コレサワ「元彼女のみなさまへ」が導く恋愛の“いじらしさ” ラブソングでヒットを生む理由とその才能
2023年にリリースされたアルバム『かわいくしながら待ってるね』のラストを飾る「♡人生♡」も珠玉の一曲だ。「TikTok上半期トレンド大賞2024」ミュージック部門にノミネートされた同曲は、ミディアムチューンながらリズムを重視した展開で聴かせる楽曲で、コレサワのボーカルアプローチの切り替えが光る。淡々としたメロディが続くAメロでは、歌詞も韻を踏んでいることに加え、母音の抜きや子音へのアクセントの付け方で、少しラップっぽさを加えている。そんななかでも、一音だけファルセットで抜いたり、言葉ごとの最後の母音を少し引きずるように伸ばして次の言葉につなげるなど、鮮やかに抑揚をつけている。サビ前にメランコリックなメロディを差し込み、〈好きな子〉というフレーズを入れ込んだ歌詞をテンポよく繰り返すことで、楽曲の“サビ”を最もポップな印象に持ってきている手腕はお見事としか言いようがない。そのキュートさとメランコリックさが、絶妙のバランスで成り立っているのがコレサワ楽曲の特徴であり、彼女が持つポップネスだ。本曲の〈思い通りに行かない方が/サプライズだらけでいいね〉というワンフレーズは、コレサワの恋愛観――もっと言ってしまえば、タイトル通り彼女の人生観に通ずる考え方なのではないかと思う。
“元カレ”に捧げる楽曲と言えば、「SSW」も外せない。2017年にリリースされた本曲は、開放感あるポップチューン。イントロのギターのフレーズからメランコリックで、胸がキュッとなるアップナンバーだ。サビ以降の高音でのメロディには、シティソウルを思わせるような物憂げな雰囲気も垣間見られる。“元カノがシンガーソングライター”という設定の歌詞は、コレサワの自己紹介のような一曲でもある。歌詞の〈ほらね/都合がいいでしょ?〉という口語体の〈しょ?〉の語尾を上げるように歌うことで、しゃべり言葉として成立させ、自虐的な言葉をそう思わせず、いじらしさを感じさせるボーカルアプローチもいい。
コレサワのボーカル力の素晴らしさがわかるのが、サビの部分だ。細かい譜割りとトーンが入り組み、次の展開が読めないメロディラインで、しかも高音域が続く。コレサワは、この難しいメロディをファルセットを使いながらも、声を張らずに歌い、軽快なポップスとして歌うことに成功している。ファルセットへの移行も滑らかで、それがこの楽曲の開放感に一役かっている。これは、ボーカルコントロールとリズム感、両方がしっかりしていなければできないことだ。「SSW」は“元カノ”視点の曲、そしてバズを起こしている最新曲「元彼女のみなさまへ」は“今カノ”視点の曲。相反する視点であるが、両曲とも〈幸せ〉という言葉を使っているのが、コレサワらしい。
自身を「恋愛体質」であり、「恋心は生きているから人間がどうこう出来ることじゃない」と言っていたコレサワ。恋心という気持ちを大切にしているからこそ、多くの恋心のその変り様や状況を見つめ続けているのだろう。
そして、見つめ続けているからこそ、コレサワの曲は、恋に踊り、恋に奔走される、そんな人の味方であり続けられるのだ。
■リリース情報
Digital Single『元彼女のみなさまへ』
配信中
配信URL:https://lnk.to/Dear_ex-girlfriends
■公演情報
『コレサワ ワンマンショー 2024 コレシアター05』東京追加公演
12月19日(木)東京人見記念講堂
OPEN:17:30/START:18:30
企画:RECO RECORDS
制作:ハンズオン・エンタテインメント
(問)DISK GARAGE:050-5533-0888 (平日 12:00~19:00)
https://info.diskgarage.com/
<オフィシャル先行>
10月23日(水)15:00 ~ 11月4日(月・祝)23:59まで
受付URL:https://eplus.jp/koresawa/
<チケット>
チケット代(一般):¥6,500(税込)
チケット代(学生):¥5,500(税込)
※未就学児童入場不可
※学生割引チケットに関しては高校生以下のみ入場可能(入場時要学生証提示/枚数制限:2枚)
コレサワ オフィシャルサイト:https://koresawa.jp
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