ME:Iメンバー紹介第10回:海老原鼓 ファンと楽曲に真摯に向き合うグループの歌姫
オーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』(以下、日プ女子)から誕生した11人組「ME:I」(ミーアイ)。
先日、『ViVi 2024年4月号』(講談社)通常版の表紙&カバーストーリーに抜擢されたことが発表されると、各種ECサイトでは売り切れが続出。デビュー前から、一目置かれている存在だということを改めて世間に知らしめた。
そんな勢いを増し続けているME:Iから、今回は最終順位10位でメンバー入りを果たした歌姫・海老原鼓をピックアップ。オーディション期間中の活躍と、グループの一員として、どのような魅力を発揮してくれるのかを考察したい。
そんな彼女の歌声といえば、天高く突き抜けていくパワフルさが魅力である。オーディションが始まると、まず視聴者を驚かせたのは番組の冒頭で行なわれたレベル分けテストでのこと。韓国の5人組ガールズグループ・ITZYの「WANNABE -Japanese Ver.-」では、海老原の歌割りになった途端、ボーカルトレーナーのイ・ホンギが「なになに?」と驚愕するほど、その場の空気を一変させた。さらに「1曲歌ってくれますか?」とリクエストされ、あいみょんの「愛を伝えたいだとか」をギターを片手に弾き語りすると練習生、トレーナーからは「上手……」という言葉が漏れ出す場面も。
海老原の代名詞は、なんと言っても歌だ。すでに紹介した高見文寧、飯田栞月と共にボーカルラインとしてグループを引っ張っていくことは疑う余地もない。
この2曲の歌唱、改めて見返してみると微妙に異なる魅力があるように思える。「WANNABE -Japanese Ver.-」では、ハードなダンスを踊りながらも、ブレることはなく、しっかりと地盤を固めたような安定感で高音を出しているのに対し、「愛を伝えたいだとか」ではアクセントをつけるべきところと、それに入る前の助走部分で声量の緩急をつけているのだ。
もちろん、彼女のボーカルのバリエーションの魅力はこの2曲に限らない。海老原はグループバトルではSPEEDの「Body & Soul」をポジティブに、ポジションバトルでは安室奈美恵の「Hero」を力強く歌唱していた。いずれの楽曲も、突き抜けるようなハイトーンボイスを余裕のある表情で、気持ちよさそうに歌っている表情が記憶に残っている。
つまり海老原の魅力は、ただ単に高音が綺麗に出せること、スキルがあることだけではない。毎度、曲のコンセプトをきっちりとキャッチし、自分なりの解釈で歌、パフォーマンス、表情に落とし込む姿で、ファンを楽しませてくれるのも魅力なのである。