DA PUMP、キャリアを通して実現するダンスカルチャーへの貢献 パリ五輪“ブレイキン”で高まる「Pump It Up! 」への注目

 7月13日、旬な豪華アーティストが多数出演し、8時間に渡って放送された音楽特番『音楽の日2024』(TBS系)。同放送の中で特に盛り上がったのが、BE:FIRST、JO1、Snow Manらボーイズグループ/男性アイドルが集結し、ダンスバトルを繰り広げた特別企画。その中で最もキャリアの長いグループとして参加したのがDA PUMPだ。

 メンバーが「のびしろ」(Creepy Nuts)の創作ダンスを披露したほか、フリースタイルでSnow Manの佐久間大介とYORIがバトルをしたりと、視聴者を大いに沸かせた彼ら。現在のダンスシーンの礎を築いたベテランの貫禄、次世代にも引けを取らないストリート仕込みのダンスを見せつけたDA PUMPの姿は、SNSでも「リビングでクラブのSHOWCASEを見せてもらった」「ストリートで遊びながら踊っている感じでおもしろかった」と多くの反響が寄せられた。

ブレイキンの真髄を表現した最新シングル

 そんなDA PUMPが7月24日、38thシングル『Pump It Up! feat. TAKUMA THE GREAT』をリリースする。

【MV】Pump It Up! feat. TAKUMA THE GREAT / DA PUMP

 「Pump It Up! feat. TAKUMA THE GREAT」は、KENZOが公益社団法人 日本ダンススポーツ連盟(以下、JDSF)のアンバサダーを務めていることをきっかけに、JDSFブレイクダンス本部のブレイキングアンセムソングとしてタイアップされた。それゆえ、同楽曲のMVには、パリ五輪で公式種目として追加された「ブレイキン(ブレイクダンス)」に出場するShigekix、HIRO10、AYUMIのほか、JDSFの強化選手であるRIKO、ISSIN、yu_shinが出演。大活躍中のダンサーが日本にダンスカルチャーを広めてきた先駆者であるDA PUMPと共演を果たしたとあって、もうすぐ開幕するパリ五輪への期待感とともに、同楽曲は今じわじわと注目度が高まりつつある。

 地上波テレビでは、6月14日の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)にてShigekixとコラボする形で初披露。ほか出演アーティストもノリノリになるほどの盛り上がりをみせ、SNSでは「カッコいい」「最高にぶち上がった!」「ついカラダが動いてしまって興奮が止まらない」といった賞賛の声が上がっていたほか、中には「DA PUMPのファンクラブに入ってしまった」という具合に新規リスナーにも刺さったことが窺える。

 また、〈年齢、性別、国籍、宗教、全て飲み込みEvolution〉〈サイファー、囲めば垣根も越えていけるさ、Ya mind, body and soul〉〈Do it for “Peace” “Unity” and “Love”〉といった歌詞が象徴するように、同曲からは全編を通して「ダンスにはあらゆる垣根がない。みんな一緒に楽しもうぜ!」というポジティブなメッセージが、HIPHOPの強烈なフロウと共に伝わってくる。「Mステでみて中毒性すごくて見に来ちゃった」「これパリ五輪で流れるのヤバくない?」「歌詞の和訳を読むとさらにかっこよかったです」とDA PUMPの魅力を再認識する人も少なくない。

 ブレイキンは、1970年代に登場したストリート発祥のダンスジャンル。ダンサー、もしくはチーム同士が向かい合いながらダンスバトルを行うことが特徴で、パリ五輪でもDJのビートに乗せた1対1の対決が行われる。ウィンドミル、ヘッドスピン、タートルといった派手な技の応酬は、ダンスを知らなくても直感的に楽しめるキャッチーさがある。今では世界各地でダンス大会が開催されるなど、数あるダンスのなかでも特に人気が高く、2020年にパリ五輪の正式種目に決定した際も大きな話題を呼んだ。

 日本は世界的に見てもブレイキンの強豪国として知られている。今回代表選手となった湯浅亜実選手(AMI)、福島あゆみ選手(AYUMI)、半井重幸選手(Shigekix)、大能寛飛選手(HIRO10)はブレイキンの国際大会でいずれも優勝・受賞経験があり、今回のパリ五輪のメダル候補としての呼び声も高い。そういったパリ五輪への期待の高さも相まって、日本国内では“ブレイキン”という競技そのものに今まで以上の注目が集まっていると言えるだろう。

 そんな代表選手も出演する同曲MVは、冒頭の入り方からすでにかっこいい。イントロダクションの映像からカメラが切り替わってラップが始まると、不穏な音階のメロディとともに、腕組みをしてカメラをにらむメンバーが登場。ファッション、グラフィティを意識したデザインなど、細部にまでストリートカルチャーへの愛が溢れている。m.c.A・TとKO-neyによるブレイクビーツに乗せ、DA PUMPメンバーがブレイキンのフットワークを軽やかに刻み、TAKUMA THE GREATが颯爽にラップを披露。「アップロック」「ウィンドミル」「グライド」「スピン」など、歌詞に登場する技をメンバーやゲストダンサーが時に華麗に、時に豪快に決めていく様は圧巻だ。技の組み合わせによってバトルするブレイキンはダンサーの個性が見えやすいジャンルではあるが、改めて「ストリートダンスとはこんなにも多彩な表現ができるのか」と驚く場面がいくつもあった。そしてラストのサビはDA PUMPと五輪選手&ダンス界のトップランカーが一同に介してダンスを披露するのだが、こんなに豪華なメンツを見ることができるMVは他にないのではないだろうか。

 実際に「DA PUMPにはこのヒップホップ路線を守ってほしい!最近日本であまりいないから」「私が求めていたかっこいいDA PUMPが戻ってきた!」「メンバーが変わっても、形が変わっても、根本は変わらずにずっとやってきた彼らに敬意を表したい」といった既存ファンから絶賛の声が寄せられている。今作は非常にキャッチ—で聴きやすい楽曲となっている点も特筆しておきたい。HIPHOPはともすると重く響くビートが苦手になってしまう人もいるが、この楽曲は軽やかなビートがむしろ癖になるくらい聴き心地がよい。サビのアップロックはマネもしやすく、普段あまりHIPHOPやブレイキンに触れていない人が聴いても楽しめる一曲となっている。 

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