BOYNEXTDOORは“リアコペン”製造グループに? 1st EP『WHY..』のストーリーと重なる成長スピード

 いつになくソワソワしながら迎えた今年の9月4日。なぜなら今後のミュージックシーンを牽引していくであろう大型新人グループが新譜を発表する日だったからだ。その中でも今回はBOYNEXTDOORについて書いてみたいと思った。おっと、こうきたか!――1st EP『WHY..』を聴いた瞬間、不意を突かれたような驚きがあったから。

 改めてBOYNEXTDOORについて紹介すると、リーダーのJAEHYUN、SUNGHO、RIWOO、TAESAN、LEEHAN、WOONHAKの6人組。BTSやSEVENTEENなど多くのグローバルグループが所属する様々なレーベルを擁するHYBE傘下レーベル KOZ ENTERTAINMENTからデビューした初のグループだ。その名の通りコンセプトは「隣に住む少年のような飾らない親しみやすさ」と「同世代の若者たちが共感できる音楽」。あくまで主観的な感想にはなるが“コンセプトにメンバーを合わせた”ケースも多い中、彼らに関しては“メンバーたちの個性からコンセプトが生まれた”ようにも感じられる。彼らがトークしている様子や音楽番組でのパフォーマンスを見ると、新人とは思えないほどいい意味で肩の力が抜けていて、すでにすっかり楽しんでいるようだ。カメラや観客の前でも平常モード、“隣の男の子”でいられるということ自体、すでにスターの器であるという証なのかもしれない。今年7月に『INSPIRE TOKYO EXTRA』で初来日を果たした際、彼らの人気も後押ししてかチケットは即完。日本の音楽リスナーの間でも瞬く間に“気になる存在”となった。

 そしてデビューからたった3カ月で1st EP 『WHY..』を発表。5月にリリースされた「But I Like You」「One and Only」「Serenade」に新曲3曲を加えた計6曲で構成されている。韓国のHANTEO CHARTでは「デイリーフィジカルアルバムチャート(9月4日付)」の首位に。日本でもリリース初日から約3万枚を売り上げ、オリコンの「デイリーアルバムランキング(9月4日付)」でも1位に輝いた。そんな中で筆者が初公開のリードトラック「But Sometimes」を聴き、思わず口をついて出た言葉は……「え? もうフラれちゃったの?!」だった。早い。展開が早過ぎる!

BOYNEXTDOOR (보이넥스트도어) '뭣 같아' Official MV

まさに青春のリアルなスピード感! BOYNEXTDOORの恋と成長は止まらない

 一体、何が起こったのかをご説明したい。まずは今回のEPにも収録されている前半3曲を順に聴いていただきたいのだが、「初恋3部作」とも言うべきそれらは一つの連続した爽やかなラブストーリーとなっている。「But I Like You」で恋に落ちた少年が、「One and Only」で告白することを決め、「Serenade」では想いを伝えに行く。果たして相手へ想いは通じるのだろうか?――その先の展開をも期待させる、瑞々しくキュンとくるMVも魅力的だった。

BOYNEXTDOOR (보이넥스트도어) '돌아버리겠다' Official MV
BOYNEXTDOOR (보이넥스트도어) 'One and Only' Official MV
BOYNEXTDOOR (보이넥스트도어) 'Serenade' Official MV

 が! 新曲では“甘く幸せな時間”はバッサリ割愛。BOYNEXTDOORが恋人に愛を囁く姿はまだ当分はおあずけらしい。これまでの明るくポップな曲調も一転し「Crying」は恋人に別れを告げられ、涙を流すという切ない歌詞とアンニュイで情緒的なメロディ。続いて反抗的なギターサウンドが印象的な「But Sometimes」では韓国語のタイトル「뭣 같아(ムォッ カッタ/訳:クソみたいだ)」の通り、悲しみの次に襲ってきた憤りを爆発させる内容だ(でもどこか可愛らしい)。ラストの「ABCDLOVE」はまた一転。本来の自分を取り戻したかのような、チルなムードに。だからと言って一度恋と挫折を味わってしまった少年たちは、もう以前のようには戻らない。「新しい恋を描いてください」と次の恋を予感させるような歌詞で締めくくられる。

 1st EPの中で初恋が始まって終わるという急展開。でもよくよく思い返すと、青春時代に起こる全てのスピード感は、まさにこの通りだったはずなのだ。明日、来週、来月にはすでに違う自分になっている。BOYNEXTDOORにも言えることで、彼らの成長スピードとも重なる。彼ら自身もグッと変化しているように見えるから不思議だ。新曲は全曲でメンバーのJAEHYUN、TAESAN、WOONHAKが作詞作曲に参加している。だからこそヒリヒリするようなリアリティがあり、若者の共感を呼ぶのだろう。すでに大人になってしまった人が聴いても、その時代を追体験できる楽しさがある。

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