百田夏菜子は15年以上“太陽”であり続けた 人生の新たな一歩への大きな祝福の理由を考える

 もうひとつは、百田の天性の明るさだろう。百田は前述したように、リーダーに抜擢された時に強い抵抗感を示した。それは「目立ちたくない」という自身の性格ゆえだった。ただ、引っ込み思案であっても、やはり彼女特有の眩さは抑えきれるものではない。

 百田は以前から「すべてを照らす太陽のような存在」と言われてきた。「太陽とえくぼ」(2011年)はそんな百田のポジティブさを押し出した初のソロ曲。彼女のチャームポイントを題材にした同曲を聴くと、どんなことがあっても空を見上げれば“太陽=百田”がいて、いつも寄りそってくれていて、自分を笑顔にしてくれるように感じられた。

 モノノフの山里亮太(南海キャンディーズ)も1月12日、出演番組『Day Day』(日本テレビ系)で「百田さんは陽」「夏菜子ちゃんは僕が知ってる人間のなかでも、トップクラスの天真爛漫な人」「太陽みたいな子」と言い表していた。誰にとっても百田は“太陽”なのだ。

 2012年5月27日放送のラジオ番組『ももクロくらぶxoxo』(ニッポン放送)では、高城、玉井詩織、当時メンバーだった有安杏果は、百田の「最強なところ」として満場一致で「アホである」と挙げた。

 「気配(けはい)」の意味を「背中が化ける=化背(けはい)」と勘違いしていたこと。「機嫌(きげん)」を「気元(きげん)」と信じ込んでいて、「逆から読んだら元気」と説明していたこと。マレーシアの都市であるクアラルンプールへの遠征が決まった時には、水泳をする“プール”へ行くと思って「プールへ行くの? やった!」と喜んでいたこと。3人はもはや一周回って「天才」と舌を巻き、さらに「合ってるかどうかも確認しないのに、いきなりハイテンションで言ってくるから、それがまたアホでいいよね」(玉井)、「なんかハイテンションって罪だなって、夏菜子を見てるとね、本当に思う」(高城)とその天真爛漫さを誉めていた。

 どんなことでも明るさで「オールオッケー」にできるのは、百田の才能である。そしてそれは、アイドルに最も求められる要素でもある。15年以上ずっと“陽”であり続けてきたことが、今回の“結婚”を明るく受け止めさせた理由だったのではないだろうか。

 なにより、百田の結婚はまたひとつ、アイドルの人生のあり方に新たな価値観を芽生えさせた。結婚に正解も不正解もないが、彼女たちの選択がいろいろな可能性を広げたことは間違いない。その点で、彼女自身もそうだし、ももクロのメンバー、ほかのアイドルたちに今後どんな影響を与えるのか、興味深いものがある。

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