BE:FIRST「Mainstream」は「次のステップに繋がる曲」 メンバーそれぞれのラップスキルに注目

 〈トップチャート〉から始まるパートを担当しているのはMANATO。ラップを始める前、〈ai yo〉と言っているのだがその声がすでにクールだ。この短いひと言で「今から披露する俺のラップを聴いてくれ」と聴き手の関心を掴むのは流石である。そしてラップ自体も存分にライムを意識したフロウになっているのだが、R&Bやポップスのようなグルーヴがある歌い方と声ゆえに、アンダーグラウンドさが出すぎていないのもいい。これができるのは、MANATOならではだ。

 SHUNTOはサビ頭の〈Mainstream〉、サビ終わりの〈I be on stage〉、〈I got my fame〉というフレーズを担当。非常に短いパートなのだが、SHUNTOお得意のエッジボイスが満載で、楽曲のクールさを底上げする役割を担っている。楽曲の後半ではSOTA、RYOKI、RYUHEIと同じフレーズも担当しているのだが、ここでもエッジボイスを多用。それでいて声色に表情をしっかりとつけているため、一辺倒になっていない。天才的な才能を感じた瞬間だ。

 そして、最後はJUNONのラップ。途中ファルセットや音落ち、フェイクなどが詰め込まれたテクニカルな歌を披露しつつも、ラップもこなしているのはさすがである。そして、SOTA、RYOKI、RYUHEI、SHUNTOとほぼ同じフレーズでありつつも非常にスムースで、歌っているかのような印象を受ける。他のメンバーとの違いを見事に表現している。

 ちなみに、ラップだけでなくところどころに登場するLEOの柔らかく爽やかな歌も輝いている。リズムの取り方や語尾の処理など難しいフレーズであるにも関わらず、LEOらしさを押し出しながら歌っているのを見ると、リリースを重ねるたびに歌唱力が磨かれているのだと思わざるを得ない。

 誰一人脇役がいないことがわかる同曲。歌やダンスはもちろん、ラップも至極だ。そして、これまでの流れとガラッと雰囲気が変わったことを見ると、同曲をきっかけにBE:FIRSTは新章に突入したのだろう。次はどんな一手を見せてくれるのか。まだまだ7人から目が離せなさそうだ。

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