PSYCHIC FEVER JIMMY & WEESA、真逆だからこそ刺激し合える関係 「Perfect」は積み上げてきたことが形に
TikTokで総再生回数が2億回を突破し、海外でも話題を呼んだ「Just Like Dat feat. JP THE WAVY」がYouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』に取り上げられ、先ごろ『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)にも初出演するなど、目下熱い注目を集めるダンスボーカルグループ・PSYCHIC FEVER。その中でも海外にルーツを持ち、ひときわ目を引く高身長コンビ、JIMMYとWEESAがデジタルシングル『Perfect feat. JIMMY & WEESA』をリリース。ユニット活動に至ったいきさつやこの2人ならではの“野望”についてなど、さまざまな角度から話を聞いた。(古知屋ジュン)
ライブで感じる「Perfect」の手応え
――グループでの『ASIA TOUR 2024 “HEAT”』で国内公演があらかた終了したところですが、感触はいかがですか?
JIMMY:僕や(中西)椋雅くんが楽曲制作をすることもあって、僕らが軸になって一つひとつの曲間のSE(音源)だったり、ダンストラックだったりを手がけさせてもらったので、自分たちがやりたいこと、見せたいものをリアルに音楽とダンスで直接表現できているんです。なので自分たちもやっていて気持ちがいいですし、お客さんから反響をもらえたときもすごく嬉しいので、ツアーを通していい時間が過ごせているなと心から思います。
WEESA:1年ぶりのライブツアーになるんですが、この1年は海外での活動を含め本当にいろんなことを学ばせてもらったので、その経験を少しは反映できているかなと思います。会場にも海外の方が来てくださったりしてお客さんの層が幅広くなったとも感じるので、みなさんが歌ってくれる曲、踊ってくれる曲、そういった反応を見ながら新鮮な感覚でツアーができていて、僕たち自身もめちゃめちゃ楽しんでいますね。
――そんなツアーの東京公演で初披露された「Perfect」をデジタルシングルとしてリリースされるということで。
JIMMY:事前情報を何も出さずにいきなりライブで初解禁したんですけど、自分たちもお客さんもすごくノレて手ごたえがありましたし、SNSで「JIMMYとWEESAの曲が楽しみ」と投稿してくださる方も多くて、すごく嬉しかったです。音源はまだどこでも公開していないので、そのリアクションはどうなのかな?とリリースまでドキドキしている感じですね。
――リリースはPSYCHIC FEVER名義ですが、パフォーマンスするときは2人なんですか?
WEESA:2人だけです。ツアーでは別の曲でステージに残っている僕がJIMMYくんを呼び込んで、1曲丸々2人だけでパフォーマンスする感じですね。
JIMMY:アッパーというよりはミドルテンポな曲だから、少しノリにくい部分もあると思うんですけど、自分たちもいろんな思いを込めてパフォーマンスしているので、熱くぶち上がるというよりは、シンプルに揺れつつもしっかり聴いていただけたら嬉しいなと思ってます。
――全編にわたって2人も出演しているこの曲のMVは都会の風景とクールなパフォーマンスが融合したスタイリッシュな仕上がりですね。お二人は同じEXPG名古屋校出身でお付き合いも長いとは思いますが、なぜこの2人でユニットをやろうという話になったんですか?
WEESA:もともとコロナ禍に入る前後くらいに、2人それぞれで曲を作っていて、お互いに聴かせ合っていたので「いつか2人で一緒にできたらいいね」みたいには話していたんです。
JIMMY:ひたすら僕がビートを作って、僕とWEESAをフィーチャリングみたいな感じで作った曲を自分たちのA&Rの方に送って、修正点を出してもらいながらいろいろ試行錯誤していたんですけど、今回たまたま2人でやる機会をいただいて。「せっかくだし、これまでにお世話になったクリエイターさんたちも呼びたいよね」と、「Temperture」などを提供して頂いていたineedmorebuxさんや、プレデビュー時期からいろんな楽曲でお世話になっているELIONEさん、Nvmbrrさんと共同制作させてもらった形です。
“パフェ”のようにクリエイターとのコミュニケーションを重ねてできた一曲
――クリエイターの方々との制作作業はどんな風に進めたんですか?
WEESA:通常はデモをオンラインでやり取りすることが多いんですけど、この「Perfect」に関してはスタジオに全員が集まって、ゼロの状態からコライトで作っていく感じだったので、まんべんなく全員の意見が入っていますね。
JIMMY:「まずサビから始まる形にしよう」と、キーワードになる〈Baby do you remember me?〉を作って、僕らは音楽家だから「“思い出に残る”といえば“曲”でしょ!」ということで〈2人で聴いてたあの歌みたいに〉とか、本当にそれぞれいいワードがひらめいたら、歌割も関係なく、組み合わせながら入れていった感じです。
――パズルを組み合わせるように。日本語の部分でも英語の部分としっかり韻は踏みつつ、〈身を粉にして~〉とか、こういう曲では出てこなさそうな表現も散りばめられていて、言葉遊びにインパクトがありました。
JIMMY:〈身を粉にして Griding〉は確かNvmbrrさんが出した案だったんですけど、「かっこいいからこのラインでは絶対これを使いたい!」という話になったんですよ。〈身を粉にして Griding〉から〈しても足りない何?〉と続けるような形で、付随して考えられる言葉で肉付けしながらどんどんバースを作っていきました。
――みんなで案を出し合って勝ち抜いた言葉でストーリーを作っていって。お笑いじゃないですけど、大喜利みたいなところがありますね。
JIMMY:ある意味、そうかもしれないですね。みんなに一番ウケた言葉がその場所に入れるっていう。
――座布団を獲得した言葉たちがこの1曲に詰まっているわけですね。トラックに関して、ジャージークラブのビートでというのは最初から決まっていたんですか?
WEESA:そうですね。ineedmorebuxさんがそのオーダーに合わせた候補を5曲くらい送ってくださって、どの曲がいいかなと考えたときに、第1希望だった曲が2人とも一緒だったんですよ。しかも一緒に作ってくださるELIONEさんやNvmbrrさんが「これがいいんじゃないか」と言ってくださったのも同じ曲で、満場一致で決まったその曲が「Perfect」になりました。
――リリック全体の方向性はどうやって決めたんですか?
WEESA:一番最初のフックの〈Baby do you remember me?〉が自然に曲のテーマになった部分があって、その言葉が出てきたことによって、まず「これはラブソングかな」みたいな流れになって。そこに肉付けしながら「こんなストーリーだよね?」というのをみんなで話し合いながら作ったら、こういう失恋ソングが出来上がった感じです。
JIMMY:最初から失恋ソングを書こうとしていたわけじゃないんですよ。基本は最初のトップライン(メロディ)から作るんですけど、宇宙語みたいな感じで歌ってみて「これはもう〈Baby do you remember me?〉一択じゃない?」となって。「〈Do you remember me?〉ってことは、もう別れてるよね」みたいな……そこから自分たちの経験なんかも思い出しつつ「こう表現すると、悔しい気持ちが出るかな?」とか、書きながらどんどん方向性が固まっていった感じですね。やっぱりELIONEさんとかはリリックに厳しくて「全体を通してストーリー性があるように」とか「自分の思い出ばっかり書いてても聴く人には伝わらないよ」とか、いろいろアドバイスをいただきました。例えば“あの夏が……”と書くとしたら、聴く人にも“あの夏”がわかるようにちゃんとその前後で説明したり、それをあえて韻で、しかも絶妙な感じで踏むようにとか。そうやって進めていくと「このラインでこう言ったから、次はこういうことを説明しなきゃいけないよね」みたいな自分たちの中でのルールづけみたいなものがどんどんできてきて、気づいたら「いい曲ができたじゃないか!」って。
――まさにジャケ写の中のパフェみたいな感じですね。パフェはアイスやフルーツだったり、一つひとつの素材が織りなすハーモニーで作り上げますしね。
WEESA:フランス語で完璧を意味する“Parfait”がパフェの名前の由来らしくて。
JIMMY:だから絶対パフェは「Perfect」のテーマにハマるよねっていうのと、あまり日本人が使わない表現なのかなとも思ったのでビジュアルに使いたいと思っていました。ストレートに人物を使うよりもパフェのほうがアイコニックだし、かわいいよね? ということでこの作品のキーになるかなと思って自分たちから提案して、ジャケットの真ん中に置かせてもらったし、リリックビデオの中でも最後にパフェの描写を使わせてもらったりしています。