FLYING KIDS、2024年を生きる確かな希望 出会いと別れを重ねたからこそ沁みる「じゃーね」

 2023年は敬愛するアーティストとの別れも多かった。もっと取材したいことがあったのに、聞き忘れたことがあったのに、と悔やむことも多い。面識のない人でも自分に何か影響を与えてくれた人がいなくなることは、身内との別離とは別な喪失感がある。別れの常套句を言うべきなのかもしれないが、その言葉を口にするのは本当に辛い。ならば「じゃーね」と呼びかけ心の中でまた出会いたいと思う。親しかった人なら尚更だ。そう思うと「じゃーね」の重さを改めて考えたくなる。

 伏島はこの曲について、こうもコメントしている。

「この曲は、色んなシチュエーションでの友人や恋人との別れ、あるいは今年多かったミュージシャンの先輩方々とのお別れ、そんなイメージが湧いて、聴く人それぞれの“別れがたい想い”を夕焼け空に写し出してくれるような、そんな存在になれば最高に嬉しいなぁと。そんな曲です」

 長く生きているほどに出会いもあるが別れも増える。還暦を迎えた伏島の実感がこもった曲でもあるようだ。別れを悲しみと捉えるだけでなく様々な思い出も感情も大切に抱えていくことが、先に進むための力にもなるのではなかろうか。「さようなら」でもなく「また会いましょう」でもない、曖昧だけれど希望を含んだ「じゃーね」。そんな達観を35周年を前にしたFLYING KIDSが抱いていることを、何気なく伝えているのが「じゃーね」のような気がする。彼らは華々しいデビューから多忙な日々を経て一度は解散、そして再結成という波乱を乗り越えて今に至っている。様々な出会いや別れを経験してきたことは想像に難くない。だからこそ、メロウな曲に乗せて歌う「じゃーね」が染みる。

※1:https://realsound.jp/2023/10/post-1451662.html

FLYING KIDS「じゃーね」

■リリース情報
FLYING KIDS「じゃーね」
2024年1月10日(水)配信リリース
配信リンク:https://jvcmusic.lnk.to/Jane

FLYING KIDS オフィシャルサイト

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