EXILE B HAPPYは子どもたちにとっての“ヒーロー”に 思い出の曲と共に紡いでいく夢
浦川がDJ Sho-heyとして、GENERATIONSの「HELLO! HALO!」やTHE RAMPAGEの「ROLL UP」などをプレイし、会場を盛り上げていたことも「WON'T BE LONG」への助走であったが、その後にテーマソング「MANDY MAN」をバックにメンディーマンが登場したことは最もヒーローの象徴と言える存在だったかもしれない。その相手はEXILE NESMITH扮するデビル・ザ・ネスミス。DJ Sho-heyのDJ卓を故障させ、子どもたちの元気を奪った悪者をメンディーマンが退治するというストーリーだ。『おはスタ』(テレビ東京系)内で放送されていたアニメ『KICK&SLIDE』の主題歌「KICK&SLIDE」では、サポートダンサーを含めた総勢33名によるパフォーマンスで、デビル・ザ・ネスミスを撃退し、勝利の証として「Y.M.C.A.」を舞い踊る。会見ではNESMITHの友情出演に関してTETSUYAが「ストーリーの軸になってる」と話していたが、確かにオープニングで紙芝居を読んでいたのはNESMITHであり、ほかにもメドレー内の「Going Crazy」や終盤の「銀河鉄道999」にも登場。昨年8月のお披露目イベントでも声のみながらNESMITHが参加しており、EXILE B HAPPYには欠かすことのできない存在になっている印象だ。
セットリストは、5月5日のこどもの日にリリースの1stシングルから表題曲の「MORNING SUN」と「BE HAPPY」を含めた全18曲を披露。「日頃から頑張る人への応援歌」としてすでにアンセムと化している「MORNING SUN」、浦川と関口のラップが炸裂する「BE HAPPY」はもちろん、メンバーの思いが詰まったレアなパフォーマンスもあった。特筆すべきが、EXILE第1章の楽曲「Kiss you」だ。TETSUYAは橘ケンチと一緒に初めてEXILEのライブを観に行った際、キッズダンサーとともに「Kiss you」を歌唱していた光景が、EXILE B HAPPYを結成するきっかけ、イメージになっているという。それを具現化したのが、今回初披露となったキッズダンサーたちとの「Kiss you」。同時に小森にとっては10歳の時にオーディション受けて落ちてしまった悔しい思いのある曲であり、今回は19年越しにその雪辱を晴らすステージとなった。小森は会見で「悔しい思いもいつしか夢に変わっていく瞬間」だと感慨深そうに話している。
吉野と中島による「Yell」の初歌唱も特別なステージとなった。それは吉野がオーディション時に歌った曲でもあるからだ。〈この夢がまた一つ今日もほら僕を変えてゆく〉というラストのフレーズが示す通りに、幼いながらにも聴いている子どもたちの背中を押してあげられるようなメッセージが伝わることを願いながら吉野は歌声を届けていく。さらに、「掌の砂」は、木村がキッズダンサーだった頃に、『EXILE LIVE TOUR 2010 FANTASY』でTETSUYAの横で踊っていた思い出深い楽曲だった。
それぞれの過去が今に繋がっていることを体現するステージ。観ていた500人の子どもたちにはEXILE B HAPPYの7人やキッズダンサーたちのパフォーマンスがどのように映ったのだろう。今回のライブで観た光景がいつしか彼ら、彼女たちの憧れや夢に変わっていき、未来へと繋がっていく――そんな夢を紡いでいく存在にEXILE B HAPPYはあるのだと感じた。
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