【EXPG STUDIO対談 Vol.03】U-GE×EXILE MAKIDAI、ダンスの楽しさを教える意義 出会いやNY留学も振り返る

インストラクターの極意 ダンスの本質は「Yeah!」になれること

――U-GEさんは、どういう経緯でEXPGに関わることに?

U-GE:その前からいろんなダンススクールでインストラクターをやっていたんですけど、2013年頃にEXPGの職員をやっていた人から「インストラクターやりません?」って声をかけてもらって、「やるやる」っていう軽いノリで始めました(笑)。初めの頃は社員じゃなくて、EXPGはインストラクターとして掛け持ちしているダンススクールの1つって感じでしたね。でも、2013年にÜSAが主催している舞台『DANCE EARTH ~生命の鼓動~』に出させてもらって。2年連続で出演させてもらう中で、EXPGの会社にも入れてもらうことになりました。

MAKIDAI:俺、『DANCE EARTH』でうっさんとU-GEちゃんが2人で踊ってるシーンが好きなんだよね。さんざんダンスの上手い人たちが出た後に、満を持して“ダンスの神様”として自分がゲスト出演する時はかなり緊張した!(笑)

――鋼のメンタルをお持ちなんですね(笑)。

MAKIDAI:今の話で思い出したんですけど、U-GEちゃんからのアドバイスで印象的なのは、自分がダンスフロアでノリきれずにバトルに出られない時があって。でもその気持ちをU-GEちゃんに打ち明けたら、「とりあえず、クラブに入ったら頭ぶん回して、ドレッドぶんぶん振ったら、そのうち良い感じになるんじゃない!?」って言われて(笑)。「そっか、あんまり考えないほうがいいんだ!」って、前向きになれました。

U-GE:俺、頭悪そうなこと言ってるな(笑)。

MAKIDAI:それは正直、否めない(笑)。良い意味で。ただ、今振り返ると、U-GEちゃんの豪快な性格にたびたび救われてたなって思います。

――U-GEさんのそのポジティブマインドは、EXPGのインストラクターとして生徒に接する際にも心がけていることなんですか?

U-GE:そうですね。生徒だけでなく、今はプロチームのサポートもしていたりするんですけど、プロダンサーでも人間関係などで追い詰められる場面が多々あるので、そういう時は、自分が率先して明るくするしかないなと。

――他にインストラクターとして心がけていることや、教える難しさを感じるポイントがあれば、そちらもお聞きしたいです。

U-GE:インストラクターは、身体だけではなく、言葉にして伝えないといけないっていう難しさがありますね。さすがに今はもう、数十年教えてきているので、自分なりのやり方が見つかりましたけど、インストラクターを始めたばかりの頃は、自分が伝えたいことを上手く言葉にできなくて苦労しました。これは僕だけじゃなくて、インストラクター全員が通る道だと思います。

MAKIDAI:わかる。自分(教える側)のダンスを見て察知して、その子(生徒)なりに解釈して動いてもらえたら、一番いいなと思うんですけど。いきなりは無理なので、教える側は「こうやって動いてもらうためには、こういう言葉で表現したら伝わるかな?」って考える必要があるのかなと思います。

U-GE:その上で見つけた僕のスタイルは、楽しい雰囲気を作った中で、対面している人に寄り添うこと。そもそも「俺が先生だぞ!」って上から教えるような人は少なくなっていると思うんですが、そういう態度をとっていると教える側も教わる側もやりづらいので、まずは楽しい雰囲気の中でレクチャーしていけたらいいなと思っています。

MAKIDAI:スキルを教わる過程では、上手くいかないことや苦しいこともあるかもしれないけど、最初は「楽しい」って気持ちから入ってほしいよね。楽しみながら得た経験と、楽しくないなと思いながら得た経験では、全然意味が違ってくるし、やっぱりダンスの本質は「Yeah!」になれることだから。U-GEちゃんのイントラのスタイルにも、そういう想いがあるんだろうなって思いました。

――ちなみに、MAKIDAIさんは16歳の時に、HIROさんがインストラクターをしていたダンススタジオに通っていたそうですが、当時のMAKIDAIさんも、そういった楽しい雰囲気の中でダンスを学んでいたのでしょうか。

MAKIDAI:まさにそうですね。ダンスを始めたばかりで初心者コースに通っていた自分にとって、HIROさんはTVにも出演している雲の上の存在だったんですが、そんな自分にも、HIROさんは「良い感じだから、金曜日の上級者コースも受けてみる?」って気さくに話かけてくれていて。気にかけてくれたことがすごく嬉しかったですし、「HIROさんがそう言うなら、上級者コースでも頑張ってみよう!」ってモチベアップしてました。だからこそ自分も、あの頃のHIROさんやU-GEちゃんと同じように、ダンスレッスンをする時は気さくに接するようにしたいです。

U-GE:でも、あの頃の先輩ダンサーの方々は、気さくなだけじゃなくて、みんな存在感がすごかったよね。言動がカッコよかった!

MAKIDAI:直前までHIPHOPをチャキチャキ踊ってたHIROさんが、ふざけ半分で「ロマンチックな曲をかけてやるよ」ってバラードの「Baby Don't Cry」をかけて踊り始めた時は「うわ、カッケェ~!」って思った(笑)。

U-GE:それは「大人だぁ~!」ってなるね(笑)。

――今ではU-GEさんも、EXPG生からそういうふうに思われているのでは?

U-GE:いやいやいや……(照)。

MAKIDAI:照れてる(笑)。最近、U-GEちゃんはWOLF HOWL HARMONYのダンスレッスンもやってるんですけど、他の所属の子も「自分もU-GEさんのレッスンを受けたいです」って言ってるし。EXPG生だけでなく、プロデビューしてる子たちにとっても、U-GEちゃんは憧れの存在ですね。

――元教え子で印象的な方はどなたですか?

U-GE:EXPGに入社してからの教え子に当たるとすれば、FANTASTICSのメンバーですね。彼らはみんな良い子だし、今でも会うと気さくに話しかけてくれます。それ以外で印象的なアーティストは、THE RAMPAGE。2014年にランぺがデビューに向けて動き始めて、当時の僕は入社したばかりで、LDHのアーティストのことが全然わからなかったんですけど、『武者修行』に同行することが決まったんです。「いきなり1カ月家に帰れないぞ!?」っていう(笑)。

MAKIDAI:こっちはこっちで“武者修行”が始まったんだ(笑)。

U-GE:そうそう。でも、『武者修行』に同行したことで、LDHの考え方やシステムを身をもって知ることができましたし、アーティストがどう育っていくのかもわかったので、すごく良い経験になりました。

――では最後に、今後のEXPGに期待することや、EXPGを通してこれから力を入れていきたいことを教えてください。

MAKIDAI:今のLDHにはEXPG出身のアーティストがたくさんいます。それこそJr.EXILE以降の世代は、ほぼ“MADE IN EXPG”だと思うんです。そして、そんなアーティストに憧れて、EXPG生として努力を続けている子たちがいる。この夢の連鎖こそ、LDHが提唱する“Love, Dream, Happiness”だと思うので、今後も継続していけたらいいなと思っています。それと、EXPGを生徒一人ひとりが“自分らしさ”を活かせる場所にしたいですね。もちろん、綺麗に踊るとか正確に踊るっていうベーシックも大事ですが、ダンスを教わるだけでなく、生徒が自発的に「自分はこういうダンスが好きだから、こういうことをやってみたい」って言えるようなEXPGになっていったら、“MADE IN EXPG”なんだけど、オリジナリティのある華やかなアーティストが生まれていくんじゃないかなと期待しています。

――U-GEさんはいかがですか?

U-GE:アーティストを育てるという意味でのスタジオ業も変わらずあると思いますが、インストラクターを育てたりとか、ダンスを通した社会貢献の事業にも、さらに力を入れていきたいですね。シンプルに言うと、子どもたちがダンスに触れ合いながら元気に育ってくれればいいなと!

MAKIDAI:そうだね。子どもたちが元気に育つ=明るい未来ですから。TETSUYAも日本各地でワークショップをやってますし、昨年はEXILE B HAPPY(EXILE TETSUYA、関口メンディー、小森隼、吉野北人、浦川翔平、中島颯太、木村慧人による音楽グループ)も始動しましたけど、そういった子どもたちが元気に育っていくための場を、EXPGとLDHアーティストが協力して、たくさん作っていけたらいいなと思います。

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