EXILE TRIBEが紡いでいくLDHの伝統と志 12グループが集結した『LDH LIVE-EXPO』レポート

 10月26日・27日、EXILE TRIBEが総出演するライブイベント『LDH LIVE-EXPO 2024ーEXILE TRIBE BEST HITS-』(以下、『LIVE EXPO』)が大阪・ヤンマースタジアム長居で開催され、会場、配信視聴含め11万5千人を動員した。本レポートでは初日10月26日公演の様子を振り返る。

 EXILE TRIBEの総勢12グループが集結し、メンバープロデュースの下でヒット曲が続々披露されるという新たなコンセプトライブとして作り上げられた本公演。EXILE TAKAHIROとEXILE THE SECONDの5人からNEO EXILE世代のフレッシュな面々までが揃い、3時間半に及ぶ豪華なライブでEXILE TRIBEグループの歴史を振り返った。

 当日の天候が一時心配されたものの、開演時には雲間に青空も見られ、無事過ごしやすい気候のなか迎えられたスタジアムの野外ステージ。この大イベントのオープニングを担ったのは、サプライズでの登場となったゲスト・MIYAVI。痛快なギタープレイによる空まで突き抜けるようなの轟音の後、花火の爆発とともにまずTHE RAMPAGEのメンバーがステージに登場。歌い始めたのは、本公演に向けて書き下ろされたEXILE TRIBE名義の楽曲「AKANEGUMO」だ。各グループを象徴する引用満載のリリックに合わせて次々とステージへと出現するEXILE TRIBEメンバーによりマイクが繋がれていくと、その度に割れるような歓声がスタジアムを覆い尽くす。その興奮冷めやらぬままに再度大きな花火が上がると、今度は世代ごとに歌い継がれるEXILE TRIBEのアンセム「24WORLD」を、ステージを埋め尽くす総勢84人のオールメンバーによりフルコーラスで披露。開演から一気に会場のボルテージを引き上げ、5万人の心を一つにするという、実にLDHらしい幕開けだ。

 さらにここからはノンストップで、早速今回の目玉であるヒットソングメドレーへと突入。真っ先に聴こえてきたのは、あの「R.Y.U.S.E.I.」のイントロだ。本家の三代目 J SOUL BROTHERS(以下、三代目JSB)がワンコーラス歌い上げた後、ステージにはTHE RAMPAGEメンバーが再登場し、3ボーカルが歌い繋ぐ。間奏には2グループ全員横並びでのランニングマンのパフォーマンスもあり、他では決して見られない特別編成に会場は大興奮。そこから立て続けにGENERATIONS「AGEHA」が始まり、FANTASTICSメンバーとLIL LEAGUEのパフォーマー達がコラボし、全員でステージを駆け回りながらのパフォーマンスで盛り上げる。続いて今年のヒット曲の筆頭と言えるPSYCHIC FEVER「Just Like Dat feat. JP THE WAVY」ではEXILE SHOKICHI、三代目JSBからELLYと今市隆二、BALLISTIK BOYZから奥田力也がマイクを持ち、そのほか岩田剛典と佐野玲於、長谷川慎らもパフォーマンスに参加。ØMIとEXILE NESMITHの力強い歌唱が加わったTHE RAMPAGE「100degrees」では、間奏でTHE JET BOY BANGERZのパフォーマーがダンスショーケースを披露。FANTASTICS「Flying Fish」はBALLISTIK BOYZとKID PHENOMENONメンバーによって爽やかに歌われた。所属グループも先輩後輩も問わず入り乱れる、予測不能のステージが続く。響き続ける歓声の中でEXILEメンバーがステージに舞い戻り、Jr.EXILEメンバー達とともに「VICTORY」を歌唱。さながら14年前にスタジアムで行われた『EXILE LIVE TOUR 2010 "FANTASY" 』のように、力強い大合唱が会場をこだました。

 そして外が少しずつ暮れてゆく時間帯になり、照明がほの暗く照らすステージにはBALLISTIK BOYZが再登場。披露されたのは彼らの代表的なR&Bナンバー「Animal」。本家ボーカルの後にはSHOKICHI、川村壱馬(THE RAMPAGE)、八木勇征(FANTASTICS)らと数多くのパフォーマーがステージに上がり、完璧な肉体美も披露してくれた。続いて暗転ののち現れた数原龍友とTAKAHIROの二人が歌い始めたのは「Love You More」。二人に続いて片寄涼太と吉野北人(THE RAMPAGE)も加わり、GENERATIONSの代表的バラードを優しく歌い上げた。さらに暗転の後、MIYAVIの奏でるスパニッシュなギター演奏とEXILEパフォーマーのEXILE AKIRA、橘ケンチ、EXILE TETSUYAの情熱的なダンスから、EXILEの大ヒット曲「Ti Amo」へ。ギターを携えたNESMITHとピアノを奏でる今市とともにRIKU(THE RAMPAGE)、中島颯太(FANTASTICS)、小波津志(PSYCHIC FEVER)らボーカリストの面々が、しっとりと熱のこもった歌唱を聴かせた。続いて三代目JSBのデビュー曲「Best Friend's Girl」では、かつて『VOCAL BATTLE AUDITION 2』の課題曲として今市、ØMIとともにこの楽曲を歌っていたGENERATIONSの数原と片寄とのコラボも。どれもこれも、確実にこの『LIVE EXPO』でしか観られない貴重なステージばかりだ。めまぐるしい光景の数々を前にしたスタジアムの客席も、必死で食らいつくように歓声で応え続けていた。

 気づけば辺りはすっかり暗くなり照明が煌々と光り輝く中、ライブはNEO EXILEの面々によるコラボレーションパートへ。まずはLIL LEAGUEによる最新のファンキーチューン「Youth Spark」から始まり、KID PHENOMENONの「存在証明」が爽やかな疾走感を届け、WOLF HOWL HARMONYが「Frozen Butterfly」をグルーヴィーに聴かせた後、最後はTHE JET BOY BANGERZが「Jettin'」を不敵かつパワフルに披露。ダンスブレイクではAKIRAが加わり歓声を攫っていく場面も。最後にはコール&レスポンスでスタジアム全体を盛り上げ、新世代のグループとしての存在感を見事に見せつけていた。

 それから今度は一気に時代を遡り、今この場所へと繋がる原点とも言える初期EXILEの名曲メドレーへ。まずは言わずと知れた代表曲「Choo Choo TRAIN」。また新たな未来を作るEXPGのダンサー達とともに幅広い世代のメンバーが集って一つになるという、EXILE TRIBEの歴史を象徴するような景色が広がっていた。次いで「Together」では片寄、吉野、八木がそろって登場した後、ソロとしても活躍する岩田がボーカルとして加わり名曲を歌い上げる。こんな光景を一体誰が想像できたことだろう、と思わず感慨をおぼえるような一幕であった。そしてTAKAHIROとBALLISTIK BOYZの日髙竜太と加納嘉将が歌う「Carry On」に続いて、今度は“J Soul Brothers”の継承という、もう一つの重要な歴史が辿られる。かつての二代目JSBと三代目JSBが一堂に会して歌われたのは、2000年リリースの「Fly Away」。去り際には「二代目、三代目 J SOUL BROTHERSでした!」とSHOKICHIが叫んだ。当時を知るファンからすれば、この時間は感涙必至であっただろう。さらに次の「Someday」ではまたも心憎い演出として、リリース当時の企画だった“こどもVer.”MVにキッズダンサーとして出演していた岩谷、浦川、藤原、深堀、砂田らが登場し、EXILEメンバーおよびFANTASTICSパフォーマーとともにステージへ上がる。まだ幼い当時の彼らの映像に合わせて“今”の彼らが活き活きとパフォーマンスを披露する姿がモニターに映されると、会場全体が温かな歓声に包まれた。この“懐かし映像コラボ”はその後も続き、まずはGENERATIONSの小森隼がナインティナイン岡村隆史とコラボレーションした『オカザイル』の映像とともに登場し会場を盛り上げ、TAKAHIROとJr.EXILEメンバー達で「WON'T BE LONG」を披露。それぞれEXILEに憧れるキッズ時代の姿が映し出されるという心温まる演出の中には、改めて彼らの歴史の厚みが垣間見えた。続くキラーチューン「Ki・mi・ni・mu・chu」ではメンバー達が客席に降りてコミュニケーションを取るファンサービスもあり、どこもかしこも笑顔に溢れるパフォーマンスとなった。

 そこから暗転の後、モニターに夕暮れの街並みが映し出されると、俳優活動でも知られる佐藤大樹、木村慧人、藤原樹、岩田らが現れ、憂いを帯びた表情の演技で観客を魅了。花火が打ち上がる音ともに八木、宇原雄飛の歌い出しから始まったのは三代目JSBの名曲「花火」。ここからはヒットバラードのメドレーとなる。GENERATIONSによる「空」ではSHOKICHIのピアノと小林直己のダンス、またDEEP SQUADメンバーを含むWOLF HOWL HARMONYによる美麗なコーラスも加わり、壮大な世界観が表現された。続くTHE RAMPAGE「MY PRAYER」では、3ボーカルの歌唱に続いて過去『iCON Z』オーディションでこの曲を歌唱したLIL LEAGUE岩城星那と中村竜大のコンビが登場、ファンを大いに沸かせる。そこから一度静まったステージには切ないピアノの音色が鳴り響き、歌い始めたTAKAHIROとØMI、川村の3人が立ち並ぶ姿が照らされた瞬間、会場からはどよめきの声が上がった。歌われたのはEXILEの名曲「運命のヒト」。兄弟のような深い関係性で知られる3人による象徴的なコラボレーションに、ファン達は固唾をのんで見守った後、感嘆たる歓声と拍手を送った。

関連記事