MOONCHILD、切磋琢磨しながら鮮やかに輝いた5人だけの物語 活動終了迎えたグループの軌跡

 LDH所属のガールズグループ・MOONCHILDが、2024年4月末をもって活動を終了した。

 その知らせは、同月24日にグループの公式SNSやLDHの公式サイト上で突如発表され、同時にプロデューサー・ØMI(三代目 J SOUL BROTHERS)のコメントも公開。「MOONCHILDは、約1年という期間でしたがグループ活動に区切りを付けることになりました」というコメントに続き、「それぞれの人生についてなどをメンバー・スタッフと共に都度繰り返し話し合って」きたこと、「それぞれがチャレンジしたいことなど、人生の選択を考える様になり、5人の意思を尊重する結論」に至ったことなどが綴られていた。

 彼女たちのデビュー決定は、2023年2月(デビューは同年5月)。約1年間という活動期間はあまりにも短く、正直に言って不完全燃焼な感触は否めない。しかし、その短い期間の中でも、彼女たちが見せてくれたハイレベルなパフォーマンスと成長し続ける姿、そして各々の個性を武器にして輝きを増す様は、見る者にたくさんの感動と勇気を与えてくれた。本稿にて、MOONCHILDの楽曲やメンバーのパフォーマンスを振り返りながら、5人が残した軌跡を記しておきたい。

 MOONCHILDは、男女総エントリー約4万8000人というLDH JAPAN史上最大規模で開催されたオーディション『iCON Z ~Dreams For Children~』のガールズグループ部門で合格した5人組で構成されており、HYBE LABELS JAPANとの共同プロデュースのもと、“世界を目指すガールズグループ”としてデビューを果たした。

 同オーディションの模様は、男性部門も含め、2021年10月から2023年3月にかけて『~夢のオーディションバラエティー~ Dreamer Z』(テレビ東京系)にて密着放送されており、同じ夢を追いかけながら切磋琢磨し、時に挫折を味わい、涙しながらも成長していく候補生たちの姿は、多くの視聴者の感動と熱狂を呼んだ。

「iCONZ」ガールズグループ部門~finalmission~世界を目指す5人組グループが誕生!しかし予想外の結末に⁉︎/Dreamer Z # 46〜Special Edition〜

 2022年9月の放送でデビューを掴んだ合格者が明らかになると(当時は7人)、2023年2月にはグループ名がMOONCHILDであることが発表され、同年5月には1st EP『DELICIOUS POISON』でデビューを果たした。東京・豊洲PITでのデビューショーケースとリリースイベントを開催すると、6月には韓国で開催された『2023 Weverse Con Festival』、8月には『お台場冒険王2023 SUMMER SPLASH!』内の「めざましライブ」、9月には『Rolling Stone Japan LIVE 2023』など、フェスやイベントにも続々と出演。11月にはTVアニメ『七つの大罪 黙示録の四騎士』(TBS系)のエンディングテーマを表題曲とした2nd EP『Friends Are For』をリリースするなど、精力的な活動で全国にファンを増やしてきた。

 そして、5人のメンバーについて。RUANは、オーディション時からずば抜けた実力を評価されてきたメンバー。歌・ダンス・ラップすべてのスキルが高く、常に周りをリードしてきた。また、日本語・英語・韓国語・中国語を話すマルチリンガルでもある。天才肌でありながら音楽に対する情熱が人一倍強く、オーディションでは「音楽は自分に違う世界を見せてくれた」「自分も人に勇気を与えたり、人の心を助けるような歌を歌いたい」と語る場面も。2023年8月より休養しているため、RUANがMOONCHILDとして活動したのは短い期間ではあったが、その中で見えたストイックでまっすぐな姿に感銘を受け、勇気をもらった者も少なくないだろう。

 MIRANOも、オーディション時からマルチに活躍するオールラウンダーとして評価が高く、デビュー後は勢いのあるラップで、MOONCHILDのパフォーマンスにエネルギッシュな要素を与えてきた。大きな瞳がチャームポイントで、無邪気な雰囲気でメンバーとふざけ合うオフショットが注目されることも多かったが、パフォーマンスでは好戦的な表情や悪っぽい雰囲気をまとう場面も多く、その表現力の高さは多くのファンの心を掴んでいた。

 UWAは、プロダンサーの経歴も持つ卓越したダンススキルの持ち主で、オーディション時からダンス面で周囲のレベルアップに貢献してきた。グループの中でも特に大人っぽく、隙のない凛とした雰囲気をまとうメンバー。甘くセクシーな声で表現するラップは中毒性が高いスパイスのようで、各楽曲に艶っぽさやフェミニンなムードを加える役割を担っていた。

 ANRIは、個人的な感想になってしまうが、オーディション時から現在までの間で、最も印象が変化したメンバーだと思う。オーディション中はRUANと自分を比較して自信を失い、涙する場面もあったが、終盤はトップ争いをする関係性になり、結果として同じグループのメンバーとしてデビューするまでに。また、バレエの経験で培った、しなやかなダンスと清楚な雰囲気は元々の大きな魅力の一つだったが、デビュー後は小悪魔的な表情や挑発的な仕草など、攻めの表現で新たな一面を見せてくれた。

 HANAは、歌唱力で圧倒的な評価を得てきた、MOONCHILDの歌姫。伸びやかで美しくありながらも、切なさや悲しみが感じられる唯一無二の歌声が最大の武器である。オーディション時はダンス経験のなさがネックになる場面も多かったが、レッスンを重ねることで他のメンバーと比較しても見劣りしないまでに成長し、持ち前の華やかさでステージを彩ってきた。オフの場面では変顔を見せたりメンバーとふざけたりと、グループ内のムードメーカー的な存在でもあった。

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