【EXPG STUDIO対談 Vol.01】MASAYA×THE RAMPAGE 岩谷翔吾が語る、「J.S.B basic」の系譜と進化
GENERATIONS from EXILE TRIBEのメンバーをはじめとしたJr.EXILE世代のアーティストや、Girls²などのダンスボーカルグループを数多く輩出してきた総合エンタテインメントスクール・EXPG STUDIOが、2023年で20周年を迎える。リアルサウンドでは、20周年を記念して関係者と卒業アーティストの対談を短期集中連載でお届けする。
第1回は、同スクールのインストラクターであり、J.S.B.UndergroundのメンバーでもあるMASAYA氏と、その弟子筋で現在はTHE RAMPAGE from EXILE TRIBEのパフォーマーとして活躍する岩谷翔吾が登場。EXPG STUDIO時代の貴重なエピソードや、同スクールで学ばれている「J.S.B basic」というスタイルについて語り合った。(編集部)
この出会いがなければ、THE RAMPAGEにはなれていなかった
ーーEXPG STUDIOとの出会いを教えてください。
岩谷翔吾(以下、岩谷):僕は小学校5年生のときに、母親に連れられて大阪城ホールで開催されたEXILEのライブ『EXILE EVOLUTION』(2007年)を観に行ったことがきっかけで「ダンスってかっこいいな」と興味を持ちました。EXILEが盛んにメディアに露出するようになっていた時期で、母親はもともとダンスに興味があるというわけではなかったのですが、GLAYさんとのコラボ曲「SCREAM」で意識するようになったみたいです。THE RAMPAGEメンバーには『EXILE EVOLUTION』直撃世代が多いですね。
ちょうどライブ会場の付近で、EXPG STUDIOの大阪校が開校するというチラシが配られていて、僕はそれまで習い事などはあんまりしてこなかったんですけれど、初めて自分から母親に「このスクールに通いたい」とお願いしました。大阪校が開校してすぐに入校したので、生徒番号は一桁台でした。
当時は、現在は三代目J SOUL BROTHERSで活躍している山下健二郎さんが先輩にいて、地方のイベントに出演する際などは、よく二人部屋になっていました。全国から集まった選抜メンバーで、各地のEXPG STUDIOのイベントに出演するというものだったんですけれど、健二郎さんはすでに成人していたから打ち上げとかで飲みに行かれるんです。それで、ベロベロになって帰ってきた健二郎さんを当時小6だった僕が介抱するという(笑)。子どもの頃から歳上の方と交流できたのは、良い経験になりました。
MASAYA:僕はもともとダンサーとして参宮橋のスタジオに練習に行ったりしていて、2010年くらいからEXPG STUDIOの契約インストラクターになりました。翔吾と出会ったのもその頃ですね。僕はその後、日本屈指のカリスマ的なダンサーであるBOBBYさんが率いるダンスチームのJ.S.B Undergroundにも所属して、2018年には「DANCE ALIVE WORLD CUP」でもパフォーマンスをさせていただくなど、EXPG STUDIOと関わったことで多くの夢も叶いました。現在は社員として、後進の育成に力を注いでいます。
ーーお二人は師弟関係にあるそうですが、そのダンスのスタイルについて改めて教えてもらえますか?
MASAYA:僕はもともとBOBBYさんのアシスタントをしていたくらいで、すべてにおいてBOBBYさんの影響を受けています。BOBBYさんがHIROさんたちと90年代初頭に組んでいた一番最初のJapanese Soul Brothersは、ニューヨークやロサンゼルスへと赴き、当時の最先端のヒップホップダンスをいち早く取り入れて、自分たちならではのスタイルに昇華していました。いわゆる立ち踊りをベースにしたスピードとキレのあるヒップホップですね。そのスタイルはEXILEにも引き継がれていき、後にBOBBYさんによって「J.S.B basic」として確立されました。現在もEXPG STUDIOでは「J.S.B basic」を教えていますし、BOBBYさんが率いるD.LEAGUEチームの「SEGA SAMMY LUX」では、現在進行形の「J.S.B basic」を披露しています。
岩谷:僕はEXPG STUDIOでMASAYAさんにすごく憧れていて、どういうスタイルなのかを聞いてみたら、「これはBOBBYさん達J.S.B.が生み出したスタイルなんだ」と教えてもらったんです。それですぐにBOBBYさんが当時やっていたスクールに行ってみたんですけれど、参加しているのは玄人感のあるドレッドヘアーの大人ばかりで、中学生は僕一人という状況でした(笑)。もうすぐにでも帰りたくなるような雰囲気でしたけれど、めげずに頑張っていたらBOBBYさんも可愛がってくれましたね。
MASAYA:あの後、BOBBYさんから「俺のところにイキの良いのが来たよ」って連絡あったからね(笑)。僕はインストラクターという立場上、誰かひとりの生徒を特別に扱うということはできないのですが、翔吾とは同じ作品に出演することもあったし、イベントで共演することもあったので、先生と生徒という関係だけではなく、時には同じダンサーの仲間でもありました。一緒に踊るとなれば、色々とコミュニケーションを取らなければいけないし、翔吾は翔吾で何かを学びたいという気持ちがあるから、自然と関係性が深まったところはあると思います。まあ、合宿のときは鬼教官として通しましたが(笑)。
岩谷:僕はMASAYAさんやBOBBYさんと出会ったからこそ、ダンスと本気で向き合えるようになったし、もし出会えていなければ確実にTHE RAMPAGEのメンバーにはなれていなかったと思います。
MASAYA:いやぁ、お酒が飲みたくなっちゃいますね(笑)。