Pay money To my Painが残したものとは何だったのか? ドキュメンタリー映画『SUNRISE TO SUNSET』を観て

 ちなみに“PTPが残したものとは何か?”をコンセプトに制作を進めていったという茂木監督は、「“PTPが残したものとは何か”という答えは、みんなそれぞれ違うと思う」としながら、自身が見つけた答えについてこう答えていた。「僕は10年前のZeppのライブにカメラマンとして撮影に入っていました。そのライブがあったから、これまでロックバンドと向き合って走ってこられたなと思っていて。Masato(coldrain)くんのインタビューを録った時に気がつきました。『刺さった人の人生を変えたバンドだ』と言っていたけど、まさに僕もそうで。僕も刺さったから、今こうやって突き動かされて映画を撮って、こうしてみなさんに観ていただいている。僕にとってはこれが“PTPが残したもの”なんじゃないかなと思っています」。

 同舞台挨拶で、「本作を通してあらためて気づかされたこと」を問われたPTPメンバーの回答も、彼らが感じる“PTPが残したもの”に近いのではないかと思うので、ここに記しておく。PABLOは「このあいだ近くを通ったら『BLARE FEST.』の会場だったポートメッセなごやの会場がなくなっていまして。人生で起きることってあっという間だし、儚いなと思った。だから今、関わっている人とどういうものを作っていって残すかがすごく大切だなと思って毎日過ごしています。瞬間瞬間を大事に生きていけたらいいなと思いました」、ZAXは「ほんまにKってやつはスゲーやつやったなって気づかされました。あいつはとんでもないやつやったな、素晴らしいボーカリストであり、詩人であったな、って」と。また、こうも言っていた。「毎日人に優しくありたいなって思います。Kみたいな男になりたい。みなさんも優しい人間になってください」――。T$UYO$HIは、最後にファンへのメッセージとしてこう話した。「俺らにとっては、とてつもなく大事なものであり、人生を賭けたいものがこのバンドでした。だけど、みんなにはみんなそれぞれの大事なものがあると思う。もしこの映画を観て何か感じたものがあるとしたら、それはこのままPTPを愛してくれることも嬉しいけど、みんなの大事なものを大事にしてほしいです」。

 PTPがそれぞれ自身の人生に与えたものを振り返ること、きっとそれがPTPの残したいちばん大きなものなのだろう。

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