7ORDERはさらなる高みへと向かう 2024年元旦ライブで踏み出した新章への一歩

 アンコールを求める歓声と手拍子に応えてステージに戻って来た6人が最初に披露した「One more round」は、スペシャルゲストのRYOとgash!、7ORDERのマスコットキャラクター·小田ちゃんも合流。全員で陽気なダンスを繰り広げていた。ドラムセットを叩いてリズムキープをする役割なのでダンスの輪には加われないのに「ここは日替わりで毎回やってきたんだけど、1人やってない人がいるよね?」と途中で言われた萩谷。「俺が前に出たら止まるだろうが!(笑)」と困惑する姿がかわいらしかった。そんな微笑ましい場面を経てサポートプレイヤーのKNT(Ba)、yosuke minowa(manipulation/Gt)のソロプレイも華麗に炸裂。諸星のサックス、長妻のキーボードも加わりながら明るいサウンドとダンスが高鳴っていった。

 

安井謙太郎

 出演者全員がステージに並んで記念撮影した後、スペシャルゲストのRYOとgash!が挨拶。「僕もダンスをやったり曲を作ったりとか、いろいろやってるつもりではあったんですけど、7ORDERのみんなと出会って、楽器もダンスも俳優もやるし、むちゃくちゃすごいなと思って。自分の可能性をもっと広げようと思わせてくれたのは、このメンバーとの出会いが大きかったです」(RYO)

「25年くらい……そんなに踊ってないか(笑)。20年くらい踊ってきて、元日にステージで踊ったのは初めてかもしれません。7ORDERのおかげだと思います。ありがとう!」(gash!)

阿部顕嵐

 彼らと7ORDERが互いにリスペクトし合っていることを感じさせてくれる言葉だった。そして2人とグループの公式キャラ 小田ちゃんを観客の大きな拍手が見送った後、「もう1曲やってもいいかな? 一緒に歌ってくれる?」と観客に呼びかけた安井。演奏がスタートした「雨が始まりの合図」は、歌声と楽器の音を交わし合う6人の姿がとても嬉しそうだった。銀テープが客席に向かって発射されると、一際高まった観客の大合唱と歓声。清々しい興奮が会場を満たしていた。

 アンコールの2曲を届けた後、メンバーたちが想いを語った。

「上の方! 下の奥の方! 手前! 全員! みんなの笑顔とメンバーの笑顔を見られて、本当にやってよかったなと思いました。ここからまたやっていきますので、よろしくお願いします!」(萩谷)

「みなさん、ただいま! 毎回言ってるんですけど、7ORDERは家だと思ってます。僕は縁の下の力持ちとか言われてるんですけど……“言われてない”とか言わない(笑)。元気がない時に力を貰えるのは、みなさんの声です。みなさんがいつも元気をくれます。そんなみなさんのことが本当に大好きです。これからもみなさんに笑顔を届けられるように頑張りますので、応援をよろしくお願いします!」(真田)

「7色の光を見せてくれてありがとうございました。もう言うことはないですよ。今日の今日まで7人の僕たちを応援してくれて本当にありがとうございました!」(阿部)

「こんなに満員になって嬉しいです。生きてれば楽しいこともつらいこともあるんですけど、そういう時に黙って隣にいてくれる大切な人がいたり、“大丈夫か?”って声をかけてくれる先輩がいたり、支え合える仲間がいっぱいいたり。そして笑顔で迎えてくれるみなさんがいるから、俺らはやっぱり最強だなと思います。幸せな1年にしていきましょう!」(諸星)

「久々に実家に帰ったんですけど、姪っ子3人に高い高い、グルングルンを何回もやって筋肉痛です。子供の力ってすごいと思うんですよ。何かを始める時って子供と一緒だと僕は思います。何かを一から始める時は、すごい力を持ってる。そういう気持ちで日々挑戦をしているので。何回でも“高い高いして!”とみなさまに言いますよ、僕は。これからもよろしくお願いします!」(長妻)

「とっても楽しいライブがみんなのおかげでできました。時にはいろんなことがあるんですけど、やっぱり自分のためよりは、誰かのための方が力が出るものだなと思いました。これからも前に、上に進んで行くのでついてきてください!」(安井)

 メンバー各々の想いのこもった言葉がとても温かかった。

 規制退場に関するアナウンスが流れたのだが、鳴り止まない手拍子と歓声に応えて行われたダブルアンコール。一足早く真田がステージに飛び込んできて、他の5人も続いた。「さっきも言ったけど、やってよかった。この形、正解だと思った。超人間って感じ、ずっと見てたい」と、7色のペンライトの光で彩られた客席を眺めながら言った安井。これから演奏する曲が何なのか悟られないための「びっくりしてもらいたいから目をつむって」という言葉に素直に従って目を閉じた我々だったが……「チュウするの?」「だいぶ時間かかるよ」とメンバーの誰かが言っているのが聞こえてきておかしくて仕方ない。

 こんなとぼけたことを言ったのは、おそらく長妻と諸星だろう。笑いを堪えている内に聴こえてきた「27」は、ラストを飾るのにとてもふさわしく感じられた。メンバー各々が活躍の場を広げながら力を合わせ、ファンの声援を支えとしながら1つ1つの活動を手作りするかのように積み重ねてきたのが7ORDER projectだ。何がどうなるのかわからず、おそらく不安もたくさん抱えながら道を切り拓いてきた彼らが、さらに前に進もうとしている姿と重なる曲だった。

 「俺たちとみんなで7……」と手を繋ぎ合った6人が言った後、観客が大きな声で「ORDER!」と返して迎えた終演。メンバー各々の浮かべた表情、じゃれるかのように宙に向かって拳を振る動きからも想いが自ずと伝わってきて胸が熱くなった。そして全員がステージから去った後、スクリーンに流れたエンドロールのメッセージ。これからの活動についてのシリアスな発表がありそうな雰囲気となり、緊張感が漂ったのだが……『漢気じゃんけん冬の陣』の結果発表と「これからもみんなで笑ったり、泣いたり、歌ったり、踊ったり、ラジバンダリ」という言葉が飛び出して、大いにずっこけさせられた。“ラジバンダリ”とは芸人のラジバンダリ西井の持ちネタ。長妻のお気に入りであり、様々な場面で口にしている。

 実は今回のライブの中でも諸星のMCに対する合いの手で繰り出されていた……というわざわざ付け加えるべきなのかもよくわからない解説でこのレポートを締めくくることも含めて、なんだかとても7ORDERらしいなあと、数日前のことを思い出しながら感じている。

 彼らの【第2章】が具体的にどのようなものになるのかはわからないが、また新しい何かが生まれていくのだろう。【第1章】の日々をこれからも大切したいと思えたと同時に、未来への期待も目一杯に高めてくれた『7ORDER LIVE [ONE,] - DUAL Endroll』だった。

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