サカナクション 山口一郎、話題の配信活動で見せる人間性 うつ病と共に生きる“新しい自分”

 ロックバンド・サカナクションのボーカルギターでありソングライターである山口一郎の配信番組が話題だ。個人で開設したYouTubeチャンネルで不定期に行われている生配信は彼の人物像が垣間見える独自のコンテンツになっている。

 「サカナクション山口一郎の今夜も雑談中。」と題して行われているこの生配信は、近況報告や楽曲解説といった1人喋りが中心だが、時にスタッフやメンバーに電話を掛けてそのやり取りを視聴者に見せたり、「新宝島」に合わせて1人で大盛り上がりしながらコールを乗せたりするなど、山口の楽しげな様子を捉えている番組だ。視聴者のコメントにもこまめに反応し、リスナーと近い距離でコミュニケーションを図ろうとする姿も印象的だ。

 山口との距離を近く感じられるようなコンテンツは、2020年のコロナ禍を起点に生まれた。当時はインスタライブでパンデミックの不安をリスナーとともに共有したり、弾き語りなどを行なっており、「夜をのりこなす」を合言葉に精力的に配信を行っていた。これはライブ活動が行えなくなったサカナクション、ひいては音楽というカルチャーそのものを絶やさないためのアクションだったと考えられる。音楽のためであれば何事にも全力で向き合うのが彼の性格であり、譲れない部分なのだろう。

 そんな山口の誠実さや真面目さがサービス精神という形で表出しているのが配信コンテンツやテレビ番組『シュガー&シュガー』(NHK教育テレビジョン)、『サカナクションのNFパンチ』(スペースシャワーTV)におけるチャーミングな姿だ。山口のユーモラスな振る舞いはSNSを中心に話題を集め、ファン以外にも知られるようになり、”サカナクションの中心人物”という硬派なイメージをがらりと変えることになった。ミュージシャンとしての活動以外でも支持を集めたのは彼の親しみやすいキャラクターがあってこそだろう。

「サカナクションのNFパンチ」絶対歌える男 - 縄跳び編 -

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