FUNNY THINK、Hi-STANDARDへの憧れと初期衝動 新曲「GOLD YOUTH」で歌う自分たちの進む道
東北発の3ピースバンド FUNNY THINKが、新曲「GOLD YOUTH」をリリースした。この曲は、バンド結成のきっかけでもあるHi-STANDARDへの憧れを抱いた10年前の初期衝動へと立ち返り、それを歌にした楽曲だ。
金野一晟（G/Vo）は、楽曲の発表に際して「15歳の頃に偶然見つけたHi-STANDARDに心を奪われ、地元の仲間たちと集まってFUNNY THINKを結成してから早10年、気付けば大人、25歳になりました」とコメントしているが、この曲は、今日に至るまでの彼らの10年の日々の基盤そのものだ。何が彼らをここまで進ませ、バンドとして前へと向かせたのか。そして、FUNNY THINKはどこへと突き進んでいくのか。金野、Marcy（Ba/Cho）、森亨一（Dr/Cho）の3人に話を聞いた。（編集部）
『AIR JAM 2012』の衝撃 「ヒーローに見えた」
――今回がリアルサウンド初登場ということで、まずFUNNY THINKの結成の経緯から教えてください。
金野一晟（以下、金野）：バンドを始めたのは2013年の8月、中学3年生の時です。俺と森（亨一）と、あとふたり別のメンバーの4人で、Hi-STANDARDのコピーを始めたのがFUNNY THINKの始まりです。
――Hi-STANDARDに出会ったことでバンドを始めた？
金野：そうですね。東北ライブハウス大作戦で大船渡の街にもライブハウスができたので、そこでライブをやってみたいなという気持ちがあったのと、当時学校にいた教育実習生の先生にHi-STANDARDを教えてもらって。そこからディグって『AIR JAM 2012』のDVD（『Live at TOHOKU AIR JAM 2012』）を買ったら衝撃を受けて、「バンドをやりたい！」と思いました。
――Hi-STANDARDに出会うまでは、それぞれどのような音楽を聴いていたのでしょうか？
金野：俺は、RamonesとかRamonesと同年代のバンドのパンクを家族に聴かされていたんですけど、当時はよさがわからなくて。でも、Green Dayはキャッチーだったので唯一好きになりました。日本のアーティストだと、Aqua TimezとかONE OK ROCK、FACTあたりが好きでしたね。
森亨一（以下、森）：自分は、ナオト・インティライミ、いきものがかり、GReeeeN。この3つは、今も変わらずずっと自分の音楽の根本にあります。
――Marcyさんは、FUNNY THINKがバンド活動を始めてから加入して、3人のなかでは年下ですが、音楽遍歴はどのようなものですか？
Marcy：自分はメタルハードコアから入りましたね。X JAPANから入って、METALLICA、Megadeth、SLAYERといった海外のメタルを聴くうちにパンクに出会って、Hi-STANDARDも聴くようになりました。
――先ほど、金野さんは「聴き始めた当初はパンクバンドのよさがわからなかった」とおっしゃっていましたが、バンドを始めてしまうほどHi-STANDARDをかっこいいと思ったのは、今振り返るとどうしてだったと思いますか？
金野：ヒーローに見えたんですよね。「こういう感じになりたい！」という衝撃を受けて。そこから森くんにもCDを貸したりして、いろいろ聴かせました。
――森さんも、それまで聴いていた音楽とHi-STANDARDは全然違うと思うのですが、Hi-STANDARDやパンクロックを初めて聴いた時はどう感じましたか？
森：たぶん初めて聴かせてもらったのは、Green Dayの「Basket Case」だったと思うんですけど、普通にかっこいいなと思いました。「バンドっていいな」と思って、そこからいろいろ聴くようになりました。たしかに、ジャンルとしてはナオト・インティライミ、いきものがかり、GReeeeNとはかけ離れていると思うんですけど、「ウワッ！」とはならず、スッと好きになりましたね。金野の家で『AIR JAM 2012』のDVDを一緒に観て、さらに衝撃を受けました。ダイブやモッシュというものを見たのも、その映像が初めてだったし。
金野：そうだね。
――Marcyさんは、Hi-STANDARDとの出会いはいつですか？
Marcy：僕は17歳くらいです。その頃は、メタルをはじめとした激しい音楽を聴いていたし、ライブでもそういう重たい音楽をやっていました。メタルは複雑で難しいものだと思うんですが、パンクはシンプルで素直な感じがした。それに衝撃を受けて、パンクにも触れるようになりました。そのなかでも、やっぱりいちばん衝撃だったのがHi-STANDARDでしたね。すごくキャッチーだったし、かっこよかった。
