内田雄馬、全国ツアー『Keep in Step with』で魅せた音楽への情熱 “チーム”としての絆を再確認した一夜

 内田雄馬のライブ『YUMA UCHIDA LIVE TOUR 2023「Keep in Step with」』ファイナル公演が、8月12、13日に千葉県 幕張メッセイベントホールで行われた。今回のライブは、5月に始まった6都市9公演を巡った全国ツアーの最終公演で、自身の新型コロナウイルス感染により開催延期となった6月24、25日公演の振替公演となる。本稿では最終日13日の公演の模様をレポートする。

 開演前のSEが内田の楽曲に切り替わると、客席は一斉にペンライトを振り始め、今日この時間を目いっぱい楽しもうという雰囲気に包まれる。スクリーンに映し出されたオープニングムービーに“FINAL”の文字が現れると大きな拍手が送られ、ステージ中央から白いジャケットに身を包んだ内田が登場した。

 オープニングナンバーは、「Over」。パワフルな歌声とスタンドマイクを蹴り飛ばすパフォーマンスで沸かせる。サビのコーラス部分を客席に任せると大きな歌声が会場を満たし、内田も満面の笑顔を見せた。「ツアーファイナル、今日は本当に最後。みんなの最高のエナジーをください!」と叫んで始まった「Congrats!!」。ファンによる掛け声や手拍子、ダンサーとのダンスパフォーマンスなど、2曲目にして自然と会場が一体となってライブを作り出しており、まさに祝福に満ち溢れたオープニングとなった。

 MCでは、振替公演ということもあり、ツアーのフルメンバー全員での出演が叶わなかったことを報告。そして、あらためて「ここにいない人たち、来られなかった人たち、そして今日来てくれた人たちみんなの想いを集めて最高のライブにしたいと思います!」と高らかに宣言した。

 次のブロックでは、軽やかなステップに合わせコミカルでキュートな表情を見せた「Happy-go-Journey」、楽曲のハッピーな空気感を全身で表現した「SHAKE!SHAKE!SHAKE!」、客席からの迫力のあるコーラスによってゴスペルのような高揚感を生み出し、ステージメンバー含めたチームワーク感を感じられた「ボクらのカタチ」と、幸福感にあふれるパフォーマンスが続く。

 幕間には、「KEEP IN STOMACH WITH 〜幸せは胃袋と共に〜 総集編」と銘打ち、ツアーで回った地方のグルメを堪能する映像が流された。表情豊かに陽気な食レポを繰り広げる内田の姿に、会場のあちこちから笑い声や歓声が漏れ聞こえ、短い時間にもそのエンターテイナーっぷりで客席を楽しませた。

 映像が終わると、ステージ上段にワインレッドのスーツ衣装に着替えた内田が再登場。1番はキーボードとボーカルのみの“1on1”(バンドメンバー1名と内田による1対1のセッションコーナー)、2番から迫力のバンドサウンドへ移行する特別なアレンジの「Relax」が披露された。大人っぽい導入から、徐々にダイナミックなシャウトを繰り出し、内田の高度なボーカルテクニックと声の広がりを堪能できる、ライブならではの一曲となった。

 バンドセットということで、ひとりよりもできることが増え「その場で音楽を作り出すことができる」と、昨年開催した武道館ライブでの幕間映像企画で自身が制作した楽曲「Foot on the Melody」を披露。バンドサウンドに加え、客席のファンもクラップで参加した。

 ガラッと雰囲気を変えた「Spin a Roulette」では、スタイリッシュな楽曲に合わせ、クールな表情とダンスで魅せていく。奥行きとストーリー性を感じさせつつ、声の使い方を次々とシームレスに変える内田ならではのボーカル表現が秀逸だ。

 「VIBES」では激しいEDM調のダンスミュージックに合わせ、ハイレベルなダンスパフォーマンスを繰り広げ、続く「Echo」は、シンプルな音のなかにボーカルの壮大な広がりを感じさせ、内田が解き放つ優しさや温かさを身近に感じさせる表現が垣間見えた。ダンサーのコンテンポラリーダンスとコラボレーションで披露した「Good mood」では、ファルセットの美しさとストレートなボーカルの強さの両面から高い歌唱力を見せる。

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