HiHi Jets 作間龍斗、『どうする家康』『コタツがない家』対極のハマり役 アイドル活動とのギャップも

「ともに乱世の夢を見ようぞ!」

 『どうする家康』(NHK総合)12月10日放送となった第47回の予告で、どんなときも淡々としていた豊臣秀頼(作間龍斗)が声を荒げた瞬間、画面に釘付けになった。秀頼は、父の秀吉(ムロツヨシ)亡きあと、豊臣家復活の期待を一身に背負ってきた若きプリンス。終盤にかけて作品の鍵を握るといっても過言ではない役柄を、HiHi Jetsの作間龍斗が見事に演じ切っている。

【第47回】「私とあなたで全てを終わらせましょう」茶々への手紙に綴られた家康の思い | 2分ダイジェスト | 大河ドラマ「どうする家康」| NHK

 俳優としての作間の魅力は、“味”があること。圧倒的なオーラを放つプリンスを演じているときはもちろん、どこにでもいるふつうの男子高校生を演じていても、なぜか目を惹かれてしまうのだ。最初は、アンニュイな瞳を持っているのがその所以なのかと思ったが、おそらくそれだけではない。触れようとすると消えてしまいそうな儚さを持ちながら、どんなことがあっても倒れない樹木のような力強さもある。そんな相反する魅力が、作間の人間としての深みになっているのだと思う。

 『どうする家康』でも、作間はふたつの表情を演じ分けている。ひとつ目は、聡明すぎるがゆえに周囲に脅威を感じさせる“豊臣秀吉の嫡男”としての顔。ふたつ目は、“千姫の夫”としての顔だ。ふだんの秀頼は、なにを考えているのかよく分からず、感情が飛んでしまっているような雰囲気がある。しかし、妻の千姫(原菜乃華)の前では、ピンと張っている心の糸を緩めそうになってしまうのだろう。それでも、「強い自分でいなければならない」と持ち直そうとしているのが伝わってくる。

 第46回で、千姫は「あなた様は、本当に戦をしたいのですか? 本当のお気持ちですか?」と秀頼に尋ねた。すると、秀頼は母親に嘘を見抜かれた少年のような顔をしたあと、自分に言い聞かせるように「余は、豊臣秀頼なのじゃ」とつぶやいた。このシーンの作間の表現が、とてつもなく絶妙だった。千姫にすがるわけではない。でも、強がることもできない。嘘をつくこともしたくない。そんな葛藤がすべて伝わってくる目の動かし方。作間は、自身が台詞を言うときだけでなく、相手の言葉を受ける場面でも力を発揮する。

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 それをとくに感じたのが、現在放送中のドラマ『コタツがない家』(日本テレビ系)の食卓シーン。本作は、会話劇を重視したホームドラマのため、登場人物それぞれが矢継ぎ早にコミュニケーションを繰り広げていく。作間が演じている深堀順基は、深堀家のなかでは唯一の学生であり、大人たちが騒いでいるなか、達観して周囲を見ているような性格。そのため、相手の台詞を受けるシーンが多いのだが、なにも喋っていなくても“こういうことを考えているんだろうな”と伝わってくるような表情をするのだからすごい。

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