ジャニーズWESTは以前より、音楽フェスに対する思いを公言している。神山が昨年12月に表紙グラビアを飾った『週刊朝日 2022年 12/16 号』（朝日新聞出版）でも、2023年の目標として「フェス荒らし」を掲げるなど、音楽フェスへの意欲を募らせてきた。また、所属レーベル・Johnny's Entertainment Recordの公式サイトで、『サマソニ』の参加が発表された際に出されたメッセージの中でも、藤井流星が「いつか出たいという想いで、昨年メンバーとサマソニを観に行きました」と語ったように、『サマソニ』に対する思いはメンバーそれぞれ特に強かったようだ。

　ジャニーズWESTのライブの魅力は、溢れ出る楽しさと、高いパフォーマンス力である。この2点がもたらすものは、どんな人でも楽しめる、ということだ。メンバー各々がライブに臨む上でよく語る「絶対に楽しませる」という強い思いは、グループをよく知るファンに対してだけでなく、彼らを知らない人も、年齢も性別も関係なく、とにかく目の前にいる人を楽しませるという精神の表れだ。彼らが音楽フェスに対する思いを常々口にしていたのは、彼ら自身が、音楽フェスと自分たちのスタンスの親和性を確信していたからだろう。『サマソニ』という日本有数のフェスで、「絶対に楽しませる力」を広く音楽ファンに示すことができた点は、彼らにとって何よりもの収穫だったと言える。

　『サマソニ』出演を足がかりに、ジャニーズWESTが神山の言う「フェス荒らし」を実現するのも、十分に現実味のある話だ。2024年に迎えるデビュー10周年に向けて、アイドルとしてのプライドを持ちつつ、もっと多くの音楽フェスを通じて、これまでアイドルに縁がなかった人も巻き込んで魅了することが期待される。