Aぇ! group、ツアーファイナルで交わした未来への約束 5人の歩みが凝縮されたマルチなステージに

 8月18日、有明アリーナにてAぇ! groupのデビューツアー『Aぇ! group Debut Tour ~世界で1番AぇLIVE~』のファイナル公演が開催された。5月15日にCDデビューを果たし、同月25日の北海道公演から全国8都市を駆け抜けてきたこのツアー。リーダー・小島健が「1回1回の公演が“世界で一番えぇLIVEだった!”と思ってもらえるように」という想いを込めたツアータイトルにふさわしい、彼らの幅広い魅力が感じられるライブとなった。 

 開演直前のアナウンスが終わると会場からは“Aぇ”コールが。早くもツアーファイナルに向けて盛り上がりを見せる会場に流れたオープニング映像の最後には“Aぇ! group FINAL”の文字が映り、さらに大きな歓声が上がる。LEDが開いた先で5人が登場して始まったのは、彼らの1曲目のオリジナル曲「Firebird」。炎の特効と巨大なモニターを贅沢に使った、ステージ全体が燃え盛るような演出で狼煙を上げた。真っ赤だった会場が一変、青い光が彼らを照らすと、派手なバンドサウンドの「アエテオドル」に繋がる。小島が「騒げんのか?」と観客を煽り一層温度を上げたところで「Aッ!!!!!!」へ。冒頭2曲とはガラッと雰囲気を変えて彼らの持つ陽気な明るさが全面に出るこの曲では、揃って揺れるペンライトとともに弾ける笑顔を見せた。 

 ピンクのツイードのジャケットに装いを変え、目の周りでハートを作る可愛らしい振り付けで会場を湧かせた「WANT!!」、リフターに乗って歌い上げた「+YOU」が終わると、「純情パスファインダー」へと繋がる。紫のライトにスモークが焚かれたステージは一気に神秘的なオーラに包まれ大人な雰囲気へと変わり、次の「Party-Aholic」ではワイシャツにネクタイのシンプルな衣装で色気のある一面を魅せた。 

 そして次は夢のテーマパークをイメージしたコーナーへと移っていく。その幕開けとなった「Aぇ! LAND」ではこれでもかと言うほどカラフルな照明がピカピカと光り、メンバーカラーの煌びやかなスーツを着た5人のショーが始まった。キャストに扮した彼らが様々なコスチュームに着替えながら先輩グループの名曲をカバーしていき、小島が幼稚園児の制服を着たキャラクター・けんちゃんも登場するなど、自由な笑いが飛び交った。このコーナーの最後には、YouTubeのジュニアCHANNELに投稿された動画「Aぇ! group 【スベスベ大喜利⁉】スベった奴ほど最強…ダジャレの天才現る!!」にて、「爆笑をかっさらった記念すべきAぇ! group10枚目のシングルタイトルは?」という大喜利のお題に小島が答えた、佐野晶哉のソロ曲「愛してるって言わNight」が実現。小島が作詞、佐野が作曲した本ツアーのために制作された1曲で、ファンとのコール&レスポンスを挟みながら、佐野の勇ましい歌声が豊かに響き渡った。 

 その後のMCでは、1万5000人収容の有明アリーナに対して「そう感じひんくらい近いよね」「一番近く感じる」と話すメンバーたちに、小島がさりげなく「心の距離感がね」と言い、ファンを沸かせる場面も。MCから繋がった「ストーりぃ!」はアコースティックバージョンで披露。作詞作曲を手掛けた佐野が「このライブやってて、このコーナーでみんなが声出してくれるの大好きやから、一人ひとりの声を楽しみに、ラスト大切に歌います」としみじみと話していた様子が印象的で、ファンの合唱と優しい演奏が合わさり温かい空間となった。 

 自己紹介ソング「僕らAぇ! groupって言いますねん」からは“トラベAぇルコーナー”と題し、本ツアーで巡った8都市それぞれに合った曲がメドレー形式で披露された。トロッコを使って会場をぐるぐると周り、旅をしているような気分になれるこのコーナー。北海道での「10年後の今日の日も」(SUPER EIGHT)の間には、佐野がジェスチャーで大事に作った雪だるまを末澤誠也が蹴り飛ばす“狂犬っぷり”で会場を笑わせていた。コーナーの最後の「しあわせもん。」では地上から8メートルもの高さのリフターに乗り、スタンドにいるファンとも目を合わせながら歌い上げる。キラキラと舞う紙吹雪の中で歌う5人の姿が夢のように美しかった。 

 CDデビュー曲「《A》BEGINNING」では末澤のシャウトが見事に響き渡り、後半戦のギアを上げていく。バンドセットへ移行し、末澤がボーカル、正門良規がギター、草間リチャード敬太がベース、佐野がドラム、小島がピアノを担当。「神様のバカヤロー」は草間のベースソロからスタートした。「Break Through」ではイントロで小島の語りが入り、「2ndシングル予約してくれた人、イェーイ! まだの人、イェーイ!」という煽りに上がった歓声に、「オッケー、正直でよろしい」と素の笑いを見せる場面も。デビュー前から大切に歌ってきた「PRIDE」では演奏と歌声がともに力強さを増す。落ちサビで末澤が何本ものスポットライトを浴びる姿には、これまでの彼らのいくつもの努力や苦労が“デビュー”という一点に集まって花開いている様を可視化したような、芯の通った唯一無二の儚さがあった。 

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