日向坂46、『Am I ready?』で10作目の首位獲得 J-POPのトレンド感じるソウルミュージックを集めた一枚に

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参照:https://www.oricon.co.jp/rank/js/w/2023-08-07/

 日向坂46の10thシングル『Am I ready?』表題曲は、“日向坂フリーソウル”を更新する一曲。2023年8月7日付のオリコン週間シングルランキングで1位となり、日向坂46にとって10作目の首位獲得シングルとなりました。

日向坂46『Am I ready?』

 その「Am I ready?」は、ピアノの音色で幕を開けると、すぐにギターのカッティングとドラムが響き、続いてホーンセクションの音色が鳴りはじめます。この冒頭の6秒程度で、甘酸っぱいソウルナンバーを決定づけてしまうのです。そのサウンドは、坂道シリーズの編曲ではおなじみのAPAZZIによるもの。全体的にエレクトロな音が鳴り続けているのも隠し味のようです。

 大河原昇が作曲したメロディは、ソウルフルにして穏やかな高揚感をもたらします。そして、サビ前にホーンセクションの音色がアクセントのように響き、サビではストリングスの音色がボーカルを彩っていきます。3分前後で転調していく構造は意外なものですが、さらなる高揚感をもたらしつつ、サビへと回帰していきます。

 「Am I ready?」で特徴的なのは、歌詞がないスキャットの部分が多いことです。また、正直なところ秋元康による音への言葉の置き方には思うところもあるのですが、それでいて〈男の子に縁がなかったし〉というフレーズを聴き手の耳にしっかり押し込んでくるところには、「技あり」と思わざるをえないものがあります。こういうところがうまいんだよな……。

 その「Am I ready?」でセンターを務めるのは上村ひなの。2019年に取材したとき、彼女はまだ15歳。当時たったひとりの三期生として活動していました。それゆえに、今回のMVを見ると「立派になって……」という気持ちでいっぱいです。巨大な金魚とともにアニメ化されて立派になって……。

 さて、今回『Am I ready?』に収録されているカップリング曲では、シャッフルビートが響く「骨組みだらけの夏休み」といい、R&B風味の「君は逆立ちできるか?」といい、ソウルミュージックやそれに類する楽曲を集めたのではないかという気もします。最近のTikTokから生まれるバズヒットを聴いていると、ソウルミュージックやファンクを踏襲している楽曲の多さに驚くこともあります。そうしたJ-POPのトレンドに、日向坂46のスタッフサイドが反応した部分もあるのではないかーーと邪推しつつ、心地良いメロディとサウンド、そしてボーカルに身をゆだねることができるのが「Am I ready?」なのです。

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