国内ガールズグループファンも必見 『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』J-POP楽曲セレクトの妙

 映像配信サービス・Leminoにて配信されているサバイバルオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』(以下、日プ女子)。

✧ LEAP HIGH! 〜明日へ、めいっぱい〜 ✧ [PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS]

 2019年に日本で初開催された『PRODUCE 101 JAPAN』では、JO1が誕生。その後、2021年に開催されたSEASON2ではINIが結成された。

 この過去2シリーズを振り返ると、課題曲にはK-POPの楽曲が目立って使用されていた印象がある。もちろん、日本のボーイズグループの楽曲も使用されてはいたが、やはりこの番組自体が韓国の音楽専門チャンネル・Mnetで放送された公開オーディション番組『PRODUCE 101』シリーズが元となっていることもあり、“国民プロデューサー”として参加している視聴者も、当初はK-POPファンが多かったように思う。

 実際、2019年放送のSEASON1のグループバトルでは、10曲中6曲がK-POP楽曲を起用。全10組のうち5チームがEXOの「LOVE ME RIGHT」、2チームがSHINeeの「Everybody」を第一希望に挙げるなど、K-POP色が強かったイメージだ。

 しかし、現在、放送中の“日プ女子”ではその傾向が変わりつつあるように思える。

 実際、最初のレベル分けテストでは、ITZYの「WANNABE」や、aespaの「Spicy」など今までと同様にK-POP曲を披露したチームもいる一方、J-POP楽曲も多く見られた。

 例えば、FTISLANDを輩出した韓国の芸能事務所・FNCエンターテインメントからCherry Bulletというグループでデビューしていた加藤心、ハロー!プロジェクトでアンジュルムのメンバーとして活躍していた笠原桃奈の2人によるユニットは、YOASOBIの「アイドル」を披露した。練習生からも一目置かれる存在の2人がチョイスした楽曲が、J-POPだったことには視聴者も驚いたことだろう。

Full Cam┊rebloom ✧ YOASOBI ♫ アイドル [レベル分けテスト]

 さらにいうならば、同じくレベル分けテストでは乃木坂46「インフルエンサー」や欅坂46「不協和音」、新しい学校のリーダーズ「オトナブルー」、E-girls「Follow Me」など聴き馴染みのある日本のガールズグループの曲が多く起用されていた。これまでの『PRODUCE 101 JAPAN』シリーズを振り返ると、日本のアーティストの楽曲はあれど、近い将来同じ土俵に立つ日本のボーイズグループの楽曲は今回ほどは目立っていなかったように思える。

 この傾向は、何もレベル分けテストに限ったことではない。グループバトルでは乃木坂46「制服のマネキン」、Perfume「TOKYO GIRL」、そして平成のガールズグループの代表格・SPEED「Body & Soul」が課題曲として採用された。

#3 ハイライト┊乃木坂46 ♫ 制服のマネキン ✧ 2組 [グループバトル]
#4 ハイライト┊Perfume ♫ TOKYO GIRL ✧ 2組 [グループバトル]
#4 ハイライト┊SPEED ♫ Body & Soul ✧ 2組 [グループバトル]

 これまでもそうだったように、オーディション番組の場合、課題曲に採用されたグループのファンやその楽曲を好きな視聴者が「自分たちの好きな曲が使われているなら見てみようか」と視聴を始めることも珍しくない。

 そう考えると、今回の“日プ女子”に関してはK-POPファンだけでなく、日本の女性グループのファンをも視聴者として取り込みたいと戦略立てているのではないかと感じる。特に先述したSPEED「Body & Soul」に関しては、10代から20代前半の練習生たちこそピンとは来ていなかったものの、往年のJ-POP好きに注目されるきっかけとなりうる伝説的楽曲。練習生にとってもチャンスの1曲になったに違いない。

 世界に通用するガールズグループの誕生が期待される“日プ女子”。だからこそ、日本のガールズグループファンから注目してほしいがゆえの選曲なのではないだろうか。

 いずれにせよ、K-POPファンも日本のアイドルグループのファンも楽しめること間違いない番組だ。今からでも追いつけるので、ぜひとも気になる楽曲をきっかけに注目してみてはいかがだろうか。

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