爆風スランプ、再集結を経て26年ぶりのツアー完走! 原点回帰と現在地の交点で溢れた美しきパワー
以上、演奏された曲を、ベストアルバム収録曲と未収録曲に分けながら、それがどんな曲なのか、この日どんなふうに演奏されたのかについて、書きました。以下は、それ以外で書いておきたいことです。
14曲目、本編ラストに演奏された「Runner」。言わずとしれた、爆風スランプ最大のヒット曲であり、この曲を最後に江川ほーじんが脱退した、つまり、バンドにとって大きな分岐点になった曲である。
昨日の朝、ほーじんの夢を見て起きた。ほーじんは爆風スランプの野外ライブに、ベースを持って駆け上がってきて、元気に弾き散らかしていた。最高のベーシストをふたりも抱えて、本当に幸せなバンドだと思う。いつの日か、ダブルベースでできることを信じて、歌います――。
「Runner」を歌う前に、中野くんはそんなMCをした。
二度目のアンコールで、「THE BLUE BUS BLUES」を終えたあとのMCでは、河合が「(爆風スランプを)生きてる限りやります、俺は」と宣言。
中野くんは、「26年間、お休みしてしまいました、すいませんでした!」と謝ったうえで、末吉が中国に行ってしまった当時は「最悪じゃねえか」と思ったけど、今はそんなことない、「日本に住めよ」とはまったく思っていない、年に一回ぐらい帰ってきてくれて、このバンドで動けたらいいと思っている――という話をする。
そして、「爆風スランプ、大きな玉ねぎの下でやりたい」と、また日本武道館でやりたい意志を表明。「みんなの中高年パワーで俺たちをそこに連れて行ってください」と、オーディエンスにお願いした。
続けて、2025年の2月7日公開の映画『大きな玉ねぎの下で』を紹介する中野くん。今回の再集結とは関係ないところで作られた映画で、ファンであるひとりの小説家(中村航)から始まったそうである。
「もう一度、大きな玉ねぎの下で。みんな、約束だよ」――という話を、『サンプラザ中野のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)で毎週締めに叫んでいた言葉「プロミス、プロミス、プロミス、ユー!」を河合&中野くんで叫んで締めてから、「大きな玉ねぎの下で」の演奏が始まった。
というわけで、このLINE CUBE SHIBUYAをもって、デビュー40周年記念・26年ぶりの爆風スランプのツアーは幕を閉じた。
今後の活動がまだ未定というのは、末吉が中国在住で、そちらでのさまざまな活動があるので、なかなか入れられないのだろう。ほかの3人も、かつてのように爆風スランプだけをやるわけにはいかないだろうし、やむを得ない、とは思う。
ただ、中野くんが言うように、年に一回でも、いや、2年に一回でもいいので、今後も爆風スランプが続いていくことを願う。テレビ等のメディア露出もいっぱいあったし、このLINE CUBE SHIBUYAもいろんなメディアに取り上げられたし、華々しい再集結だった。でも、長年待ったファンとしては、「ええっ、もう終わり?」という気持ちは、正直、ある。何より「IKIGAI」以外にも、今の爆風スランプが作る新曲をもっと聴きたい。音源でも、ライブでも。
なので、今後も楽しみにしています。
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