のなかでも対比をつけて。衣装もちゃんと昔の衣装にしたんですけど、何かふざけてる人がいましたね(笑)。「On The Lam」とかは久しぶりだったんですけど、昔のパラデータを聴いたら「下手くそだな」って思いました。でも、そう感じるということは、今ちゃんと成長していることなんだなと捉えて。だから、これをまた5、6年後に聴いた時、「上手く弾けたと思っていたけど、やっぱりまだ下手だったな」と思えるように今後やっていかないといけないんですけどね。
及川:昔のテイクが粗いと思えるのはいいことですよね。最近、「Apocalypse」の2024年バージョンをYouTubeでも公開したんですけど、昔のデータを聴いてみたら、今の自分は絶対にやらないような粗さがあるんですよね。もちろん、全体で混ざると全然気にならないんですよ。でも、ギターだけ取り出して聴くと「やっぱり下手だな」って思う。
ーーそれは聴き手には気にならないレベルの話ですが、演者自身は細かな違いがよくわかるでしょうね。さて、先日のライブの際には、来年の活動に関する大きな発表がありました。まずデビュー10周年記念公演を4月29日に渋谷CLUB QUATTROで行うこと。『Dead of Alive』とは性格は異なりますが、ある種、Mardelasのあるべき姿をそこで見せるのだということですよね。
蛇石:まず会場から決めたんです。『Dead of Alive』のチケットがもう売り切れるだろう、アライブするだろうというタイミングだったんですけど。10周年って、10年に1回しかないことなので派手にやりたいなっていうのはありましたし。会場の選び方としては、私が何となくQUATTROに憧れみたいなものがあって、高校生の時に好きだったバンドが出てた会場だったんですよ。Mardelasはメタルバンドなのかもしれないですけど、私はもうちょっと幅広くロックとして捉えてるので、一般的なロックバンドが通ってきたところにちゃんと立ちたいっていう思いがありました。あとはキャパ的な面でも、守りに入るタイミングではないなというのもありましたし、いろいろ話し合った結果、QUATTROになりました。
本石:僕はQUATTROに行ったことがないんですよ。邪魔な柱があるっていう噂は聞いてるんですけど(笑)。だから、ちょっと偵察しに行かないとなと思うんですけどね。
蛇石:その柱も込みで私はQUATTROでやりたかったです(笑)。
及川:やっぱり1.5倍ぐらいのペースで、キャパを上げていかないといけないと思っていて。「10周年だからそこで特別にやります」というよりは、そこをベーシックにしていくような活動を一年を通してしていかなきゃいけない。まあ、それは毎年のことなんですけどね。さっき言った通り、シンセのアレンジとかだったり、演奏のクオリティだったりはもちろん上げていく。バンドは仕上がっているし、そこにたくさんの人がきてくれたとしても、それをキープできるようにバンドを持っていかなきゃいけないと思ってるんです。だから、最近は音の作り方とかもすごく考え方が変わってきてて。このジャンルでありながらも、柔軟に対応して、音響さん含めてチーム一丸となって、頭ひとつ抜けた音でやりたいなとは思ってます。実際に成果も出てるし、そういった技術的な部分での最高値も出したいですよね。そういった面も含めて、お客さんに伝えたいストーリー作りもそうだし、プロモーションも頑張らなきゃなとは思ってます。
先輩THE ALFEEからの学び、盟友TEARS OF TRAGEDYとの交流
ーープロモーションのひとつになるのかなと思いますが、これまでもさまざまなカバー動画を公開してきましたが、最近ではTHE ALFEEの「ジェネレーション・ダイナマイト」が来ましたね。
及川:THE ALFEEの50周年ということもありますし、実は昔から聴いてて好きなんですよ。
ーー高見沢俊彦モデルも持ってますもんね。
及川:そう。大学生の時も別のものを持っていて、大学1年生の時の最初の新入生歓迎ライブで高見沢モデルでIRON MAIDEN(の曲)をやって、ベストギタリスト賞を獲ったという思い出があって(笑)。高見沢さんは存在がかっこいいですよね、出で立ちも。日本でも巧い人はたくさんいますけど、ああいうスターは少ないなって。THE ALFEEはギターがいいなって思いますね。フレーズだったり、作曲のレベルがすごく高い。「ジェネレーション・ダイナマイト」は80年代の曲ですけど、2010年代にセルフカバーして、モダンな音になってるんですよ。ライブではその新しいバージョンでやってるんですけど、そのイメージでカバーしました。
蛇石:この前、THE ALFEEのライブに2日間行ったんですけど、「『ジェネレーション・ダイナマイト』聴けるかな?」って、すごくドキドキしていたらやってくれて。その勢いもあって「カバーしようぜ!」という流れになりましたね(笑)。
ーー愛情を感じるカバーでしたね。QUATTRO公演の前には、横浜、名古屋、大阪をTEARS OF TRAGEDYとまわることもアナウンスされました。
及川:はい。久しぶりなことに意味があると思っていて。リーダーのTORUさんとはすごく仲が良くて、ギターの話をしたり、飲みに行ったりとかしてるんですけど、TEARSがちょっと先に行ってるところもあるし、頻繁に対バンをしたりとかは頑なにしてこなかったんですよ。でも、どちらも本当に生き残ってる感じがすごくするんですよね。同世代で、女性ボーカルを擁するバンドで、それぞれが頑張ってきて、どちらも自信がある状態で対バンできるというのが、すごく嬉しいですね。本当に勝負って感じ。仲はいいけど、ライバルみたいな感覚です。
蛇石:ちょうど知り合って10年になるんですよ。Mardelasの最初の主催イベントに出てもらったのが2014年の9月で。わざわざそこにかけたわけではないんですけど、巡り合わせというか、「ちょうど10年経つね」という話もしましたね。
ーーTORUくんはMardelasにサポート参加したこともありましたしね。さて、QUATTRO公演については、具体的にはこれから内容を詰めていくのでしょうね。
及川:そうですね。先日やったレコ発は、その選曲のソースというか、試してみた意味もあって。今のクオリティでやれる曲が30曲あるとして、10周年で最高のライブをするためには、そこから選べるわけじゃないですか。だから、ちょっと慎重に決めていこうかなとは思ってます。その前のツアーでも試しつつ、いい状態で臨みたいですね。
ーー先日の2日間でやった曲だけが選ばれるっていうことではないわけでしょう?
蛇石:そう。(池袋 Club Mixa公演では)やっていないけど、すでに(QUATTRO公演で)やろうとしてる曲はあります。ただ、10周年ということは意識はしていますし、コンセプトとしてこれをやらなきゃダメだろうと思っている曲もあるので。
及川:ファンもこのタイミングだからこそ観たいと思っている曲があるだろうしね。ライブ自体はもうひとつのスタートラインにしたいですし、ここをベーシックにしていきたい願望がありますね。キャパシティ的にも、ショーとしてのクオリティ的にも。
■リリース情報
ライブ作品『Live 2024 -Dead or Alive-』
発売中
<Blu-ray>
価格:¥6,800(税込)
本編:125分
特典映像:39分(The Other Side of “Dead or Alive”)※英語字幕付
カラー/音声:日本語
<DVD>
価格:¥5,800(税込)
本編:125分
カラー/音声:日本語
<CD>
価格:¥3,850(税込)
■公演情報
ツーマンライブ『TEARS OF TRAGEDY × Mardelas Tour 2025』
<横浜ReNY beta>
日程:2025年2月23日(日)
時間:OPEN 17:00/START 17:30
チケット:https://eplus.jp/sf/detail/4219600001-P0030001
<名古屋 今池 CLUB3STAR>
日程:2025年3月1日(土)
時間:OPEN 17:30/START 18:00
チケット:https://eplus.jp/sf/detail/4221270001-P0030001
<大阪RUIDO>
日程:2025年3月2日(日)
時間:OPEN 17:00/START 17:30
チケット:https://eplus.jp/sf/detail/4218990001-P0030001
・チケット発売中
前売 ¥6,000(税込) オーダー別
当日 ¥6,500(税込) オーダー別
※オールスタンディング/整理番号あり
10周年ワンマンライブ 『Explosion Into The Next Decade』
<SHIBUYA CLUB QUATTRO>
日程:2025年4月29日(火・祝)
時間:OPEN 17:00/START 17:30
チケット:前売 ¥6,000(税込)/¥6,500(税込)+Drink代 ¥600(税込)
12月14日(土)10:00~ チケット一般発売:https://eplus.jp/mardelas/
※オールスタンディング/整理番号あり
オフィシャルサイト:http://mardelas.com/
YouTube:https://www.youtube.com/c/Mardelas_Official
X(旧Twitter):https://x.com/Mardelas_info
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