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ガラクタが捉える、現代を生きる若者たちの心の機微 10~20代中心に支持を広げる2024年注目バンド
3曲目は「貴方依存症」。〈貴方の為になりたい 願わくば、貴方とダメになりたい〉、〈瞼の裏でも会うたび恨んでも 貴方こびりつき剝がれてくれないの〉という危うい心理が“貴方依存症”という病気による症状だと医者から診断されるという、ストーリー性のある楽曲だ。
4曲目の「見栄っ張り」は、SNSでのキラキラした投稿とキラキラしていない自分自身の生活を対比させた楽曲。スマホをいじっているうちに日曜が終わっていた……という経験は多くの人にとって心当たりのあるものだろう。〈いつもより早い雲の流れに怖くなって画面を眺める誰かのストーリー〉というフレーズからは2020年代ならではの文学性を感じた。
「貴方依存症」「見栄っ張り」に関しては、“自分自身をもっと大切に”というメッセージを結論に持ってきている。また、「見栄っ張り」は、はるがこのバンドで初めて書いた曲で、自分を励ますためにそういった歌詞を書いたそうだ。スマホ一つで好きな人や友達の動向を追うことができるのは便利だが、一方で、不安や嫉妬などネガティブな感情も増幅されやすいこの時代でどう生きていくべきか。そのためのヒントを彼ら自身も探しているところなのだろう。
恋愛やSNSを取り巻く様々な感情に惑わされながら生きるいち個人として、同じような悩みを抱えているであろう“あなた”に寄り添い、肯定する意思を感じさせる音楽は、リスナーにますます愛されていくことだろう。そしてこの先キャリアを重ねていく中で、バンドからどのような音楽が発表されるのかが楽しみだ。
※1 https://2youmagazine.com/interview/garakuta/