BTS V、SUGAとともに乗り越えた“試練の日々” 天真爛漫な天性のアイドルが音楽と真剣に向き合うまで

BTS at 2018 MAMA in HONG KONG | All Moments

 もちろん、そんなふうに思えるまでには大きな試練が何度もあった。なかでも、2人が最も厳しかった時期として思い出すのは、音楽授賞式『2018 Mnet Asian Music Awards(MAMA)in HONG KONG』で5冠を達成したころのことだ。これまでの苦労が報われた最高の瞬間かと思いきや、表彰式ではJINが「解散しようかどうかも悩んだ」と衝撃的なコメントがあり、Vが涙をこらえきれない様子も大きな話題となった。

 眠ることさえままならないほどの多忙なスケジュール。1日だけでいいから何もしないで休む日が欲しい、そんな束の間の休息さえ取れない日々に、Vは「ケガをしたら休めるかな?」とまで考えるようになったという。どれくらい追い詰められていたかといえば、「FAKE LOVE」がリリースされなかった可能性もあったというほど。それほど疲れ切っていたのは、メンバーと自分を比較するようになっていたからだと振り返るV。「僕はメンバーたちとテンポが違って、遅くて考えが少し違う」「すごく楽しそうで上手で完璧なのに、“なんで僕はこうなのかな”と考えていた」と。

 そんなVの心を救ったのは、SUGAからの熱烈なラブレターだった。解散が頭をよぎりながらSUGAは、RM、J-HOPEと共に「Tear」を作り、その傍らで限界を迎えていたVやJUNG KOOKに長文メッセージを送ったそう。そこには、普段のSUGAからは考えられないほど熱の入った言葉が並んでいたという。あの「近寄りがたい」とさえ思っていたSUGAから、「愛している」という本気の言葉をもらったVは、拳を握りしめて「意志が固まりました」と当時の思いを語った。SUGAによって音楽に対する欲を目覚めさせられ、アーティストとしての成長を促されたV。その一方で、Vに刺激される形でSUGAも変化していったことがわかる。Vの無茶振りともいえる無邪気な絡みで、SUGAも徐々にバラエティ慣れし、今ではこうして多くのゲストを招いてトークを展開しているのだ。この日の収録でも途中で立ち上がり、Vと思い出のリンボーダンスを再現。そのとっさの魅せ方に、Vも「(トークの進行が)うまいですね」と感心する。

 メンバー間でも驚きを隠せないほどの、個々のカラーと成長を感じさせるBTSのソロ活動。これが7人集まったときには、どれほどの化学反応を起こすことになるのだろうか。BTSのメンバーであり、BTSのファンでもある彼ら自身が、誰よりも楽しみにしているというのも胸が熱いではないか。

 最後に「7人で集まったらまずはオーロラを観に行きたい」と夢を語ったV。もちろん、7人のスケジュールを合わせるとなれば、『BON VOYAGE』のように旅行バラエティの仕事になると考えていたSUGA。しかし、Vはできれば「カメラなしで!」なんて言うものだから、「それじゃただの旅行じゃん」とツッコミを入れずにはいられない。「カメラがあると何かを見せようとするからダメだよ」というVに、「いや僕たちそんなことなかったよ」と反論するSUGA。森の中でのんびりと過ごしたリアルバラエティ『In the SOOP BTS ver.』では「90%はカットされていた」と言うと、Vも「たしかにそうだね」と笑い合う。

 7人にはできるだけプライベートな感覚でオーロラを観に行ってもらうとして、やはりその様子はぜひともカメラに収めてもらいたいのがファンの心理だろう。そして、今回2018年にVが抱いていた本音を初めて吐露したように、いつか長い年月を経てカットされた未公開映像も笑いながら見られたら、と願う。

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