ポルカドットスティングレイ、活動休止の危機 活動が停滞していった2年間に何が

 ポルカドットスティングレイの動向に注目が集まっている。もっと明確に言えば、「ポルカ、これからどうなるの?」「本当に大丈夫? ちゃんと活動続くんだよね?」という不安がファンの間で渦巻いているのだ。

 ファンがザワザワしはじめた直接的なきっかけは、7月上旬に東名阪で行われた対バンライブ(『#ポルカVS~お世話になった先輩を殴りに行く~』)における雫(Vo/Gt)のMCだった。最後の曲「ラブコール」(雫が初めて自分の気持ちを歌った曲だ)を演奏する前、彼女はフロアを埋め尽くした観客に向かってこんなふうに語り掛けた。

 ここ2年くらい、バンド的に良くないことが重なり、活動に支障が生じていたこと。雫自身は必死で仕事を続けていたが、心身のダメージが増えてしまい、「もう無理かも」と感じたこと。そんなときにメンバーや新たに加わったスタッフが助けてくれて、「休んでいい」という言葉を授けてくれたこと。改めて周囲の人たち、ファンの人たちに支えられている自分を実感したことーー。

 珍しく、感情を強く滲ませながら一気に語った雫は、さらに言葉を重ねた。

「このツアーで、ポルカドットスティングレイの第1章を終わろうと思ってます」

 対バンツアーの終了した7月14日には「おやすみ」という各メンバーのポストを最後にX(旧Twitter)のアイコンが変わり、これまでのポストが一気に消去された。直後からSNS上では「つまりガチ休止(?)」「え、え、ポルカになにが起きるの」「第1章の終わり?急やん」、さらに「解散だけは勘弁してくれ」「実は解散です!ってさすがに無いよね?」と最悪の事態を心配するコメントが飛び交うも、バンド側からはまったくアナウンスがない。一方でバンドのオフィシャル・アカウントには“卵”のアイコンと数字(1日ずつ減っていくカウントダウン形式)が表示され、20日には突然雫のXアカウントから「上出来でした。」という文字とともに過去のMV映像が流れ、最後に数秒コインランドリーのような背景に切り替わる謎の動画が投稿されるなど、何やら今後の動きを匂わせる仕掛けも施されている。

 振り返ってみると、ここ最近のポルカドットスティングレイはかなり停滞気味だった。2022年5月に千葉・幕張メッセでワンマンライブ『ポルフェス57 “幕張メッセワンマン”』を開催し、9月にメジャー4thアルバム『踊る様に』をリリース。10月から2023年3月にかけて全国ツアーを開催……とここまでは順調に見えたのだが、その後は新曲のリリース、ライブを含めて、目立った活動はほとんどなかった。気が付けば「リドー」以来、実写のMVも発表されていない。

 2015年に現在のメンバーが揃い、2017年に1stフルアルバム『全知全能』でメジャーデビューを果たしたポルカドットスティングレイ。その後も凄まじいリリースペースと精力的なライブ活動を継続し、バンドシーンのど真ん中で活躍してきたことは邦ロック好きなら誰もが知っていることだろう。バンドにおける雫の役割はきわめて大きく、楽曲制作から映像やデザイン、活動全体のプランニングに至るすべてを彼女が担っていた。メンバーのエジマハルシ(Gt)、ウエムラユウキ(Ba)、ミツヤスカズマ(Dr)は揃って優れたミュージシャンであり、彼らがいなければバンドが成立しないのは言うまでもない。しかし、雫が動かなければバンドが止まってしまう以上、彼女に大きな負担がかかっていたことも事実だ。

 ステージ上ではもちろん、メディアに登場する際にも常にパワフルで、まさにバンドの中心として突き進んできた雫。そのクリエイティビティの高さ、表現に対する熱量は周知の通りだが、先述したMCからもわかる通り、どうやらここしばらくは、彼女の創作意欲が存分に発揮できない様々な要因ーー雫自身にはどうにもできない類のーーがあったようだ。そうでなければ、雫がライブの場であんな弱音を吐くはずがない。

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