ざきのすけ。“未完成”を肯定する優しさ 過去を乗り越えていく『七つの大罪』にもリンク

 TVアニメ『七つの大罪 黙示録の四騎士』(TBS系)第2クールのエンディングテーマである「未完成」が今話題となっている。本曲を歌っているのは、シンガーソングライターのざきのすけ。だ。

 ざきのすけ。は北海道出身の23歳。小学生からドラムを始め、中学時代にはバンドでギターボーカルをやりつつ、ラップや曲作りもするようになる。2021年にはYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」が次なる才能を探す一発撮りオーディションプログラムのファイナリストに選出され、2023年にメジャーデビューを果たした。懐かしくも新しい世界観を創出することが彼の音楽の特徴のひとつとなっている。

 メジャーデビュー曲「彼は誰どき」は、ドラマ『合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~』(フジテレビ系)の主題歌に起用された。本曲では、ドラマの主人公となる探偵ふたりが葛藤を抱えながらも人々を救っていく様子を表現する一方で、北海道から上京してもがくざきのすけ。自身にもリンクさせている。そんな世界観に合わせたサウンドとリスナーの記憶に残る歌唱力で、ドラマの予告映像で本曲が流れたときから「歌ってるのは誰!?」と話題になり、視聴者からも絶賛の声が上がっていた。

ざきのすけ。 / 彼は誰どき Music Video

 メジャーデビュー後はラップを取り入れつつ夏に向けた高揚感を歌ったアップナンバー「ヒートアイランド」や、当たり前の幸せに気づかせてくれる心温まるミディアムバラード「オレンジ」をリリース。影響を受けたアーティストに東京事変や鎮座DOPENESSを挙げる彼は、R&B、ヒップホップ、ロックなどあらゆるジャンルの要素を織り交ぜた曲を届けてきた。曲ごとに巧みに表情を変える歌声も印象的で、その引き出しの多さにも驚かされる。

ざきのすけ。 / ヒートアイランド Music Video
ざきのすけ。 / オレンジ Music Video

 リリースを重ねるごとに熱い注目を集めているざきのすけ。だが、そんな彼の最新シングル曲が「未完成」だ。困難な道のりでも仲間と力を合わせることで、光のある方に向かっていける様を描いたミディアムバラードとなっている。

 エンディングテーマとなっているアニメ『七つの大罪 黙示録の四騎士』は、『七つの大罪』の正統続編。心優しき少年パーシバルが、ドニー、アン、ナシエンスといった仲間たちと一緒に旅を進めていく冒険ファンタジーだ。パーシバルは自分の父親であるイロンシッドによって一緒に暮らしていた祖父バルギスを殺されたり、ドニーは聖騎士を志すことをあきらめたことがあったりとそれぞれが辛い過去を抱えているが、仲間と力を合わせて目標に向かって突き進んでいく。〈どれほど遠く/険しい道だとしても/遠のいた光よりも/僕自身が/誰かの光であるために/もう一度/この身を 燃やし尽くして〉という歌詞も、まさにその様子を描いているのだろう。また、『七つの大罪 黙示録の四騎士』は前作の聖戦終結から16年後の世界を舞台としていることも〈繋いだバトンが/託しあって/燃ゆる命のまたたきが/青く、/この惑星を 照らす時まで〉という部分とリンクする。さまざまな出会いを繰り返し、楽しい思い出も辛い出来事もすべて胸に刻みながら道を切り拓いていくことを描いた曲に仕上がっている。

TVアニメ『七つの大罪 黙示録の四騎士』第2クールノンクレジットエンディング/EDテーマ「未完成」ざきのすけ。

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