「UniteUp!」ユニットセンター鼎談 戸谷菊之介&助川真蔵&masaが語る、“多次元アイドル”の可能性

 多次元アイドルプロジェクト「UniteUp!」が、2月14日に初のEP『ELEVEN』をリリースする。

 これまでもテレビアニメ、ライブ、イベント出演と様々な活動を重ねてきた「UniteUp!」。昨年アニメ2期制作決定が発表され、今年4月には二度目の単独ライブも控えている。声優としての演技・歌唱のみならず、キャスト本人たちの魅力や才能を引き出す多次元アイドルプロジェクトとして、注目度が上がり続けているコンテンツだ。

 今回は、PROTOSTARから清瀬明良役・戸谷菊之介、LEGITから高尾大毅役・助川真蔵、JAXX/JAXXから春賀楽翔役・masa、という各ユニットのセンターを務める3名にインタビュー。終始和やかな空気で、EPに収録された新曲を中心に、彼らにとっての「UniteUp!」とは、今後のプロジェクトについての展望も聞いた。(草野英絵)
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キャラクターとのシンクロも“多次元アイドル”の面白さ

――今回リアルサウンドでは初めてのインタビューなので、まずはあらためて演じているキャラクターについて、お一人ずつ紹介していただけますか?

戸谷菊之介(以下、戸谷):僕が演じる清瀬明良くんは、物語の中で成長して変わっていくキャラクターで。最初はアイドルというものに対して「ええっ! 僕が今からやるんですか!?」ってびっくりしながらやっていたと思うんですけど、やっていくうちにどんどん楽しい気持ちや、やりたいことが芽生えていくっていう子です。(二人に)どういう子ですか?

masa:1期の間にどんどん変わっていくよね。愛される能力がある。

助川真蔵(以下、助川):まずひとつ、純粋な子だと思う。あと、一見弱気な部分が描かれてることが多いけど、一個芯を持ってるよね。じゃないと多分、作中で(平井亜門演じるPROTOSTARの五十鈴川)千紘を助けに行こうとはならない。友達想いだなって思う。

masa:戸谷くんに似てるところがあって。それが「好き」に対して純粋なところ。明良くんも戸谷くんも、好きなものがあって、それに対してストレートに好きだって言える純粋さがあるなって。

戸谷:あ、それはそうかも。

masa:あと掛け合いからわかることもあるよね。

助川:確かに、ここ3人は(作中でも)絡みが多いもんね。

masa:アニメ1期では3人がメインの回もあったし、キャラ的に大毅と楽翔は成長を見届ける側ではあったじゃん。

助川:うん。明良の思いを受け取る側でもあったし。

戸谷:キャラクター的には、メンバーの中で一番共感しやすい子なんじゃないかなと思いますね。

助川:すごく等身大だよね。

戸谷:うん。明良くんはできないこともいっぱいあるし、しゅんってなっちゃうこともあって。周りの人たちの支えでがんばるところとか、自分を見ているかのようで心が痛いことも多いんですけど、その中でもしっかりとやりきる根っこの強さがありますよね。

masa:まずは(アニメ1期の)1話を観ていただきたいです。1話でグッとつかまれた方も多いと思います。明良くんのことを応援したくなる、すごく好きな話ですね。

戸谷菊之介

――助川さん演じる高尾大毅さんはどうですか?

助川:大毅はわかりやすく、猫みたいな子ですね。ストイックでもあるし、わかりやすくツンデレでもあるし。僕的には、関わっている時間が長いからこそ、彼が今までやってきたこと・現在やっていることと精神年齢が、ちょっとアンバランスかなと思っていて。パフォーマンスができすぎているからこそ、まだ精神年齢が追いついていない。だから衝突してしまったり、口が悪かったり。思いやりがあるはずなのに、うまく自分を伝えきれていない。そのアンバランスさも魅力の一つで、だからこそ演じていて難しいんです。でも僕も、自分のパフォーマンスと声優としての実力はアンバランスだと思っているので、そこを照らし合わせようという感じで演じています。そうすると少し演じやすくなったりして。でもそういうアンバランスさって、みんな何かしら持ってると思うんです。

 その差をつぶしていく作業が、僕にとってはアフレコだった。だから大毅が成長していく過程やメンバーとぶつかってしまう過程が、自分にも響きましたね。あとは、大毅は明良と楽翔との絡みも多かったので、この2人にも成長させてもらったのかも。LEGITのメンバー含め、全員そうですけど。特に印象的だったのは、野球のシーンや最後のライブに向けてのシーン。大毅が最後に一皮剝けたのは、楽翔と明良のおかげだったのかなと思います。

戸谷:あのシーン、良かったよね。アフレコ楽しかった!

masa:大毅くんは、愛とリスペクトがある子だなと思います。(斉藤壮馬演じるAnelaの大月)凛さんを真剣に一生懸命追いかけているからこそぶつかっちゃう、っていうところがかわいい。ビジュアルもすごくいいし、実力もあるし。

戸谷:完璧主義みたいなところもあるよね。

助川:最近はその辺が見えないんだよね(笑)。朗読劇とかミニドラマとか、かわいいところばっかり出てくる!

戸谷・masa:確かに(笑)!

助川:あの(初期の)大毅、どうやって演じてたっけ? ってなりそうなくらい(笑)。実は10話・11話あたりの途中から、大毅の成長に伴って気づかないくらいに声色も変えてるんです。その辺にも注目して観ていただけたらと思います。

助川真蔵

――続いて、春賀楽翔さんについて。

masa:楽翔くんはカリスマ性があるキャラクターです。ステージ上でのプロのアーティストとしての楽翔くんと、ステージを降りたときのギャップがすごくいいなって思います。いつも前向きでハッピーで「チャオッピー☆」って感じで、自分の歌を世界中に届けるっていう大きな夢を持っている。その夢に対してまっすぐなんですけど、大人な目線で物事を現実的に見ている一面もあって。一見子どもっぽいんですけど、掘れば掘るほど良さが出てくるのが楽翔くんだと思います。

助川:意外と俯瞰してるんだよね。

masa:そう。全キャラクターの中でも最年少なんですけど。

戸谷:そのギャップがいいよね。

助川:まだ掘っていないバックボーンに、それが出てくるのかな? 過去にジャズバーで歌っていたとか、上京してきた、とかそういう部分しか見えてないので、何かしらの苦悩があって達観してるのかな、って。それが「JOKER」に出ているのかもしれないし。

masa:うん。あとは台風の目……それこそ「STORM's EYE」みたいな感じで、楽翔くんが行動することで周りが動いていく。言葉も歌もそうなんですけど、楽翔くんが動くことでどんどん大きな輪になっていく、その中心になる人物だと思います。

戸谷:うん、それはもう圧倒的な楽翔くんのカリスマ性だよね。歌も本当にいいよね。

masa:(戸谷は)楽翔のことを、すごく好きでいてくれるんですよ。

戸谷:楽翔くんとmasaくんの歌声には、惹きつけられる何かがあると思う。

masa:ありがとう。楽翔くんはまっすぐで嘘をつかないところにも人間味があふれているから、みんなが好きになってくれたら嬉しいです。

masa

――多次元アイドルプロジェクトということで、キャラクターを演じることもあれば、ご自身の姿でイベントやYouTubeに出演されることもありますよね。ご自身とキャラクターとの関係性ってどういうものなんでしょう。他の作品とは少し違うのかなと思うんですけど。

戸谷:うん、確かに違うかも。

masa:全然違うと思う。

助川:オリジナルコンテンツっていうのも大きいとは思いますね。多少自分たちに似せてキャラクターを作ってくださったところもありますし。最初にスタッフさんにキャストそれぞれのパーソナルなデータを送っているんです。だから、キャラクターと誕生日が近い人とか……。

戸谷:出身地が同じ人がいたり。

masa:あと監督さんと面談があって、そこからキャストとキャラクターをリンクさせてもらっていたり。細かい部分で言うと、馬越(琢己)くんは昔バンジージャンプをよく飛んでいたそうなんですけど、(演じているキャラクターの)香椎一澄はバンジージャンプが苦手、みたいな繋がりがあったりするんです。

助川:結構細かい部分が繋がっているんですよね。利き手とかもそうだし。

masa:そうそう、だから掘れば掘るほど面白い。

戸谷:僕らがなにかを作ったり、演じたら、キャラに反映させてくれるような歩み寄りがあるよね。

助川:前よりもキャラクターとの距離が縮まった気もします。それは多分アフレコやライブ、ミニドラマなどを経て、どちらかが歩み寄っているのではなくて、自然と両方が近づいている感じ。

masa:僕と楽翔くんとの関係性としては、ライバルであり仲間であり、喧嘩も時々するって感じですね。

戸谷:へぇ!

masa:似ている部分があるからこそ、自分とは違う部分をうらやましいな、すごいなって思うこともあって。アニメの中のJAXX/JAXXはルームシェアをしていて家族みたいな関係ですが、実際のJAXX/JAXXのキャストもみんなでご飯に行ったり、バンド練習をしていたり、仲良しです。

――戸谷さんや助川さんはどうですか? お仕事で他のキャラクターを演じることもある中で、「UniteUp!」のキャラクターとの関係性はまた違いますか?

戸谷:全然違いますね。僕は明良くんを演じるとき、自分の感情表現と同じように演じているんですよ。自分だったらこう話すな、こう驚くな、こんな風に悲しくなるな、と思ってアフレコをしていたので、声の表現に関してはめちゃめちゃ“僕”だと思います。キャラクター設定としても、似ているところがたくさんありますし。

助川:僕もあまり(役を)意識していないです。逆に意識しすぎると(キャラクターが)言うことをきかないんですよ。意識すると、わんわん! って犬みたいに吠えるからさ(笑)。

masa:やっぱりみんなキャラクターと会話してるよね。

助川:うん、頭の中に居るんだよね。だから、「キャラクターが生きている」っていうのを一番身近に感じているのは僕たちだと思う。シンクロしているところが多いよね。

masa:それがこのコンテンツの魅力のひとつだと思います。それぞれにシンクロしているところがあります。でも、似ていない部分も多次元の魅力。両方楽しめるということです。

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