石原夏織、ソロアーティストデビュー5周年記念ライブ “花束”のように届けた楽曲たちと感謝の言葉

 終盤はコロナ禍を経て、心の距離をもっと近くしたいとの思いで制作した「Starcast」。会場に観客の声が広がった「♮ Melody」。アニメ『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』エンディングテーマ「Plastic Smile」では、胸に手を当てて思いを伝えるように歌い、会場は笑顔に包まれた。「残り2曲。ギアアップならぬ、“キャリーアップ”していきましょう!」と自身のインターネットラジオ番組『石原夏織のCarry up!?』にかけた呼びかけで観客を盛り上げる石原。手を左右に振る動きで会場が一つになった「虹のソルフェージュ」。本編ラストはデビュー曲「Blooming Flower」を歌い上げ、曲の最後をバンドメンバー、ダンサー、観客と息を合わせてジャンプして締めくくった。

 アンコールは、自ら〈オイ!オイ!〉と叫んで拳を上げた「夢想的クロニクル」からスタート。MCではデビュー曲「Blooming Flower」は特別な時のみに歌う曲であることや、今回のライブは歌詞やMVに花が関連している楽曲を多く選曲したこと、それぞれの楽曲を花に見立てて花束のようにプレゼントしたい、など、このライブを「bouquet」と名付けた理由を説明した石原。今日は泣くまいと決めていたそうだが、思いを話すうち途中で涙がこぼれてしまい、ちょっと悔しそうな、でも何だかとてもうれしそうな表情で言葉を続けた。

「自分の行動が一つ違っていたら、演奏してくれるメンバーが変わったのかなとか、振り付けが変わったのかなとか思ったら、何て言ったらいいか分からないけど、“人生ってこういうことなんだな”ってすごく思った。一つ違ったらみんなとも出会えていなかったかもしれないし、こんなにたくさんの人と出会わせていただいて、すごく幸せだなと思いました。だからこのライブを最高のものにしなきゃいけないなと思った。みんなが辛いなとかキツいなとか思った時、私のライブや歌で、全部は消せなかったとしても、少し小さくできたらいいなと、せっかく出会えたみんなだから思う。そんな気持ちを持って、6年目もがんばっていきたいなって思います」

 石原が話し終えるとバースデーソングが流れてブーケが登場し、再び泣いてしまった石原。「やられた~。びっくりしちゃった~」と驚きながらも、「忘れられない誕生日になりました」と、うれしそうな照れくさそうな表情でコメントした。

 締めくくりは「Untitled Puzzle」を歌い、一人ひとりが石原の5周年を形作っているパズルのピースであることを感じさせる。そしてラストの「Face to Face」では、それこそ観客と顔と顔をつきあわせるかのように客席の中に飛び込んで、〈そんなキミが大好きなんだ〉と、観客一人ひとりに気持ちを伝えるように歌った。

 石原夏織に与えられた神からのギフトは“魅了”だろう。どこかのほほんとした雰囲気を持ちながらも、真剣な表情で物事に取り組み、かと思えばまるで子供のようにはしゃぐ。その時々でコロコロと多種多様な花を咲かせる彼女の笑顔は非常に魅力的で、周りには常に大勢のファンや関係者、友達や家族が集まってくる。ここから彼女はどんな花を咲かせ、どんな実を結ぶのか。

■セットリスト
1.SUMMER DROP
2.Cherish
3.ポペラ・ホリカ
4.Paraglider
5.半透明の世界で
6.夜とワンダーランド
7.Taste of Marmalade
8.Ray Rule
9.Abracada-Boo
10.Singularity Point
11.Against.
12.TEMPEST
13.Remember Heart, Remember Love
14.曖昧蜃気楼
15.To My Dear
16.Starcast
17.♮ Melody
18.Plastic Smile
19.虹のソルフェージュ
20.Blooming Flower
En1.夢想的クロニクル
En2.Untitled Puzzle
En3.Face to Face

ライブセットリスト
https://lnk.to/bouquet_setlist

石原夏織、キャリアを重ねることが楽しみに “青春”や“家族”と等身大の視点で向き合ったシングル『Paraglider』を語る

声優・アーティストとして活動している石原夏織が、11枚目のシングル『Paraglider』をリリース。表題曲は、彼女自身も声優と…

石原夏織、アーティスト活動を通して強くなった自分 2作同時発売シングルでは対照的な表現に挑戦

石原夏織が、9thシングル『夢想的クロニクル』と10thシングル『Abracada-Boo』を8月3日に同時リリースした。TVア…

関連記事