Wienners、オーディエンスと共に到達した喜怒哀楽の向こう側 KOZO脱退による現体制ラストライブを観て

 「喜怒哀楽の向こう側に俺たちは行きたい。その景色の色を確かめたくて、この4人で初めて鳴らした曲を、受け取ってくれますか? 好きなように塗ってください!」と玉屋が伝えてから、現体制で最初にリリースされたシングル曲「みずいろときいろ」が披露された。観客はバンドの想いを汲み取ってか、最高潮の盛り上がりを見せた。玉屋が「他人に賛同しなくてもいいけれど、お互いを認め合わなければならない。同じになったらつまらない。1つになりたいんだ。1つになった時に喜怒哀楽の向こうへ行けると信じています。だから音楽を信じているし、それを聴きにきているみんなのことも信じています」と語り、「UNITY」を披露。演奏中に玉屋が「任せたぞ」と言い、会場が大合唱した場面は感動的だった。間違いなくこの日のハイライトと言える瞬間だ。

 そのまま「SOLAR KIDS」「TOP SPEED」を衝動的に演奏してライブは幕を閉じたが、観客がKOZOの名前を叫びながら拍手をしてアンコールを求める。それに応えて再登場するメンバー。KOZOが「Wiennersに入る直前、1年間誰からも声をかけてもらえなければドラムを辞めようと思っていました。だから声をかけてもらえたのは運がよかったです。楽しい気持ちで最後を迎えられました」と挨拶すると、観客から温かな拍手と歓声が湧き上がった。

 そして「Hello,Goodbye」から3曲連続で披露。駆け抜けるようにロックを鳴らして颯爽とステージを後にした。しかし、またもやアンコールを求める拍手が会場に響く。それに応えて再登場するものの「綺麗に終わったんだから早く帰れ!」と冗談を言う玉屋。だが表情は笑顔で楽しそうだ。「Idol」と本日2回目となる「Cult pop suicide」を演奏し、ライブは終演した。演奏後に「普段のワンマンでこういうことはしないけど」と言いつつ観客と一緒に記念撮影していたことも印象的だ。観客だけでなくメンバーにとっても、いつにも増して思い入れのあるライブになったということだろう。

 これからWiennersは体制を変えて活動を続ける。KOZOも別の場所でドラムを叩き続けるのだろう。形は変わってしまうものの、これからもこの世界を好きな色で塗りつぶすような、最高の音楽を鳴らし続けてくれるはずだ。そんなことを確信した、現体制最後であり最高のライブだった。

■セットリスト
01. 蒼天ディライト
02. GOD SAVE THE MUSIC
03. Cult pop suicide
04. ジュリアナ ディスコ ゾンビーズ
05. TRADITIONAL
06. ULTRA JOY
07. SHINOBI TOP SECRET
08. おおるないとじゃっぷせっしょん
09. 恋のバングラビート
10. FACTION
11. Justice 4
12. ASTRO BOY(Black Hole ver.)
13. シャングリラ
14. 天地創造
15. 午前6時
16. カフノリカ
17. Yahman
18. よろこびのうた
19. みずいろときいろ
20. SUPER THANKS
21. LOVE ME TENDER
22. UNITY
23. SOLAR KIDS
24. TOP SPEED
<ENCORE1>
01. Hello, Goodbye
02 レスキューレンジャー
03. 子供の心
<ENCORE2>
01. Idol
02. Cult pop suicide

同公演セットリスト プレイリスト
https://wienners.lnk.to/CPW

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