稲垣吾郎・草彅剛・香取慎吾、独自のプロデュース観とブレない姿勢 3人が第一線で活躍し続ける理由
香取の話を横で聞きながら、稲垣も「人に興味がないんだよね」とぽつり。さらに、草彅も「いやあ、無理ですね。なんかわかんないですね、人にどう言っていいのか」と、こちらもブレのない回答にスタジオからも笑いが起こる。そう、この「ブレない」と思わせるだけのキャラクターを築き上げたのは、他ならぬ彼ら自身。
たしかに、もともとは集められて方向性を決める人がいたところからのスタートだった。だが、ここまでそれぞれの個性を発揮することができているのは、自分自身が何をしたいのかを見極め、厳しくとも突き進んできた道のりがあったからではないか。もちろん、その時の時代の流れや、人との出会い、チャンスをものにする運の強さなど、さまざまな不確定要素もあるが、それでもその根幹に自分が自分らしくあろうというセルフプロデュース力があったからこそだと思うのだ。
きっと彼らが自分自身の考えを貫いてきたことに対する想いやプロセスについて話すことはできても、同じように誰かを活躍させることは難しい。たとえば、稲垣のようにワインや植物、カメラに音楽といった好きなものを突き詰めることは誰かに言われてできるものではないし、草彅の憑依型と呼ばれる演技もそうだ。もちろん、香取の広い視野とその場にかける集中力も。だからこそ、唯一無二の存在感を放つ国民的アイドルとして長く活躍できているのだ。
とはいえ、そんな彼らの生き様をヒントにしたいという若手エンターテイナーは多いはず。グループ全体のプロデュースという形ではなくとも、楽曲やステージ、舞台、映像など、3人がこれまで培ってきたことがエッセンスとなる作品を新たな才能と共に作るという展開はできるのではないだろうか。その制作過程や完成した作品から、3人それぞれの異なる価値観や美意識、表現者として大切にしていることがさらに鮮明に浮き彫りになっていく予感がする。その様子を、ぜひ『ななにー』を通じて見てみたいものだ。
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