XG、独自スタイルを貫いたまま日本でも大躍進 国境を越えた人気の根底にある“信頼できる”楽曲クオリティ

 XGが、7月26日に2ndミニアルバムの先行楽曲「SOMETHING AIN’T RIGHT」を配信リリースした。同曲は8月8日付のBillboard JAPAN “Global Japan Songs excl. Japan” で初の首位を獲得したほか、MVは同日の公開から3週間で1000万回再生を突破している(8月17日現在)。

XG - SOMETHING AIN'T RIGHT (Official Music Video)

 XGはこれまで海外を中心に活動し、アメリカ・ロサンゼルスで行われた音楽フェス『Head In The Clouds Los Angeles』に出演するなど、主にグローバルフィールドでの経験を多く積んできた。一方、今年6月には『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)、『Venue101』(NHK系)、『CDTVライブ!ライブ!』(TBS系)など日本の音楽番組への初出演を果たし、見る者を惹きつけるカリスマ的存在感と圧巻のパフォーマンスで総合的なレベルの高さを証明。日本での連日のテレビ出演が、音楽ファンのみならずこれまでXGに触れてこなかった視聴者からの認知獲得にも繋がり、放送直後、Xでは「初めて見て腰抜けるほどかっこ良かった......この子たち何者?」といった初見の感想も数多く寄せられた。SNS総フォロワー数は出演から約2カ月(8月16日現在)で計1100万人を突破(TikTok 470万人、YouTube 310万人、Instagram 260万人、X 44万人、Facebook 22万人)しているほか、「WOKE UP」のMVはすでに4200万回再生を記録。それまでは海外ファンからの熱い感想が多く見られたコメント欄は、今では音楽番組をきっかけにXGに関心を持った人々の日本語コメントで埋め尽くされている。

 従来のJ-POPでもK-POPでもない“X-POP”を掲げるXGの音楽ルーツに深く影響を与えているのが、エグゼクティブ・プロデューサーであるJAKOPS(SIMON JUNHO PARK/以下、JAKOPS)の音楽的嗜好だ。

『XG 1st WORLD TOUR “The first HOWL”』マニラ公演のDJ模様

 JAKOPSは現在開催中のXGのツアー『XG 1st WORLD TOUR “The first HOWL”』にて、狼の仮面を被ったDJとして会場を盛り上げており、そこでプレイされているのが、ベイビーフェイスの「Keeps On Fallin’ (with Ella Mai)」やテヴィン・キャンベルの「Can We Talk」、クリス・ブラウンの「Undecided」といった名だたるR&Bアーティストの楽曲である。また、日本においては山下達郎「RIDE ON TIME」や宇多田ヒカル「Automatic」、ソウルはコリアナ「Hand in Hand」、台湾はテレサテン「Tian Mi Mi」、マニラはLola Amour「Raining In Manila」、クアラルンプールはYuna「Crush feat.Usher」といった現地にゆかりのある曲を選曲してプレイ。さらにステージ衣装も各開催国にあわせて変えているようで、そういった各国のファンに寄り添った姿勢、精神もJAKOPSが展開するエンターテインメントの魅力であり、プロデューサーとしての巧みな手腕に繋がっているのだろう。

 これに加え、オープニングアクトではまだ音源すら配信されていない未発表曲「WOKE UP REMIXX (Jay Park/OZworld/Awich/Dok2)」も解禁。XGのグループ史上最もHIPHOPに振り切った楽曲「WOKE UP」で日韓のシーンを牽引する豪華ラッパー陣を客演に迎えたRemixはすでに全世界のファンから大きな反響を集め、音源配信を望む声も後を絶たない。

『XG 1st WORLD TOUR “The first HOWL”』バンコク公演のDJ模様

 このRemixの実現には、XGメンバーたちのこれまでの実績とメンバー全員でマイクリレーできるほどのラップスキルはもちろんのこと、やはりJAKOPSの存在が欠かせなかったのではないだろうか。JAKOPSは「‘JA’pan(日本)+‘KO’rea(韓国)+‘P’roduce by ‘S’imon」というその名の通り、アメリカ・シアトルで生まれ、韓国人の父と日本人の母を持つことから、日韓英にルーツがある人物だ。かつてJAKOPS自身も、韓国で著名なラッパー・MCモンがプロデュースするK-POPアイドルグループ・DMTNのメンバーとして活動し、HIPHOP/R&Bレーベルのミリオンマーケット初のアーティストとしてソロデビューした経験を持つ。ルーツとして慣れ親しんだ洋楽は言わずもがな、BIGBANGやSHINeeなど、アイドルの楽曲やコンセプトにHIPHOPが積極的に取り入れられ始めた第二世代K-POP業界でHIPHOPやR&Bを拡張したグループと同時期に活動し、その後は音楽プロデューサーとしても活躍してきたため、HIPHOP/R&Bミュージックに濃く触れてきた経験と国を超えた業界内外の広く太いパイプの両方を持っているのである。

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