THE ALFEE「日本のメジャーの音楽シーンでは僕らは早すぎた」 50年の歩みと新たなシングルが示す現在地

怒髪天、TUBE、西川貴教から東京03まで……バンドの説得力あってこそのトリビュート盤

THE ALFEE 50周年記念トリビュートアルバム『五十年祭』

ーー8月14日にはTHE ALFEEのトリビュートアルバム『五十年祭』もリリースされます。意外にも、バンドにとって初のトリビュートアルバムなんですよね。

高見沢:今までまったくそういう話がなかったので、僕らのトリビュートアルバムは作るのが難しいんだろうなと思っていたんですよ。でも、「やってみたらどうですか?」というお話をいただいたので、今回作ることになりまして。なかなかうまくいかない部分も出てきて、我々もいろいろとお手伝いしました。

ーー参加する人選はどのように?

高見沢:最初は3人組というテーマがあったんですけど、なかなか難しくて(笑)。僕らに近しい方たちに声をかけたりして。

ーー選曲というのは?

高見沢:「さすらい酒」(『ALMIGHTY』収録/1981年)だけは、こちらから指定で怒髪天にお願いしたんですけど、それ以外はバンドやアーティスト側からのリクエスト。たまたまどれも被らなかったんですよ。

ーーさっきの話じゃないですけど、そこも被らなさそうですよね。

坂崎:そうなんですよ!

高見沢:TUBEに至っては「もう『星空のディスタンス』しかない!」と言っていましたし。

坂崎:でも、アレンジがいかにもTUBEらしいんですよ。それぞれの得意ジャンルが活きますよね。参加してくれた顔ぶれを見ると、坂本冬美さんからTUBE、スチャダラパー、打首獄門同好会、SEX MACHINEGUNS、東京03まで、ジャンルがまったく異なる方々がTHE ALFEEの楽曲でつながっているわけで、THE ALFEEの音楽性がどれだけ節操がないかってことに、あらためて気づかされます(笑)。

ーーただ、個人的には違和感がまったくなくて。そもそもTHE ALFEE自体に有無を言わせぬ説得力があるからなのかなと。でも、さすがに東京03にはびっくりしました(笑)。

高見沢:ですよね(笑)。でもね、東京03の飯塚(悟志)くんは「My Truth」がすごく好きらしくて。THE ALFEEファンというよりは「My Truth」ファンですね。「高校時代の自分にぴったりの曲だった」と言っていましたから。

ーーそういう個々の思いも、カバーした楽曲に込められていると。

高見沢:そうだと思いますね。氣志團に至っては、カバーしたいラインナップをたくさん上げてくれました(笑)。僕は「FLOWER REVOLUTION」をやるのかなと思っていたんだけど、「風曜日、君をつれて」を選んでいたのでびっくりしました。

坂崎:あれだけ「FLOWER REVOLUTION」が好きだと言ってたのに(笑)。

高見沢:「FLOWER REVOLUTION」はスイッチボーカル曲だし、3人いないとできないのかもしれない。キーも普段の氣志團とは全然違うし、サビはかなり高いから、そのへんもあったのかな。

坂崎:THE ALFEEの曲はサビになると3声でハモらないといけないし、しかもどのメロディが主旋律なのか判断するのも難しいしね。カラオケで歌う時に主旋律がわからないって話はよく聞きますし。そういう意味では、今回カバーした方々も大変だったのかなと思います。

高見沢:それこそ、西川(貴教)は武部(聡志)のアレンジで「恋人達のペイヴメント」をカバーしているけど、制作の途中で「〈白い冬 凍える夜は〉のところ、どれが主旋律ですか?」ってメールが来た(笑)。

坂崎:『フォーク村』(フジテレビNEXT『しおこうじ 玉井詩織×坂崎幸之助のお台場フォーク村NEXT』)でもよくTHE ALFEEのカバーをしてくれるんだけど、コーラスを担当している(加藤)いづみさんからも「どこが主旋律ですか?」って連絡が来ます(笑)。

桜井:3人ともボーカルがガーンと前に出るから、わかりにくいんだろうね。

坂崎:だから、ある意味3人とも主旋律とも言えるんですけど(笑)。

高見沢:もともと僕らはみんな、コーラスがあるグループが好きだったしね。EaglesもCSN(Crosby, Stills & Nash)も、もちろんQueenもUriah Heepもね。そういった部分では、コーラスっていうのは僕らにとって非常に意味のあるものなんです。

ーーこのトリビュートアルバムを機にそういうパートにもスポットが当たり、コーラスやハーモニーというTHE ALFEEの魅力を再確認するきっかけになるかもしれませんね。

高見沢:そう思ってくれるとうれしいな。節目の年にこのトリビュートアルバムが出るというのは、そういう意味もあるかもしれないですね。

ーーこの8月から50周年イヤーが本格的に始まるわけですが、今後もいろいろな計画が用意されているんでしょうか。

高見沢:8月に『50年目の夏祭り』(8月17日、18日にKアリーナ横浜にて開催『U-NEXT Presents THE ALFEE 2024 Wind of Time 50年目の夏祭り Supported by 第一興商』)を終えたあとは、また秋ツアーがあり、12月に武道館と大阪城ホールでライブをやって今年は終わります。それは例年と一緒で、今年がたまたま50周年の年だったというだけですかね。

坂崎:ただ、再来年ぐらいにはライブの通算本数が3000本に到達するんですよ。それが当面の目標といいますか。THE ALFEEはあんまり目標を持たないグループなんですけど、今は2920本ぐらいで残り100本を切ったので、そこは目指したいなと。

ーー今や年間100本ライブをするバンドも少ないですし、通算3000本って純粋にすごいですね……。

坂崎:単純計算で年100本ずつやっても、30年かかりますから。僕らは今も年間60本くらいやってますけど、それでも多いって言われますからね。「70歳のスケジュールじゃない」「30代のバンドだろ!」みたいな(笑)。

高見沢:長く続けるためにも、今後は少しずつ本数を抑えていくことも考えてますけど、まずは3000本を達成してからですね。

※1:https://realsound.jp/2023/06/post-1339719.html

■リリース情報
Double A-Side Single『KO. DA. MA. / ロマンスが舞い降りて来た夜』
発売中

<収録曲>
M-1. KO. DA. MA.
M-2. ロマンスが舞い降りて来た夜
M-3. BONUS TRACK(未定)

<形態>
・初回限定盤A:TYCT-392407/1,210円(税込)
・初回限定盤B:TYCT-392417/1,210円(税込)
・初回限定盤C:TYCT-392427/1,210円(税込)
・通常盤:TYCT-30147/1,210円(税込)
※初回プレス分封入特典:フォトカード(形態別/全4種類)

THE ALFEE 50周年記念トリビュートアルバム『五十年祭』
2024年8月14日(水)発売

TYCT-60232/3,300円(税込)

<アーティスト/収録曲>※アーティスト50音順 ※敬称略
・打首獄門同好会「メリーアン」
・氣志團「風曜日、君をつれて」
・坂本冬美「COMPLEX BLUE -愛だけ哀しすぎて-」
・スチャダラパー「木枯しに抱かれて…」
・SEX MACHINEGUNS「鋼鉄の巨人」
・TUBE「星空のディスタンス」
・Chilli Beans.「シンデレラは眠れない」
・東京03「My Truth」
・怒髪天「さすらい酒」
・西川貴教「恋人達のペイヴメント」
・宮野真守「サファイアの瞳」

THE ALFEE オフィシャルサイト:https://www.alfee.com/
TikTok:https://www.tiktok.com/@the_alfee_official
Instagram:https://www.instagram.com/the_alfee_official/

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