KID PHENOMENON、フレッシュさと親近感で巻き起こす旋風 7人のキャラクターがたっぷり詰まったデビュー曲を語る
EXILE SHOKICHIと共に作っていった“個性を発揮するデビュー曲”
――そして、満を持して発表されたデビュー曲が「Wheelie」(作詞:SHOKICHI、AMBASS/作曲:SHOKICHI、SKY BEATZ)。課題曲「C'mon」(シングルのカップリングに収録)と同じく、『iCON Z』のプロデューサー・SHOKICHIさんが手掛けていますが、“おかく”くん、楽曲を受け取った時の印象は?
岡尾:めっちゃキャッチーだなっていうのが第一印象ですね。〈Boom Boom〉ってバイクをブンブン鳴らすようなパートがあるんですけど、そこの中毒性がすごいんですよ。デモをいただいた後、メンバー内でも〈Boom Boom〉が口癖になるくらい(笑)。しかも、「C'mon」も未来型バイクに乗ってトンネルをビューンって走っていくような曲で、「Wheelie」と歌詞のコンセプトが似ているんですけど、曲のテンション感は2曲とも全く違っていて。前作からの流れも感じつつ、新鮮な気持ちで楽曲制作に取り組めました。
――「Wheelie」の表現のほうが、「C'mon」よりもフレッシュな感じがしますね。
川口:「C'mon」は少し大人っぽい曲調で、僕らもちょっと背伸びして披露していたんですけど、「今のKID PHENOMENONの強みはやっぱり、平均年齢が17歳という若さやパッション、個性豊かなキャラクターだから、デビュー曲の『Wheelie』はそれを全面に出した楽曲にしたかった」とSHOKICHIさんもおっしゃっていました。だからこそ、僕たちも自然体でパフォーマンスしていますし、ファンの方にも一緒に楽しめる楽曲になっていると思います。
――リードボーカルの“つっちゃん”(遠藤翼空)と“てぃくん”(山本光汰)、マルチプレイヤーの“けんちゃん”(夫松健介)を中心に、7人の歌声が各所に散りばめられていますが、歌割はどうやって決まったのでしょうか。それぞれの聴きどころも教えてください。
岡尾:僕たちは今まで、3週間ごとにダンス・歌・ラップの成長を見てもらう、成果発表という定期チェックをする機会を設けてまして。「Wheelie」はその過程を踏まえて、SHOKICHIさんが一からメンバー一人ひとりに合うようなラップや歌を考えて、曲を制作してくださいました。その中で僕は、1番の〈Openなマインド スキルとフロー〉と、2番の〈興味はないな2番手/むしろ我が道で Only oneのマイペース〉というラップパートを担当しています。
――2番の畳みかけるようなフローもカッコいいですけど、1番は伸び伸び歌っているのが感じられて、すごく“おかく”くんらしいなと。
岡尾:僕はCreepy NutsのR-指定さんのような、いろいろなフロー(歌い回し)を表現できる変幻自在なラッパーの方が好きで、自分自身もそういうラッパーになりたいと思っているので、特に1番のフローはレコーディングしていて楽しかったです。
佐藤:僕はサビ前とサビの中にパートをいただけたんですけど、個人的に力を入れたのは〈Yeahキミとエンジョイ 乗りこなすWheelie〉というフレーズですね。サビは1番も2番も翼空→健介→光汰→僕の順番で、ボーカルとラップが交互に続くんですが、そこからさらに〈Wheelie Boom Boom〉という重要なフレーズに繋がるので、加速度とパワフルさとパッションをバランス良く入れたくて。ここはかなりこだわってレコーディングしました。
――SHOKICHIさんも以前「僕の中では、同じような歌声でひと繋ぎのメロディを紡ぐよりも、一つひとつ強調された“個”を繋いでいくほうが大事」(※2)と話していましたが、サビは一人ひとりの声がわかりやすく際立っていますね。
佐藤:僕と“けんちゃん”(夫松健介)のラップパートを聞き比べてみると、最後の〈Wheelie〉だけを切り取っても、違う表現をしていますからね。
――“しゅんちゃん”のラップはあえて歪ませたような声質で荒々しく煽るスタイルで、クリアな声質のメンバーが多い中で良いスパイスになっているなと思いました。
佐藤:ありがとうございます。サビもそうですし、〈we know we know we know〉のフローにも、僕の好みと強みがすごく出ているなと思います。
川口:僕の聴きどころは、〈Fake なら蹴飛ばす ゲットするIce〉っていう、2番の歌い出しですね。このラップパート、仮歌の段階ではもっとキーが高かったんですよ。でも、レコーディング現場でSHOKICHIさんとお話した際に「自分の強みを活かすラップをしてほしい」と言っていただいて。僕は低音ボイスを武器にしているので、試しに自分が一番気持ち良くラップできる低音で歌ってみたところ、満足のいくテイクが録れました……というように、他のパートと同様、僕のパートもSHOKICHIさんと一緒に作っていきました。
――“そま”くんに関しては、もともとダンスのみで『iCON Z』にエントリーしていて、第一章の最終審査後に「このオーディションが始まった時に歌が歌えていたら違っただろうし……」と話していたのが記憶に残っているんですけど、レコーディングを通して、ラップ担当として一歩踏み出せたようですね。
川口:そうですね。レコーディング中は自分の歌声をずっと聴き続けているので、一番自分とじっくり向き合える時間だなって思います。自分の武器はどういうもので、どう活かしていったらいいかを考えられる時間。その一方で、レコーディング現場にはいつも誰かしらメンバーがいたので、みんなが歌う姿から学ぶこともたくさんあって。個性豊かなメンバーの歌に刺激をもらいながら、少しずつ自分の引き出しも増えているなって感じています。
鈴木:僕は、1番の琥珀のパートに続いて〈常に勇敢なBoyz〉というラップを担当しています。ここ、歌詞がいいんですよね……(しみじみ歌詞を眺める)。
佐藤:独特の間(笑)。今の僕らをわかりやすく表してる歌詞だよね。
鈴木:うん。短いながらも、どんな時でもかましますよ! 僕たちの色で染めますよ! っていう決意が込められているパートなので、すごく好きです。
――クランプ(相手を威圧するようなダイナミックなダンスジャンル)を得意とする“るいるい”が歌うことで、より攻めて聞こえますね。
鈴木:勇ましく聞こえました? 嬉しい(照)。
岡尾:瑠偉はラップも結構アタック強めだもんね。
佐藤:芯があって前に出てくる感じがするから、歌詞にピッタリ。
――“るいるい”は、SHOKICHIさんからどんなアドバイスをもらいましたか?
鈴木:“ヴォ”ですね(即答)。
岡尾、佐藤、川口:???
鈴木:「C'mon」の時も「〈踊りだそう〉の歌い出しの“オ”は“ウォ”だから」って、SHOKICHIさん自ら「ウォ! ウォ!」ってレクチャーしてくださったんですけど、今回も〈Boyz〉は“ボーイズ”じゃなくて“ヴォーイズ”だよ」ってアドバイスしていただきました。